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Tips & How-toタイヤ・チューブ

自転車用チューブのバルブキャップは必要なの? 何のためにあるの?

自転車用チューブのバルブや、チューブレス対応リムで使うバルブは、購入時にプラスティックのキャップが付属するのが普通です。

仏式バルブのキャップと米式バルブのキャップ

仏式バルブのキャップと米式バルブのキャップ

このキャップ、そのまま使っている人もいれば、外してしまう人もいると思いますが、そもそも何のために存在しているものなのでしょうか?

仏式バルブでは本来は不要である説

まず仏式バルブ(=Presta, プレスタバルブ)のプラスティックキャップについて考えてみます。私がこれまでに見聞きしたことのある仏式バルブキャップの存在理由としては、

  • 走行中に跳ね上げられた小石がバルブ先端部をヒットして変形し、回せなくなることがある
  • 先端が尖っていて危険である・運搬時に何かにぶつけてしまうと曲がってしまう

などというものです。だから、キャップは付けておいたほうが良いのだ、と。

そもそもキャップが付属するということは、それが何らかの理由で必要であるから付属しているのであり、あえて外すことはしないほうが良い、というのはごく自然な考え方でしょう。

しかしちょっと調べてみたら、自転車情報を網羅的しようとしたアメリカの超有名な個人サイト、Sheldon Brown(故人)に次のような記述を発見しました。

バルブキャップは仏式バルブでは必要がないものだ。仏式チューブやチューブラータイヤに付いてくるバルブキャップは、スペアチューブやタイヤを丸めておく時に尖った先端が穴を開けてしまわないようにするためのものだ。実際の走行ではこれらのキャップを使う理由はない。

Sheldon Brown’s Bicycle Glossary Pより

なるほど! 勿論シェルダン・ブラウン氏が自転車界の権威であるからと言って彼の見解が必ずしも正しいとは限らないのですが、個人的には説得力のある意見です。チューブの販売時のパッケージングを見ても、仏式バルブの場合、ビニール袋や箱に入れるために丸めるとチューブにダメージを与えうるのは普通に想像できます。

いずれにしても、このキャップは仏式バルブが正常に機能するためには全く不要です。私自身は、空気入れの際に手間なので普段から外しています。

仏式バルブの先端が変形しやすいのは事実でしょう。私自身、気がつくと曲がっていたことがあります。ただし走行中というより恐らく携帯用ポンプでの空気入れの時、ポンプヘッドを外す際に傷めてしまったような気がします。

米式バルブではあったほうがいい説

米式バルブ(=Schrader, シュレーダーバルブ)の場合はどうでしょうか。販売時にはキャップが付いていますが、シュレーダーの場合、先端が尖っているわけではないので、キャップなしでチューブを丸めても傷は付きにくいように見えます。

しかし米式バルブの場合は、走行時でもキャップは付けておいたほうが良いという話はよく聞きます。

理由は簡単で、米式バルブの場合は中に土や泥が詰まってしまうと空気が入らなくなるというものです。

米式バルブの内部

米式バルブの内部

米式バルブというとMTBでの使用を想像しますが、ミニベロやクロスバイク完成車で使われていることもあります。町乗りの場合、バルブ穴が目詰まりを起こすほどの土埃が溜まってしまうことはまずないかもしれませんが、MTBの場合はハメておいたほうが良さそうではあります。

いずれにしても、仏式も米式もバルブキャップをしていないからと言って空気が漏れる、みたいなことはありません。

なおスポーツバイクでの採用率が非常に少ない英式バルブ(=Woods, ウッズまたはダンロップバルブとも呼ばれる)については、仏式バルブほど先端が尖っていないもののパッケージングを考えるとメーカーとしてはキャップを付けたくなりそうな気がしますし、米式同様、土埃による目詰まりを考えても付けておいたほうが良いように思えます。

というわけで、「バルブキャップは果たして必要なのか?」という問いの答えとしては、

仏式でも米式でもバルブキャップが必要な場合はあるが、必要になる理由はそれぞれ違う

ということになるでしょう。

バルブキャップ、付けてますか?

さて当ブログの読者の皆さんはバルブを付けているのでしょうか、それとも外しているのでしょうか。仏式・米式の区別なく、ざっくりとアンケートでお聞きしてみました。その結果がこちら。

全体の61%が何らかのバルブキャップを付けているようです。付けていない方は39%。もし仏式バルブで「付けていない」としても困ることは滅多にないと思いますが、MTBでオフロードを走る方で米式バルブのキャップをしていないのであれば、付けたほうが困らないかもしれないですよ。

天気の良い日に走りに行っても、オフロードだと前日や前々日の雨でできた水たまりやぬかるみが残っていて、気がつくと思い切りそこを走って楽しんでしまう、その結果バルブが詰まってしまった、なんてことがあってもおかしくはありません。

せっかくバルブキャップを付けるなら

ところでバルブキャップというのはドレスアップパーツとして考えるとなかなか楽しいものです。アルミ製やチタン製のきれいな色のサードパーティ製品がたくさん出ているので、いくつかご紹介。せっかくなら楽しんでしまいましょう。

このRulerのバルブキャップ、とても人気らしいです。他にゴールドとブラックもあり。

米式用も勿論あります。

KCNCは昔からこういうドレスアップパーツをたくさん出していますね。これも人気製品。何色かあります。攻撃性は高そうなので折りたたんだスペアチューブには付けっぱなしにしておかないほうが良さそうですね(笑)。

チタン製のオイルスリック柄のものもあります。きれいな虹色です。

下はまさかの手榴弾型www ドレスアップからネタの世界にステップアップ。なかなか楽しいですね。こういう方向性のものとしてはサイコロ(ダイス)型のバルブキャップも有名ですね。他にスカル型とか、あと光るものとか楽しいものがいろいろあります。

最後にご紹介したいのはこれ。パナレーサーのバルブコア外しなのですが、コア外しの反対側をバルブにセットしておけばキャップ代わりにもなって便利、というもの。

パナレーサーのバルブコア外し兼キャップ

パナレーサーのバルブコア外し兼キャップ

穴が開いているので土埃の侵入は防げませんが、仏式バルブではさほど問題ではないでしょう。バルブ先端の保護ができて、なおかつバルブコア外しがツールケースに入ってない!! という事故を予防できます。これも人気です。ちなみに実測重量は1g以下です。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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