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タイヤ・チューブ

チューブラータイヤのパンクはラク?それとも手間?(アンケート結果紹介)

先日CBN BlogライターのPHILLYさんがチューブラータイヤの運用に関する網羅的で有益な記事を寄稿してくださいました。こちらです。未読の方は是非お読みください。

チューブラータイヤ入門 そのメリット・デメリット・運用のコツを徹底解説
最近SNSやWebサイトなどを眺めていると、チューブレスタイヤを使っている人が急激に増えてきたように思います。 MAVICがロード用USTチューブレスを発売した事、カンパニョーロがボーラWTO(カーボンチューブレスリム)をリリースした...

さて、チューブラータイヤは現在、チューブドクリンチャー(以下クリンチャー)・チューブレス・チューブラーという分類の中で最も使用率が低いタイヤ・ホイールシステムとなっているのは間違いないでしょう。

Campagno Bora One 35 至高のチューブラーホイールのひとつ(写真 PHILLYさん)

チューブラータイヤのメリットは多々あり、PHILLYさんの記事でも紹介されています。にもかかわらずチューブラーの人気が伸びない最大の理由は「パンク修理が難しいのではないか」というイメージがあるからだと思います。

まずは皆さんにご意見をお聞きしました。

パンク修理、どちらがラクだと思いましたか?

質問

チューブラー、チューブド・クリンチャー両方を使ったことのある方で「出先でのパンク回数がそれぞれのシステムで3回以上」経験者の方にお聞きします。

パンク修理、どちらがラクだと思いましたか?

に対する回答は次のようなものでした(回答数196)。回答の多かった順に並べると、

  1. チューブド・クリンチャー … 59%
  2. どちらも手間は同じくらい … 21%
  3. チューブラー … 20%

という結果でした。これを見るとパンク修理はクリンチャーのほうがラクだ、という意見が6割弱、とやや優勢です。しかし「どちらも変わらない」と「チューブラーのほうがラク」の合計も41%と、極端な差はないようにも見えます。

チューブラーのパンク修理(タイヤ交換)が面倒なものになる瞬間

私も数年間チューブラーに乗っていたのですが、私の場合はタイヤ交換が大変・面倒に思えてしまったので、現在はチューブレスやクリンチャーがメインになっています。

しかしPHILLYさんやGlennGouldさんといったCBNのベテランサイクリストの方々が「チューブラーのパンク修理は簡単!」と常々おっしゃっているので、

な、なんだって…? 俺のやり方は何か間違っていたのだろうか…

と疑問でした。しかし、その疑問はPHILLYさんの「チューブラータイヤ入門」記事の「両面テープについて」の項を読んで氷解しました。

そう、私はセメントではなく、チューブラーテープで運用していたのです。

…もうひとつは、「出先でパンクした時のタイヤ交換が死ぬほど面倒」という事です。僕がテープ嫌いな理由はここにあります。

(中略)

もっと面倒なのは、パンクしたタイヤを剥がした後、リムの表面に残った両面テープの切れ端を綺麗に除去しなければいけないのです(残ったままだと接着力が落ちて危険です)。

剥がしたタイヤがテープを巻き上げていってくれたら楽なのですが、大抵はリムにベッタリ残ります。

両面テープで接着したチューブラータイヤはまず、剥がすのに大変力が必要なことがありました。またリムにベッタリとテープが残ってしまうことも確かにありました。

ただ、リムではなくタイヤに残ることのほうが多い、というご意見もあり、私の体験上もリムとタイヤに残る確率が半々といった感じで、しかもどんな使用条件ならテープがリム側に残りやすいのか、あるいはタイヤ側に残りやすいのか、最終的にはわからずじまいでした(ここに一定のパターンを見いだせなかったことも私がチューブラーの運用に難しさを感じた理由のひとつでした)。

チューブラーテープはリムとタイヤのどちら側に残りやすい?

実際、統計的にはリム側とタイヤ側のどちらにテープが残りやすいのでしょうか。167名の方々にお聞きしました。

質問

チューブラーで両面テープを使っている・使っていた方にお聞きします。タイヤをはがす時、テープはタイヤ側、リム側、どちらに残ることが多い(多かった)ですか?

に対する回答は次のようなものでした(回答数167)。

  1. リム側 … 41%
  2. タイヤ側 … 38%
  3. どちらとも言えない … 21%

なんとも微妙な結果になってしまいました。リム側に残ると回答された方が若干多いですが、タイヤ側に残ると回答された方も少なくないのです。これはやはり「どちらとも言えない」ということが多いのではないでしょうか。

恐らくタイヤを剥がすまでの走行距離、運用していた空気圧、ライダーの体重、その日の気温、使用していたチューブラーテープの銘柄、タイヤの銘柄、リムのタイプ(アルミ・カーボン、そしてカーボンも様々)といった様々な変数によって結果が変わってくるのではないでしょうか。

リム側にこびりついたテープの残滓をはがすのは、大変な時は大変です(これもたまにペロッと剥がれてくれる時もあるのが不思議)。タイヤ側に残ったものも、パンクしたタイヤでなく消耗したタイヤをスペアに回す時にも、きれいにしようとするのは一仕事でした。

いずれにしても「チューブラーはパンク修理(タイヤ交換)がラクである」と言われる場合、テープではなくセメントの使用が前提になっている意見ではないかと思うのですがどうでしょうか。

これから新たにチューブラーに挑戦してみたいという方、あるいはまたチューブラーを試してみようかな、という方は、セメントでベッドを作る、という伝統的な作法で運用したほうが良いかもしれません。その時にPHILLYさんの記事はとても参考になると思います。

チューブラーリムにセメントでベッドを作る(写真 PHILLYさん)

ブルベでチューブラーを使っている人っているの?

ここでひとつ気になったことがあります。それはパンクからの復帰に要する時間の短縮と体力の温存が大事になるはずのブルベでのチューブラー使用率です。皆様にお聞きしました。

質問

ランドヌール・ランドヌーズの方にお聞きします。ブルベ参加時のホイール・タイヤシステムは何をお使いですか?

に対する回答は次のとおり(回答数402)。

  1. クリンチャー(チューブド) … 75%
  2. チューブレス … 16%
  3. チューブラー … 9%

クリンチャーが多勢を占めるだろう、ということは予想していましたが、チューブラー使用率が9%というのは新鮮な結果でした。10人に1人…と言っていいのか微妙ですが、少なくとも1割弱の方々は、ブルベという時間と体力のマメジメントが重要視されるイベントでもチューブラーを使っています。

この数字から考えると、「チューブラーだからパンク修理(タイヤ交換)は大変だ、手間がかかる」といういうことは少なくとも言えないのでしょう。

要はやり方、運用上のコツを押さえるといったところでしょうか。

チューブラーにおけるパンク修理の手数は、クリンチャーよりも少ないのは間違いありません。また交換後のタイヤにパンクの原因がもはや残っていないという点でも確かにメリットもあります。

かといってクリンチャーをやめてチューブラーメインにしよう、という方は現状、それほど多くないかもしれません。ホイールやタイヤの選択肢も減っていくことはあっても、増えることはたぶんないでしょう。なかなか悩ましいところです。

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著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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