Pirelliがサーモプラスチック・ポリウレタン(TPU)素材のチューブ「SmarTUBE」を発表しました。TPUチューブはTubolitoの登場で大きく注目され、昨年秋にはSchwalbeもリムブレーキ対応版の「Aerothan」を発表して話題になりましたが、続いてピレリも参戦。今後はTPUチューブ戦争が激化しそうです。
ロード・グラベル・MTB用をラインナップ
ラインナップされているのはロード用の「P ZERO」、グラベル用の「CINTURATO」、MTB用の「SCORPION」の3種類です。
P ZERO SmarTUBE
ロード用P ZEROのラインナップと重量は次の通り。バルブはいずれも60mm。
- 700×23/32c 35g
- 700×28/35c 70g
CINTURATO SmarTUBE
グラベル用CINTURATOは650bと700cがあり、700cのみ少し重めの「強化バージョン」も用意されています。こちらもバルブは60mm。
- 700×28/35c 強化バージョン 70g
- 700×33/45c 通常版 49g
- 700×35/45c 強化バージョン 110g
- 650bx40/45c 通常版 45g
ちなみに公式サイトを見るとロード用P ZEROの700×28/35cには「強化版(reinforced)」の記載はありませんが、グラベル用CINTURATOの700×28/35cは全く同じサイズかつ強化版でありながら重量は同じ70gとなっています。中身は同じなのか、それとも記載の誤りかは記事作成時点では不明です。
SCORPION SmarTUBE
MTB用SCORPIONは29インチ・27.5インチタイヤ用があり、タイヤ幅2.6インチまで対応。バルブはいずれも42mmです(※プレスタのみ)。
ラインナップと重量は次の通り。
- 29×1.8/2.2 75g
- 29×2.2/2.6 100g
- 27.5×2.2/2.6 95g
価格は全てのラインナップ・バージョンで1本$36.90となっています。本日のレートだと日本円で4,035円。価格は大体Tubolitoに近いです。Schwalbe Aerothanは定価ベースでほんの少し安いですが、TPUチューブの定価は各社4,000円程度という感じになってきていますね。
P ZERO Race Tub SLチューブラーにも内蔵
さてこのSmarTUBEですが、P ZERO Race Tub SLチューブラータイヤにも内蔵されているそうです。一般的なブチルチューブより70%軽量で、体積は最大50%減、耐パンク性能は2倍とされています。
公称重量的にはTubolitoやAerothanより若干重いですが、それが耐久性に繋がっているのを期待したいところですね。
▼ 過去のTPUチューブ関連記事
なおロード・グラベル用はディスク・リムブレーキ両対応ですが、MTB用はリムブレーキで使ってはいけないとされています。
TPUはラテックスチューブに比べると軽量でありながら空気保持力に優れています。車体を軽量化できて走りも軽快になり、運用性も高い、と良いことづくめではあります。チューブレス派の方の予備チューブとしても良いのではないでしょうか。かさばらないのも長所です。
筆者は最初に手に入れたTubolitoチューブが不良品だったこともありTPUチューブの導入は少し躊躇しているのですが、メーカー各社が参入するにつれてTPUチューブ全体の品質は向上してくるでしょうから、将来的には乗り換えたいところです。
ただPirelliのサイトを見ると、専用のパンク修理キットは掲載されていないのでパンクした場合は使い捨てになるのかどうかが気になります(Tubolitoは別売りのパッチキットがあり、Schwalbe Aerothanはパッチキット同梱です)。