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コンポーネント

SRAM RED eTapが、ライド中に故障!どうする?

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こーんにっちはー! みんなのアイドル、かすみn…すみません!すみません!! CBN Blog 駄文担当、などかずです。

技術の粋を集結して開発されたジオン驚異のメカニズム、最新の電動コンポーネントは最高オブ最高です。スッキリした見た目に、きわめて軽い操作感。指先のわずかな動きだけでスパッ!スパッ!スパッと変速できちゃうストレスの無さ加減ときたら、もはや感動的ですらあります。一度体験しちゃうと、もう紐変速には戻れない身体になってしまいますよね(n=1)。

SRAM RED eTap

なんですが、そんな電動コンポも「人が作りしもの」。当然、トラブルフリーというわけにはいきません。確率は低くても、トラブルに遭遇することはあり得ます。

じゃあ、そんなとき、どうすればいいでしょうか?

結論から申し上げます。

どうしようもありません!!

以上、経験者談。というわけで、

「電動コンポは最高だけど、トラブったらそこで試合終了ですよ?」

という1行で結論が出ている内容を、無駄に文字数使って垂れ流したいと思います。これから電動コンポに手を出そうと思っている方は、本稿をぜひ心の準備にお使いください。

納品から半年経ってない、SRAM Red eTapに何が起きた!?

ライドの途中で、突然eTapが変速しなくなりました。リアディレイラーが一切の操作を受け付けずに、ローで固定されてしまっています。シフターを操作しても、ディレイラー本体の変速スイッチを押しても微動だにしてくれません。

「坂はなんとか登れるけど、平坦は地獄のハイケイデンスを強いられているんだよ!」という謎バイクが、ここに爆誕です!

超快適な変速性能を持った無線電動コンポーネント搭載ロードバイクが、一瞬にして坂専用変態自転車にトランスフォーム。…な、なんということでしょう…!

発生した症状を整理すると?

こういう時には、慌てたら負けです。まずは落ち着いて、原因箇所の特定にかかりましょう。

  • 左右のシフターの変速スイッチを押しても、RDは変速しない。しかしスイッチ操作で、RDのインジケーターはグリーンに点灯する。
  • RD本体の変速スイッチを押しても、RDは変速しない。しかしスイッチ操作で、やはりインジケーターはグリーンに点灯する。
  • ▼インジケーターは点灯。信号は伝わってるし、バッテリーもあるのがわかる。

    SRAM RED eTap

  • 左右のシフター両押しで、FDは変速。正常に動作する。

eTapのFDは両側のシフター同時押しで変速するので、シフター側がバッテリー切れだとFDは変速しません。つまりシフターは正常で、バッテリー切れもしていないと考えられます。

また、シフターでの変速操作時にRDのインジケーターはグリーンに点灯するので、シフターからの信号はRDに届いています。またRDのバッテリー残量も十分ある、ということがわかります。

そして本体の変速スイッチを押しても動作しないところを見ると、犯人はヤス…じゃなくて「RDにある」という結論に至りました。 

とまぁ、ここまでは簡単に切り分けられます。

で、どう対処する?

とはいえ、その場で対処できることなんて、ほとんどありません。

  • バッテリーを外す
  • シフターとディレイラーのペアリングをやり直す
  • RD本体の変速スイッチを長押しする
  • 放置する

などなどを試してみましたが、症状に一切の変化はありませんでした。となると、残る対処方法はひとつです。

それは、最寄り駅に向かうこと。

つまり、撤退!敗走!!

いくらFDが動作するとはいえ、コンパクトクランク×28T固定バイクでは、ライドの継続をあきらめるしかありません。

絶望。

この症状が起きた場所は、グンマ-県富岡市の県道51号 松井田下仁田線。よりによって、「横浜から直江津へ向かう」というライドの途中です。

▼FDは普通に動く。

SRAM RED eTap

2019年は毎週のように、台風や雨で乗れない週末が続きました。そんななか、数少ない晴れ予報の土曜日(結局、思いっきり降られましたけど)。金曜早めに出発するために早退するなど、仕事も調整しまくってようやく手に入れた貴重な時間です。これだけのコンディションが整う機会なんて、そう多くはありません。

一切の誇張無しで、走行行程のすべてが「待ちに待った瞬間」でした。

それなのに…!

先に進みたいのに、もう先に進むことができない。今年最大のチャレンジを、途中で諦めなくてはならない。しかも、脚はまだ回る余力を全然残しているというのに!

この悔しさ、焦りと無念。まさに「絶望的」というほかありません。ピクリとも動かないRDに蹴りを入れたい衝動を抑えるのには、かなりの精神力を要しました。

なぜか復帰。

RDにトラブルが発生した箇所からは、横川駅が最寄りです。とはいえ早朝ということもあり、横川で電車を待つより軽井沢まで走ってから新幹線で帰った方が結局早そう。幸い、この先に待っているのは碓氷峠(よく考えたら全然幸いじゃない…)。どのみち、ローギア固定で走るほかない場所です。

撤退するにしても、せめて大ボスを倒してから帰りたい。というわけで、軽井沢に向けて走り出しました。

▼碓氷湖で絶望しながら記念撮影。

碓氷湖

碓井湖を超えて眼鏡橋を過ぎて、まだなお続く上りに幽体離脱しそうになっているときのことです。突然、リアが変速できるようになりました。意味がわかりません。その後は、そんなトラブルがあったことを忘れたかのように、普段通り変速して走り続けられました。

再発。

2回目のパンクで迎えた新たな撤退危機を、通りすがりのライダーさんにチューブを譲っていただいて奇跡的にクリア。その後は大きなトラブルもなく、国道18号線をダラダラと走ります。長野市内のスポーツバイクショップに飛び込んで、パンク時に裂け目の入っていたタイヤを交換。残りは80km(ただし、峠越えあり)。

何度も諦めた「直江津へのゴール」が、徐々に確信に変わっていきます。

野尻湖までの登り区間を、エクトプラズムを吐き出しながらようやくクリア。これでもうキッツい登りは無いはず…という期待が粉々に砕け散った黒姫高原付近での登坂中、RDがまた変速しなくなりました。

直江津までは、残り40km。撤退しようにも、撤退可能な最寄りの新幹線駅がありません。

幸いなことに、この先はほぼ下り。また走っていれば復帰してくれるかも?と思いながら走りますが、ゴールするまでRDが復帰することはありませんでした。

下り区間が終わった後の平坦区間は、まさに地獄。可能な限りの鬼ケイデンスでガーッと回して加速して、力尽きたら惰性で走るという、意味のわからない走行方法を続けるほかありません。

しかも、上越エリアに入った辺りで、猛烈な雨が降り出しました。シューズの中までグショグショです。

ズタボロになってようやくゴールはしたものの、そのせいで案の定、膝を痛めました。

どう対処すればよかったの?

目視では点検のしようが無いですし、発生までは正常動作。これで事前にトラブル発生を察知するのは、さすがに無理でしょう。

事後の対策しかできないとなると、可能なのは近くのスポーツバイクショップに飛び込んで、その場でコンポを購入して交換してもらうことぐらい?それもまぁ、いくらなんでも現実的ではありません。

▼動かないRDって、ただのチェーンテンショナーですよね…。

SRAM RED eTap

「 予測も対処も一切不能 」という結論にしか、たどり着けないですよね、コレ。

そしてこのトラブルが何より厄介なのは「再現性がまったくない」というところ。

さらに、「動いたり動かなかったりする」となると原因がハードにあるのかソフトにあるのかも、まったくわかりません。パーフェクトにお手上げです。

電動コンポのトラブルは、すべてを無に帰す。

というわけで、eTapがよりによって直江津行きのライドの途中でトラブったせいで、ヒドい目に遭いました(しかしこの直江津ライド、パンクにメカトラとトラブル見本市のようなライドだったんだな…)。

自分にとって唯一無二の機材が、思いっきり不良にぶち当たる。不幸以外のナニモノでもありません。eTapって、実は欠陥品なんじゃねーの!?…とか、穿った見方をしたくなってしまいかねないところです。

とはいえ、どれだけ頻繁にトラブルが発生しているのかは、「ネットでよく見る」とかでは判別できません。出荷数に対してのトラブル発生数なので、把握しているのはメーカー/代理店さんだけ。それが公開されない以上は、数多く出荷された製品のうちの、たったひとつです。

それにDi2にだって、トラブル事例はあるでしょう。こんな体験ひとつで、電動コンポを全否定するつもりなんて一切ありません。

なんですが、

「電動コンポを選ぶと、メカトラ時に対処不能になるリスクが極大」

ということを、肝に命じて出かける必要があるのだと痛感させられました。

単にバッテリー切れというだけなら、FD用に付け替えたり予備を用意しておくなどの対策ができます(仮に予備がなくても、前後のディレイラーにバッテリーを付けて走っているeTapは通常状態でバックアップがあるということなので、そこだけはDi2より安心感がありますね)。ですが、ハード/ソフト起因のトラブルには、もう太刀打ちのしようがありません。

不良品だったRDはどうなった?そしてこれからどうする?

そんなわけで、eTapのRDは購入店を通じてメーカー送り。不具合を確認してもらえて交換対応になりました。これでひと安心。なんですが、これから先は「変速がトラブったら詰み」という恐怖に慄きながら、ライドに出かけることを余儀なくされるでしょう。

交換中は応急処置として一時的に紐アルテに戻してもらいましたが、これでもかと思い知らされたのはワイヤレス電動変速の快適さ。

やっぱりeTapは最高オブ最高です…。

対処不能なeTapのトラブルに備えるには?

「予備のRDを持って走る」しかないでしょうね。いや、マジで。

ただ、eTapに限って言えば、そんな対策もあながち非現実的でもない感じです。重量とサイズは知れていますから、荷物が多くなることへのネガは最小レベル。それでRD動作不能に対応できる、という絶大な安心感が手に入ればそちらの方がメリット大でしょう。

RD交換は大ごとではありますが、eTapならワイヤーセッティングの必要がありません。事前に予備RDを調整しておけば、割とポン付けに近い難易度で交換できてしまうでしょう。

というわけでSRAMさんは、ぜひ予備RD付きのグループセットを販売開始してください!

著者
などかず

美味しくご飯を食べることをモチベーションにペダルを回し、機材の性能に頼り切って「頑張らないことを頑張る」物欲系へっぽこ自転車乗り。リアルで自転車に乗れない週末にはZWIFTで合計100km以上のバーチャルライドを欠かさないものの、脚力や走行スキルについての言及は意図的に避けている模様。愛車はLOOK675、ブロンプトンCHPT3 V2、タイレルFX(これだけとは言ってない)。

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