フレーム・完成車

Calamita due カフェレーサー改造の記録

ここのところアルミロードばかり乗っていたのでクロモリフレームが欲しくなった。

それもしなるクロモリが欲しいと思った。

Surlyの4130クロモリバイクは何台か使ってきたので頑丈なクロモリは分かっているつもりだが、「しなり」のあるフレームはよく分からない。

さて、何を選べばよいのか…なにしろ予算が限られているので中古のフレームを買ってアルミロードのパーツを載せ替えてみるか、とネットで情報を漁ってみると何やらカラミータというロードバイクが有るらしい。

Calamita due

Calamita due

メーカーHPを見て、え? カフェレーサー? ウイップを生かしたバネのある走りだと? いいじゃないか!と思った。

Tig溶接、カーボンフォークモデル。クロモリ素材の持つトラッドな風合いよりも、イメージとしては、昔のモーターサイクルの世界のアーバン・カフェレーサーがコンセプト。だから基本骨格のフレームには綺麗な出来の良いTig溶接にこだわりました。そしてカーボンフォークを使用して軽量化を図っています。

淡くベントさせたシートステイはウィップを生かしたバネのある走りを堪能できます。完成車重量がなんと8.9kgを達成。ドレスアップすれば、まだまだ軽量化可能です。

Action Sports Corp Calamita due

さらに良く見てみると、なんだと? カフェレーサーのみならずバトルオブツインだ?最高ではないか!

シャシー(クロモリフレーム)にコストを掛け、エンジン(お客様自身)の好みに応じたバージョンアップをする余地を残しています。 いわばいじる楽しみです。言い換えれば未完成とも言えますが、それがCalamitaの魅力でもあると考えました。

私達はTommasiniやCasati、そして彼らを支持する日本のエンスー達を通じて、そのエッセンスとマインドを学ぶことができました。 また、30年あまりになるモーターサイクルや自転車のパーツ(フレーム)やアクセサリーの貿易や商品開発の経験もこのバイク作りにいかされています。

ですから、開発コンセプトの一部が、モーターサイクルのカフェレーサーであったり、バトルオブツイン・シングルのイメージであったりします。

Action Sports Corp Calamita

しかもトマジーニのエッセンスとマインドだと!

キャラダイスのサドルバッグを付けてトマジーニに乗って食堂でお昼を食べたりお手紙読むカスクの御方のトマジーニじゃないか!

どこまで好みを突いてくるのだ! もう迷いは無い!後は手に入れるだけだ。

カラミータがやってきた

熱意が天に通じたのか、程なくしてカラミータ・デュエの中古フレームが手に入った。

しかし、曲がりも凹みもサビも無く程度はいいのだがハンガーのボトムブラケット取り付けのネジが傷んでいた、オークションではよくあることで説明に無かったからと言って腹を立ててはいけない、何事も縁である、因果応報である。

「とにかく安い工具を」とWiggleで注文し首を長くして待つ。

カラミータ、カフェレーサーになる

X-Tools - Pro ボトムブラケットフェーシング・タッピングセット

届いた「X-Tools – Pro ボトムブラケットフェーシング・タッピングセット」でネジ山をさらってやるといとも簡単にボトムブラケットの取り付けが可能になった。

shop X-Tools – Pro ボトムブラケットフェーシング・タッピングセット

早速アルミロードから外したシマノ5800を搭載し、Novatec Jet-Flyチューブレスレディを履かせてみる。ハンドルもシートポストも全て流用品である。

ただ雰囲気重視でクランクだけは余っていた5本アームのOVALに換えてある。

新たに購入したのはシートポストクランプにWレバー台座のアウター受けと28.6mmFDバンドアダプターくらいである。

そう、カラミータはごく普通のパーツで間に合う実に親切なフレーム設計なのだ。

Calamita due

まるでチタンのような渋いシルクブラッシュがカーボンフォークをはじめ105のブラックパーツと良いコントラストだ。

まさにアルミ地肌の叩き出しBSAタンクを背負ったSR400みたいだ、本場ブリティッシュでは無いがジャパニーズネオカフェレーサーじゃないか。

Calamita due

しばらく乗っているうちに常に目に入るステムとハンドルの景色がフレームと似合ってない違和感が気になってきたので、スレッドステムみたいなスッキリとしたVENO(ヴェノ) ハイスタックステムと、クロモリロードに合いそうなNITTOニットーB105AAハンドルに交換してみることにした。

Calamita due

何故か変速性能も気になってクランクをFC5800に換えるという愚かなこともしてしまうあたりがまだ迷いの有ることを伺わせる。

やはりクランクは5本アームに限る!

どうしてもカブトガニのようなクランクが気に入らない。

5本アームのスタンダードなシルバークランクにしてみよう、ついでにホイールもリムテープが心配なチューブレスレディからシーラント不要のチューブレスに換えてみようと思った。

Calamita due

クランクはスギノやっぱりスギノマイティ、ホイールはFulcrum Racing 3の2-Way Fitの型遅れナローなやつを奢ってみた。

被せ物のためにどうしても太身になるハイスタックステムはNITTOのクロモリステムに換えてみたが、ずいぶんとスリムになるもんだ。

カラミータ、スレッドステムになる

クランクは換えたがチェーンリングは5800のままだ、はっきり言って不細工なのでストロングライトに換えよう。

時々気にはなっていたが、やはりこのトップチューブの径にはスレッドステムでないとオカシイだろうと思う。

それにもましてさらに問題なのはフォークだ、カフェレーサーと言うにはバランスが悪い。

まるでノートンのフェザーベッドフレームに最近の倒立フォークを付けたようなけしからん違和感だとひとり憤慨する。

人はなかなか冷静にはなれないものだ、だがそもそも発展というものはそういう原動力を必要とするものなんだ。

KUWAHARAダウンサイザー

OSのヘッドチューブに1インチのスレッドフォークを入れるにはこれだ、KUWAHARAダウンサイザー。

アクションスポーツのtradizioneスレッドフォーク

ジオメトリーやなにやら面倒なのでカラミータにぴったりという触れ込みのアクションスポーツ別売りクロモリフォークを使うことにする。

参考 アクションスポーツのtradizioneスレッドフォーク

ヘッドチューブ上下にKUWAHARAダウンサイザーを圧入する。

ヘッドパーツは鉄製のタンゲ レビン、そしてアクションスポーツのtradizioneスレッドフォークを挿して完了である。

Calamita due

うん、なかなかシュッとしている、現代的クロモリバイクらしくていいじゃないか、乗ってみてもフロントにどっしりとした落ち着きが出てきた。

Calamita due

これでもう十分ではないかと思った…この時だけは。

カラミータ、シマニョーロになる

シマノ105(5800)は性能的には全く不足が無い、カラミータには全くもって十分である。だが、ブラケットがらしくない。

ちょっと奮発してカンパに載せ替えてみようじゃないか、と欲をだしてみる。

まずはカンパレコードのエルゴレバーを付けてみるが、ディレイラーは5800のままなのでいわゆる「シマニョーロ」である。

カンパレコードのエルゴレバー

GROWTAC EQUAL PULLYというイコールプーリーで引いてみることにする。

しかしどうもディレイラーの横移動量とスプロケット間隔がきれいに一致しない。

とりあえず組み付けて走ってきたが、スプロケット真ん中辺りの繋がどうもストレスになっている。

Campagnolo Chorus 11 リアディレイラー

シマニョーロが上手く変速できない。イコールプーリーはグレードと年式によってシビアなのだ、ここはあっさりとリアディレイラーをカンパに換えることにしよう。なにせシマニョーロというのはかなり深い沼だと聞いているので君子危うきに近寄らずである。

ついでと言ってはなんだが、ステムとハンドルも換えてみようと思った。選んだのは一度使ってみたかったチネリ ジロ・デ・イタリアドロップハンドルと1Aステムだ。

Calamita due

ハンドル・ステムをチネリに、ブレーキレバーとリアディレイラーをカンパにしたのでイタリアンである。

BSAアルミタンクのSR400からドゥカティのカフェレーサー900SSになったようではないか!とひとり喜ぶ。

カラミータ、Wレバーになる

ある日の事、11sのWレバーが存在する事を知ったのがまずかった。

早速ダイアコンペENE11sを買い、フレームに載せてみると合点がいった。

ダイアコンペENE11s

これなんだよ!これ!だいたい細身のクロモリロードにシマノやカンパの一体型シフターを付けるなんてのは極上のブラックコーヒーに砂糖をぶち込むような物だろ?せっかくの山菜をアク抜きしてどうするんだ!と愚にもつかない例えが頭の中を駆け巡った事は今でも覚えている。

Calamita due

そして「もうこうなったらいっそシルバーに統一しようぜ!」と耳元で囁くもう一人の自分が居た。

フロントとリアのディレイラーはカンパアテナ11s、ブレーキもグレードは忘れたがカンパの物だ。ブレーキレバーはリリースのタッチが素晴らしくレトロ感の有るTRP RRL-SRにした。

カラミータ、シルバー化していく

Wレバーにし、パーツがシルバー化していくに連れホイールが派手に思えてきた。

tradizione zeroホイール

またもやアクションスポーツのtradizione zeroホイールを選んでみた。

参考 アクションスポーツ tradizione zeroホイール

Carradice

さらにアクションスポーツと言えばトマジーニではないか、トマジーニと言えば当然キャラダイスだろう。と何故か脈絡のない妄想が進む。

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Calamita due

フロントホイールが裏返しなのは見なかったことにしてください…

銀色化が行き着くところまで行った感がある…

いつの間にかクランクもカンパベローチェになっていた。

カラミータ、上出しアウターになる

どんどんと走行性能が低下していくと、なにか吹っ切れたところで懐かしいアウターびろ〜んブレーキレバーにしてみたくなった。

ダイアコンペ GC-202Q

ダイアコンペ GC-202Qである。クイックリリースが付いているのでカンパニョーロのブレーキでも問題無い。

Calamita due

カラミータ最終形態である。

一番最初のカラミータと見比べるとみなさんはどちらを選ぶであろうか?

こればかりは何故か私自身でもよく分からないのである。

どちらもカラミータの特徴を活かしたものだと思っている。つまりアクションスポーツの狙いは気持ちのよいクロモリらしい走りと、細身でクロモリらしいスタイリングの両方なので、オーナーがどの辺りでバランスを取るかという誠に決め所のない話なのだ。

カラミータの性能を極限まで引き出してクロモリロードレースにエントリーするも良し、バッグを付けWレバーでブラリング(ぶらぶらサイクリング)を楽しむも良し、カスタムの素材として遊ぶのも良し、である。

後記

カラミータは価格帯とユーザー層の関係もあるようですが完成車そのままで乗られることの方が多く、あまりカスタム例の少ない車種ですが参考になれば幸いです。

今のところアクションスポーツさんのカラミータファンページは更新が止まっているようですし、ネットでの紹介記事も最近はほとんど見なくなりさびしくなりました。

ところで、カラミータはフレーム単体売りでも需要が有るような気がするのは私だけでしょうか?クロモリロード入門バイクとしてだけではなく、クロモリロードの素材としても楽しいフレームだということはつくづく実感しましたのでこのままでは何か惜しい気がします。

著者
DINGLESPEED

現在四国の西の端の下の方に生息中で、主に足摺岬から四万十川にかけて出没します。自転車のガラクタを集めては歓喜し妄想を形にした挙句、留まることなく次の獲物を物色する懲…

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