先日、諸般の事情(なにがあったのかは秘密)により西明石駅前から京都まで走るはめになったのですが、その際にELEMNT BOLTを悲劇が襲いました。
この日は超がつくほど、というレベルでもないものの結構な猛暑で、BOLTの温度計も常に40℃近い数値を記録していました。
不穏なビープ音
しばらくは特に何事も無く走っていたのですが(乗り手のほうは熱中症寸前で吐き気と格闘していましたが)、西宮を過ぎ、尼崎に差し掛かったあたりで手元から不穏なビープ音が鳴りました。
あっ、これマズイやつでは?
視線を落とすと、そこにあったのは尼崎のマップではなく「スマホアプリでスキャンしてください」のメッセージが添えられた、初期セットアップで使うQRコード。
やられた。
慌てて歩道に避難し、QRコードを消して過去のログを漁ってみるも、そこには何もありません。
何が起こった?こいつと一緒に刻み続けた1年分のログは!?
そこに無ければ無いですね~
俺の脳内で、謎のダイソー店員の無慈悲な言葉がこだまする。
ログデータだけではありません。なんと地図画面は一面の白紙、心拍計とスピードセンサーのペアリングは切れ、メートル法はにっくきヤード・ポンド法に変わり、停車するたびにいちいち停止されるワークアウト。
おまけに、ファームウェアが何故か古いバージョンに戻されています。
最新版のファームウェアはWB15-5525、上の画像の時点ではWB15-2159になっています。
2018年11月7日に公開されたバージョンがWB09-2159なので、それ以降の13回分のアップデートが「無かったこと」になっています。
工場出荷状態へ初期化された
ここまでくれば、何が起こったのかは明白。
何らかの拍子に、工場出荷状態への初期化がなされてしまったのです。
では一体なぜ?これがGARMIN Edgeであれば、タッチパネルに汗が付着して誤操作、などということも考えられなくはないですが、Wahooのサイクルコンピュータは全て物理ボタンのみの仕様です。
いちおう書いておくと、本体左側面の電源ボタンを短押し→本体右側面の上ボタンを3回押し→本体正面中央の決定ボタンをクリック→右側面の下ボタンを1回押し→決定ボタンで「FACTORY RESET」を選択→決定ボタン右のボタンで「YES」を選択、という手順を経て初めて初期化がかかります。
走行中にボタンをあれこれ触ること自体ほぼありませんので、炎天下を走り続けたことによる熱暴走の可能性がでてきました。
いやいや、いくら真夏の日本が暑いとはいえ、メーカーがそんな可能性を見逃すはずないやろ。
その通りです。実際、今回と同じくらい暑い環境下でBOLTを使い続けたこともありましたが、何一つトラブルは起こりませんでした。
ですが、今回の件では、いままでしていないある事をしてしまったのです。
西宮の手前、芦屋のファミレスでいちど休憩をはさんだのですが、その時に盗難対策としてBOLTを取り外し、店内に持ち込んでしまったのです。
当然、店内は冷房が効きまくりで冷えきっています。電源を入れたまま入店したので覚えていますが、BOLTの画面では26℃を記録していました。
で、食事の間にキンキンに冷えたコンピュータを再び40℃の熱気にさらした訳です。
これがために、14℃もの温度差(しかもごく短時間の間に変化した)に耐えられず熱暴走を起こしたのではないか、と推測したのです。
幸いにも、被害は西明石から尼崎までの50kmぶんのログが吹っ飛んだ程度で済みました。
ファームウェアは通常、最新版のままで保持される
帰宅後、即刻ファームウェアの復元と各種再設定を行い、初期化直前の状態とほぼ同じには出来ました。
今回のトラブルが、自分自身の誤操作によるものではないという一応の根拠はありまして、復元に際して自分の手で「FACTORY RESET」を試みたのですが、この時に地図を含むELEMNT内の全データが抹消されます。
ですが、手動で初期化を行った場合、ファームウェアは最新版のままで保持されるのです。
上の画像は、初期化した直後の「SYSTEM INFO」画面です。
ファームウェアがWB15-5525のままになっていますね。正規の手順に従って操作すれば、ソフトウェアが古いものに逆行するのはあり得ないはずなのです。
一応、このあと執拗に初期化を繰り返しましたが、一度たりともファームウェアのバージョンが変わる事はありませんでした。
初期化によって自宅のWi-fiとの接続も、スマホとのペアリングも断ち切られているため、それらを通じて最新版をインストールした可能性もありません。
という訳で、Wahooに限らず、GPS式サイクルコンピュータをお持ちの方は温度差によるトラブルにはお気をつけくださいませ。
ELEMNT BOLTのファームウェアについて
いい機会なので、ELEMNT BOLTのファームウェアについて書いておこうと思います。
僕がELEMNT BOLTを購入したのは昨年9月上旬で、当時のバージョンはWB09-1985でした。
それから9月8日現在に至るまで、実に14回もの更新が行われ、そのたびに様々な改良(時に改悪)が盛り込まれてきたのです。
上の画面はWahooの本国サイトにある、ELEMNT BOLTのファームウェア公開ログです。
僕は自宅のiPadのブラウザ初期画面にこのページを登録しているので、ファームウェアの更新を見逃すことがありません。
このページには13回分の記録しかありませんが、実際は14回です。WB15-5027(だったはず)は、リリース直後に再更新が行われ、前のバージョンが無かったことにされているためです。
頭の4文字は、リリース時から長らくWB09はじまりであったところ、2018年12月17日のアップデートで、パイオニアのペダリングモニターに対応したタイミングでWB15はじまりに変わりました。
この時のバージョンがWB15-2169、直前のバージョンがWB09-2169だったので、先ほどの「WB15-2159」という存在しないはずのファームウェアに変わっていたことも、熱暴走説を後押ししています。
WB15-5525のバグ
それはいいとして、最新版の改修内容にある「Re-routing improvements ~」のくだりが気になります。
コースを外れた際のリルート機能があるのはフラッグシップモデルのELEMNT ROAMだけで、BOLTと無印には実装されていなかったはず。
・・・実際にインストールしてみたのですが、リルート機能がBOLTと無印に追加された訳ではありませんでした。
WB15-5525は、ROAM専用のファームウェアであるWR14-5525と一部共用らしいので、ROAMに向けた文言を修正していないだけの可能性もあります。
それだけならまだよかったのですが、このバージョンは致命的なバグを1つ抱えています。
Ride with GPSなどで作成したルートによる道案内機能を使っている時に起こるのですが、その内容が「曲がり角に差し掛かると勝手にコースを外れたと判定され、けたたましいビープ音が鳴る」というものです。
とにかくウザいです。機能的な実害はともかく、交差点での左折待ちでじっとしている時など、ずっと「ピロリッ!!ピロリッッ!!」と鳴り続け、その間は地図上に表示させている「次の曲がり角まであと○○m」が見えなくなるのです。
そして、曲がり角を曲がり終えた数秒後に「ピロリン♪」と緑色のLEDを光らせ「復帰したぞ!」と主張してきます。
いやそもそも外れてすらいないんですけど・・・。
これ以前の14個のファームウェアは全て試しましたが、ここまで酷いバグは初めてです。
という訳で、WB15-5525より古いファームウェアで更新が止まっている人は、次のバージョンが公開されるまでアップデートを控える事をオススメします。
スマホとペアリングするたびに言語が日本語化される?
以前書いたELEMNT BOLTに関する記事ですが、「スマホとペアリングするたびに言語が日本語化されてしまう」というコメントをいただきました。
はい、確かにそうなり「ました」。
僕はあの時、そうしょっちゅうペアリングしていた訳ではないので気づくのが遅くなりましたが、現象として確かに認識できました。
ですが、100回ペアリングして100回とも日本語化されるわけでもなく、確率は50~60%といったとことでしょうか。
過去形なのは、ファームウェアの更新を重ねるたびに日本語化される確率が目に見えて減っていったからです。
バージョン表記の下4桁が3000番台に入る頃には、そこそこ起こりにくくなっていました。
4000番台になってからは全く、1回たりとも起こっていません。
念のため書いておきますが、スマホ側の言語を英語化したりなどはしていません。
これはファームウェアの改良だけではなく、スマホアプリの方のアップデートも影響しているかもしれませんが。
ただし、工場出荷状態からスマホに接続する、最初の1回だけは必ず強制的に日本語化されます。ご注意ください。
売り上げランキング: 125,852