仏式バルブは米式バルブよりも劣っているから使うのをやめるべきだ、という過激な意見を発見したので紹介します。英Bikeradarが紹介しています。
出典 This is why it’s time to stop using Presta valves – Bikeradar
現代では特に仏式バルブのメリットはない
上の記事では大体次のようなことが語られています。
- かつてリムメーカーが軽量化しようとした時、米式バルブの8mm穴だと面積が大きくてリムの強度が落ちてしまう。そこで6mm穴の仏式バルブが誕生した
- しかし現在では(※元記事は2017年)メーカーはワイドリム・ワイドタイヤの恩恵を理解しており重量も思い通りにできる技術がある。今日のロードバイク用リムは10年前のMTBリムよりも幅広だ
- 仏式バルブは高圧を入れやすいとも言われているが、ロード乗りも最近は低圧で乗りはじめているのであまり意味がない
- 仏式バルブは米式バルブより恐らく2〜3g軽量だが、それが気になるなら鼻をかむか唾を吐けば良い
- 仏式バルブは華奢だ。曲がったり折れたりしやすい
- ガソリンスタンドの(クルマ用の)空気入れを借りようとする時はアダプターが必要になる
- 他の乗り物のタイヤはクルマから航空機まで何もかも米式バルブだ。もし仏式バルブが優れているのなら他の産業でも採用されているはずだ
- 仏式バルブは空気を入れる時にゆるめ、入れ終わったら締めるという手間がある
- 仏式バルブと米式バルブとで空気圧の維持能力に差はない
- 仏式の取り外し可能なバルブコアは最悪のタイミングで抜けてしまうことがある
- 最初からリム穴が米式対応なら仏式バルブも使える
- 米式バルブは仏式バルブより空気穴が大きいのでチューブレスタイヤのビード上げに有利である
仏式バルブが自転車に特有なものであること、その誕生の経緯が細くて軽量なリムに必要なものだったらしいこと、米式バルブに比べて壊れやすいこと、等々、過激とは言ってもなかなか説得力のある意見も多いように思いました(そういう私は仏式バルブが好きなのですが…)。
ロードバイクの世界でもワイドリムで低圧運用が普通になってきているので、現代ではなおさら仏式バルブの存在価値は薄れてきている、別の言い方をすれば時代遅れになりつつあるパーツ、という感じでしょうか。
バルブコアの予備は持っておいたほうが良いよ!
読んでいて個人的にいちばん共感したのは、「仏式の取り外し可能なバルブコアは最悪のタイミングで抜けてしまうことがある」というところです。
これはどういうことかというと、例えばレザインの携帯ポンプのようにネジ切り式のポンプヘッドで空気を入れたあと、抜く時にヘッドをゆるめようとするとバルブコアまで一緒に回って取れてしまうことがあるのです。
私も何度かこれを経験していて、特にシーラントを入れるために一度外したことのあるバルブで発生しました。
こうなるとバルブコアを増し締めして再度空気を入れて…となるわけですが、ひどい時にはこれでもやはりバルブコアが共回りしてしまったことがあります。
この問題を回避するには、
- ネジ切り式のポンプヘッドは使わない
- 非常時のために新品のバルブコアを携帯しておく
のどちらかしか選択肢はありません。しかしネジ切り式でない携帯用ポンプのヘッドは使いにくいので、個人的にこれはなし。スペアのバルブコアをツールケースに入れておくことにします(最近パンク頻度が少ないからすっかり忘れてた… この記事書き終わったら入れよう)。
さて、仏式バルブが性能や運用の面で米式バルブに劣っているのかどうかは定かではありませんが(なんとなく仏式のほうが分は悪そうですが)、これだけ普及していると今後自転車でも米式バルブが主流になる、ということはないような気がします。たぶん。知らんけど。いやもしかして!?