フランスのスポーツ大臣がツール・ド・フランスの無観客開催について言及

フランスのロクサナ・マラシネアヌ(Roxana Maracineanu)スポーツ大臣が今年6月27〜7月21日にかけて開催予定のツール・ド・フランス(グランデパールはニース)について、無観客での開催も検討していることをフランスメディアとのインタビューで語っています。

Arc de triomphe de l'Étoile

参考 EXCLU – Coronavirus : la ministre Roxana Maracineanu envisage le Tour de France à huis-clos – france blue
参考 Roxana Maracineanu évoque la possibilité d’un Tour de France à huis clos – Tour de France – L’Équipe

ツールのビジネスモデルはチケット販売に依存していない

記事では次のような内容が報じられています。

  • ロクサナ・マラシネアヌ大臣は複数のシナリオを検討中であり、ASOとの議論が進行中である
  • ツール・ド・フランスのビジネスモデルはチケット販売ではなく放映権料に依存している
  • 外出禁止状態の中で人々の良識は高まり責任感が出てきている。人々は自宅にとどまることのメリットを理解しており、ツールを沿道で観戦するよりもテレビでライブ観戦することを優先するだろう
  • しかしASOは同スポーツ大臣によるこの提案についてはまだコメントしていない
  • グルパマ・FDJのマルク・マディオ監督は、最終的にはフランス連帯保健省が決断を下すことになるだろうとコメントした
  • ロマン・バルデは「路上に出る権利がなく自宅に留まっている必要がある限り(それはいま絶対に必要なことではあるのですが)、体力・持久力を養ったり大レースに準備するのを考えるのは難しい」と語った
  • ツール・ド・フランスは1903年の初開催以降、2度の世界大戦時以外は中止されたことがない

しかしロクサナ・マラシネアヌ大臣は自身のTwitterにて、現時点ではまだ決断を下せないと語っています。

ツールはスポーツの記念碑です。決断するのは早すぎます。何事にも適切なタイミングがあります。私達には今、より緊急を要する戦いがあります。後のことを考えるよりもこの山を超えるために全力を尽くしましょう

またcyclingnewsによると、UCI会長ブライアン・クックソン氏が、ツール・ド・フランスとジロ・デ・イタリア、ブエルタ・ア・エスパーニャは3週間ではなく2週間に短縮して開催すること、ツールに関しては7月下旬または8月の開催を提案しているそうです。

無観客でも課題は山積?

ツール・ド・フランスのビジネスモデルがチケット販売からの収益に依存していないこと、つまり無観客で実施しても大会の運営費用自体はなんとかなる点はオリンピックと大きい違いですね。

さらにレース期間中も外出自粛傾向にあることが想像に難くない多くの人々にとって、ツール・ド・フランスのテレビ中継が大きい娯楽となり、視聴者を元気づけるものになるであろうことも想像できます。もし無観客でも実施されるなら、恐らく過去最高の視聴率を記録するツールになりそうな気がします。

しかし観客が沿道に出ないとしても、世界各国から参加する選手たちやスタッフの移動等のロジスティクス、宿泊にともなう問題など衛生面での課題は多いでしょうし、ロマン・バルデが言うように選手たちが十分な準備をできず、思うようなパフォーマンスを発揮できなかったり、健康不安を抱えながら走ることになる点は大いに懸念されるところです。

もし開催にこぎつけられた場合でも、UCI会長が提案しているように期間を短縮した上で開始日を遅らせるなどの措置が必要になりそうです。

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