シュワルベの新型タイヤレバーを試してみました。新型、と言っても3〜4年前頃には既に存在していた製品ですが、シュワルベのタイヤレバーは「旧型」があまりにも有名なので今でも「新型」と呼ばれることが多いようです。
新型と旧型の比較
今回ご紹介する新型はこちら。3本セット販売。ちなみにamazonで¥552だったのですが、最低2セット買わないといけない謎の縛りがありました。最大の特徴は「クリップ機能」。これについては後で詳しく紹介します。
その前に旧型レバーと比較してみます。下の写真、左側が旧型。これは定番のタイヤレバーの1つとしてあまりにも有名な製品ですよね。このシュワルベの青いやつか、マルニかパナレーサーのレバー。この3つ、どれも人気があります。私はたまたまシュワルベのレバーをメインで使い続けています(クリンチャーの場合)。
旧型も本来は3本セットですが、私は2本で使うことが多いです(手強いタイヤの場合は3本あったほうが良いので、携帯する場合はなるべく3本持っていたほうが良いです)。旧型はぴったり重ねるとパチンと合体するので携帯に便利、という利点があったのですが、新型でそれは失われました。ただの3枚の板です。サイズは旧型よりも縦に少し長くなっています。ツール缶の中では少し場所を取ります。
ビードが外れていくあの「あるある」に対応
しかし機能面では大きく進化しました。下の写真のように、タイヤをハメる時に便利な「クリップ」が使えます。途中までビードを入れていった後、片方の手でビードを押さえ、もう片方の手でレバーを使ってタイヤをハメようとする時、押さえていたビードがズルズルと外れていってしまうことがありますよね。あれを回避できる仕組みです。
頑張ってぎりぎりまで手で押し込んでいったビードの2箇所をクリップで留めたら、あとは真ん中にタイヤレバーを1本突っ込んでバキン! と一気にビードを押しこめます。これは確かに便利。
このクリップになっている部分は結構固いのですが、3mmくらいは動くようになっています。下の写真で見えている、外側に出っ張っている部分をリムのフックに嵌合させます。
下の写真のほうがわかりやすいでしょうか。こんなふうにリムをクリップすると、レバーの背中の部分がうまい具合にビードの抵抗になって、滑らなくなります。アイデア商品ですね。
タイヤペンチのような「最後のビードを楽に入れられる」ツールであっても、左右のビードがずれていってうまく行かない時があります。そんな時はこの新型レバーを使うと便利です。携帯用としてはもちろん、自宅の工具箱にも入れておきたいアイテムですね。
ところでいま気になった調べてみたところ、旧型のレバーはもうあまり流通していないようです。楽天には少しあるようですが、amazonからは姿を消しています。もう旧型は生産していないんでしょうか。
と思ってシュワルベ公式サイトのアクセサリーページを見てみたら、やはり新型しかリストされていません。旧型、ディスコン!
携帯に便利な旧型が好きな方は、いまのうちに買えるところで買っておいたほうが良いかもしれません。リアルショップではまだ置いてあるところ、結構あると思います。機能面では新型の圧勝ですが…
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おまけ:シュワルベの工具がまだ青い理由
ところでこのタイヤレバーのカードには、とある文言が書かれていて、驚きました。写真の白丸で囲んだ部分です。
The colour blue is a trademark of Park Tool for bicycle tools and is used under license.
青色はPark Tookの(自転車工具についての)登録商標であり、ライセンスの下で使われています。
なんと、シュワルベはこの青色を維持するためにパークツールにお金を払っているようです。
これについては、以前「青い色の自転車工具が姿を消しつつある理由」という記事で紹介したことがあります。簡単に言うと、普通は色について商標登録なんかできないように思われますが、パークツールの青は米国特許商標庁によりしっかりと商標として認可されている、という話です。
米国特許商標庁は1931年以降、1,329の企業に対して色に関する商標権を認可してきた。そのうち967が現存する企業で、パークツール社はそのうちのひとつ。そして自転車産業界では唯一「色の商標権」を認められている会社なのだそうです。
Tacxのツール類が近年は青色でなくグレーに変わったのはこれが原因でしょう。シュワルベの場合、企業ロゴも青なのでコーポレートイメージを維持するためにもパークツールにお金を払ってブルーを使わせてもらうことに決めたのでしょう。
しかしよくよく考えればこのパークツールによる「青色」の商標、「ルーベ訴訟」で炎上したスペシャライズドも真っ青なすごい話ですよね。