Canyonがグラベルバイクの新モデル「Grizl(グリズル)」を発表しました。下の公式動画では陰鬱な部屋の中でのテレワークにストレスが溜まりまくっているように見える女性が、とある動物に急かされるようにしてバイクパッキングの旅に出かけます。
Grizlは北米に生息するグリズリー・ベア(Grizzly bear)からその名が取られています(そしてGrailに少し寄せた綴りにしています。ネーミング上手!)。日本のヒグマも近縁の大型の熊です。
さてこのGrizl、どんなバイクに仕上がっているのでしょうか?
GrizlとGrailの違い
CanyonのグラベルバイクといえばGrail。Grailは、Canyon公式サイトでは「オンロード〜グラベル」というカテゴリーに入っていますが、Grizlは「オールロード」というカテゴリー。Grailをさらにオフロード方向に振ったモデルとなっています。
大きい違いは4つ。まずジオメトリはGrizlのほうがスタックがより高く、リーチがより短くなります。つまりよりアップライトな乗車姿勢になって、ハンドルも少しだけ近い。ホイールベースもGrailより少し短めで、するとリアの反応性が高くなります。快適性とコントロール性、両方を考慮しているような印象です。
次にタイヤクリアランス。完成車では45mmタイヤを採用していて、最大50mmまで対応。Grailは42mmまでなので、Grizlは「もっと悪路を走りたい人」を想定しているのがわかりますね。
3つめはバイクパッキング用のアイレットの数。トップチューブにもダウンチューブにも、そしてフォークにはなんと3つのアイレット。フォークパックの装着も簡単です。ただしリア三角にマウントはありません。
あとはハンドル。Grailのような2階建てハンドルではありません。爆速で走るファスト・グラベルを選ぶならGrail、よりオンロード比率が少ないバイクパッキング派ならGrizl、という感じで選べるようになっています。
Grizlのラインナップ
Grizlは大きく「機能性・スピード重視」のCF SLX系と「多用途で頑丈」なCF SL系に分かれます。CF SLXは現在SLX 8の1モデルのみ。CF SLはSL6, 7, 7 WMN(女性用), 8の4モデルで、コンポはShimano GRXとCampagnolo Ekarから選べるようになっています。GRX版は1xと2x両方あり。ギア比はどれも最大でも1:1が選ばれています。
最安価格はCF SL6(10スピードのGRX400)の¥219,000で、一番高いのはCF SLX 8 Di2(GRX)の¥509,000(とは言ってもホイールにDT Swiss GRC1400 Spline db、サドルにFizik Argo Terra X5等、良いパーツが付属してこの価格はコスパが高い)。
注文可能次期は7月〜8月以降のものが多いです(2XLや2XSなどレアなサイズは在庫ありのモデルもまだあります)。納期は結構かかると思いますが、海外サイクリストの声を見ていても相当人気が高く、初期ロットは瞬殺だったらしいので欲しい方は注文が再開され次第はやめにオーダーしておいたほうが良さそうです。将来的にはアルミバージョンも出るとは思いますが、相当先になるでしょう。
旅の計画をしておこう
現在は諸事情で思う存分旅をするのは難しい状況にある方も多いと思いますが、こんな時は走ってみたい場所の下調べや計画に最適です。地図の読み方・コンパスの使い方を覚えたり、装備品を検討したり、自転車と登山を組み合わせた旅行を組み立ててみるのも楽しいものです。