タイヤ・チューブ

コンチネンタルがタンポポを原材料とするロードバイクタイヤを限定発売

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コンチネンタルが来月のツール・ド・フランスの開催までにタンポポを原材料とするロードバイクタイヤを限定発売する、という驚きのニュースをBicycle Retailerが伝えています。

出典 At the Tour de France, Continental will show its first bike tires made of dandelion rubber

アーバン・タラクサグム 700x32C

それによると提供されるのは700x32Cのワンサイズのロードバイク用タイヤ。モデル名はアーバン・タラクサグム(Urban Taraxagum)。英語読みならタラクサガム。

「タラクサグム」は「ロシアタンポポ」の学名”Taraxacum kok-saghyz”(タラクサクム・コクサギス)に由来。

このロシアタンポポを原材料とするタイヤの開発をコンチネンタルは数年前から進めており、既にこの植物由来の原材料を一部とする(クルマの)トラック用タイヤを販売した実績があるそうです。

下のYouTube動画は2016年4月公開のものですが、このロシアタンポポからどのようにタイヤが生まれるかがわかる内容でおもしろいです。

収穫に使用するハーベスターは市販製品の応用が効かなかったらしく、機械の開発コストも結構かかっていると思います。

なぜロシアタンポポなのか

でもなぜタンポポなのでしょうか。

その前に、タンポポなら何でも良いわけではなく、ロシアタンポポという品種から良質のラテックスに似た原材料が取れるのだそうです。

このロシアタンポポは英語版Wikipediaによるとカザフスタン・キルギスタン・ウズベキスタンといった中央アジアが現生地。それゆえに熱帯でなくても栽培が可能です。日本でも育つのではないでしょうか。

ロシアタンポポ

ロシアタンポポは旧ソ連が1932年にカザフスタンで発見。写真は1947年撮影

通常のゴムが採取できるゴムの木は現在熱帯の国々で栽培されているものの、ラテックスが採れるようになるまでには7年もの歳月を要するそうです。しかも単一栽培・焼畑農業。これではとてもサステイナブルな資源とは言えません。

それに対してロシアタンポポは1年で収穫が可能。輸送コストも少なく済みます。ただし商業化を推し進めたとしてもトータルコスト的には現在東南アジアから輸入できるゴムよりも高価になるようです。

それでもなぜコンチネンタルが「タンポポゴム」の開発を進めているかというと、ゴムの木はその現生地であった南米ではキノコによる病気が原因で絶滅。この病気が仮にアジアにも入ってきた時のために代替素材を考えておいたほうが良い、という事情があるようです。

マレーシアのゴムノキ農園

マレーシアのゴムノキ農園

今回コンチネンタルが限定販売するアーバン・タラクサグムはドイツ産のロシアタンポポを原材料として使用。ロードバイク用、と言っても「アーバン」という名称からするとシティライドに振ったモデルであることが想像されます。

日本に入ってくるかどうかも価格情報も不明。コンチネンタルは今年のツール・ド・フランスのビッグスポンサーなので、ツール開催にあわせてこのタイヤを発売することでブランド・メッセージを世界に発信することがメインの目的でしょうか。

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著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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