ワイヤレスで紐を引く電動シフター「XShifter」が冬頃に話題になったのは記憶に新しいところです。クラウドファンディングからスタートしたこの製品、途中で出資者とのゴタゴタもあったようですがとりあえず大手メーカーからマスプロ版がリリースされるまでに至りました。日本でも市販されています。
しかし最近、このXShifterと非常に似ている製品をインスタで見つけました。まずは動画をご覧ください。
動作原理はXShifterと全く同じです。チェーンステーに装着した変速ユニットからリアディレイラーまでは「紐」ですが、変速ユニットへの司令はワイヤレス。
これはArcher Componentsというカリフォルニアに拠点を置くメーカーが少量生産している製品のようです。XShifterとあまりに似ているので何か関係があるのかなと思ったのですが、特にないようです。
設定はスマホアプリで行います。これもXShifterと同じ。ディレイラーの移動は1/4ミリ単位で設定できるんだそうです。
XShiterについてはかなり話題をさらった製品ではあるのですが、サイスポの製品レビューではレスポンスがかなり遅い(ボタンを押してから実際に変速が開始するまでのタイムラグがややストレスに感じられるほど)という指摘がありました。ツーリング用途では問題ないとのことですが、それを読んで若干ううむ、これは様子を見よう、と思ったのでした。
この記事の最初に紹介したインスタ動画を見ると、ボタンを押したタイミングと変速開始のタイミングがそれほどずれているようには思えないので、そのあたり実際にどうなのか、XShifterよりもレスポンス良く仕上がっているのかどうかが気になるところ。
かるく調べてみたところ、日本でこれを使ったことがある人はまだ誰もいないようです。
そしてこのD1x Shifterの良いところは、SRAM Match Maker互換であるところ。うまくやればスマートにハンドルバーに変速スイッチを設置することができます。これは魅力。フラットバーはもちろん、PAULのアダプターを使えばドロップハンドルでも使えます。
気になる価格は、いまのところ数量限定販売で在庫も多くはないようですが、本体$389、日本への送料$35で合計$424。現時点でのレートで¥46,938なので、税込み¥45,360のXSfhiterより若干高い感じです。
こういうソフトウェアが絡む製品は安定的かつ長期的なサポートがないと買いにくいところがあり(アプリがなくなったらそれでおしまいです)、台湾大手メーカーがマスプロ品として量産し、日本にも輸入代理店ができたXShifterのほうが安心感はあるのですが、噂される「XShifterのレスポンスの悪さ」とリモコンスイッチの無骨さは私にとっては買い控え要因となっています。
果たしてこのD1x ShifterはXShifterの座を奪えるのでしょうか。というか機構的にはそれほど難しくないものかもしれないので、今後も類似製品が続々と出てきそうな気はします。