ブレーキメーカーとして知られる台湾のテクトロ社。そのレーシング用ハイエンド・ブランドTRP(Tektro Racing Products)から新たにグラビティ系のリアディレイラーとシフター「G-SPEC DH7」が発表されました。
DH7ディレイラー
今回発表されたのはグラビティ系のG-SPEC DH7リアディレイラーとDH7シフター。7スピードです。下り系の競技ではそんなにたくさんのスプロケットは要らないんですね。とはいえニッチなところを狙ってきた印象。
なおカセットやチェーンリング、クランクセットなどは含まれません。それはお好きなものをお使いください、ということです。とりあえずデザインはすごく洗練されていてカッコいいなーと思います(使う機会は皆無ですが…)。TRP製品は私もディスクブレーキやブレーキレバーを愛用していますが、どれもデザインは大変好みです。
これらはワールドカップ5勝を経験したダウンヒルライダーAaron GwinとINTENSE FACTORY RACINGのリード・メカニックJohn Hallからのインプットを受けて開発した製品とのことで、DH7リアディレイラーのBナックルには「Hall Lock」と呼ばれるスタビライザーが搭載されているのが特徴。ノイズを抑えシフティングの安定性向上が期待できるそうです。
メイン・ピボットボルトをロックするHall Lockは効きの強さを調整可能。またそれとは別にラチェット・クラッチも搭載しています。
開発秘話の動画はこちら。13人のワールドカップ級選手とともに4年をかけて開発、87のレースでテスト、とあります。ノイズの低減に特に力を入れた製品になっているようです。
DH7シフター
シフターはカーボン製で、独自のエルゴノミックデザインによりケーブルリリースレバーの動きがライダーの親指の動きによりリニアに追従するようなフィールになっているそうです。
ディレイラーもシフターもカラーはBlack/Black, Black/Silver, Black/Goldの3色。価格はリアディレイラーとシフターのセットで$299.98。単体ではRDが$180でシフターが$120。発売は9月18日から。TRP公式サイトから注文できます。
今後2年以内に多くのコンポーネントをリリース
と、これだけであればフルフェイスヘルメットやダブルクラウン・サスペンションとは無縁のサイクリストには大きい話題ではないかもしれませんが、Bicycle Retailerが伝えるところによるとTRPは「今後2年以内に数多くのコンポーネントを発表する」計画があるそうです。
今回発表したG-SPEC DH7は、シマノやSRAMのように膨大な開発費を持たないTRPにとってコンポーネント市場に参入するための良い入口になるものと思われます。7スピードのディレイラーとシフターだけ、というと地味な話に聞こえますが、新しいプロジェクトは小さくはじめるのが鉄則。
製品外観を見ていても結構本気なのではなかろうか、と思わされます。同社は既にブレーキの方面では膨大な知見と実績を持っているので、駆動系を開発することによって今後MTBやロードコンポーネントの分野に参入してきてもおかしくないでしょう。果たして次は何を出してくれるのか、大いに注目ですね。
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