毎年冬になると、海外掲示板では「朝、寒くてライドに出るのが辛い。布団の中でぐずぐずしているうちに、せっかくの晴天なのにお昼になってしまった。起きたらすぐに出かけられるようになるための秘策は何かないだろうか…」という相談投稿が増えてきます。
その解決法としてよく提案されているのが「ライドに必要なものを前日夜までに全部揃えておき、目覚めたら何も考えずにすぐウェアを着て(ウェアも出して揃えておく)、必要なアイテムを流れ作業のように次々と手に取ってさっと出かけてしまう」という方法です。
この記事では、そうした「ライドに必要なアイテム」を陳列しておくための「コンソールテーブル」を部屋の一角に設置して活用するアイデアをご紹介します。
幅が狭めで長い一枚板を活用する
皆さんは「コンソールテーブル」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。定義は様々あるのですが、部屋の片隅(柱と柱のあいだなど)や玄関口に置いておく、カウンターくらいの高さの狭いテーブルのことを指すことが多いです。脚はスリムなアイアン脚を使うと、空きスペースを有効活用できます。私は最近、こういうコンソールテーブルにライドで必要になるものを並べています。
明日は早朝からライドに出る(あるいは自転車旅行に出発する)、と決めている日は起きたらすぐにウェアを着て、このテーブルの端から必要なものを選んでいきます。まずはその日持って行くカメラ。デジカメのバッテリーは充電済みものを入れておく。フィルムカメラも楽しみたい日は、ここから1台何か持っていきます。
次にその日の同伴者・ライドパートナーを選びます。最近の私のパワーアニマルは、特殊な船の妖精か深海生物のぬいぐるみになることが多いです。魔除けとして連れて行く奴を選びます。
このコンソールテーブルは「デジタルデバイスの充電ステーション」としても使っていて、コードをスッキリさせるためにAnkerの大容量モバイルバッテリーを置いておき、ライドから帰るとサイコンやライトをすぐにここで充電しておきます。出発時はここから取ると全部充電できています。その日使うロックも取り、行動食・おやつもここで選びます。
カメラをたすき掛けにしてジャージの背中のポケットに小物や補給食を突っ込んだら、日やけ止めスプレーを顔に噴霧してパールイズミのメッシュキャップをかぶり、グローブをはめます(写真はMorethanのMT-GVP-007。すごく良い。タイトめだけれどサイズはいつも通りでOKでした)。
あとはヘルメットをかぶってサングラスをかけてボトルを手に取って、整備済みのバイクを停めてある玄関口に向かい、シューズを履いて出発です(厳冬期ならシューズの隣にシューズカバーを置いておき、探さずにすぐ装着できるようにしておく)。
これで起床から10分以内に外に出てライドを開始できます。「今日はめちゃくちゃ寒いんじゃないか…」とか「ちょっと疲れているのかもしれない…」などという甘ったれた想念がポコポコ湧き上がってくる前に、すぐ立ち上がって流れ作業のように次々と身支度して出かけてしまうのです! 今年の冬は皆さんもこの方法を是非試してみてください。
この板は自分で仕上げてみた
さて、こういう感じの「長くて狭い、いい雰囲気のカッコいい板」は、どこで手に入るか。私は岩手県一関市に店舗を構える「木の店さんもく」さんでいつも購入しています。この記事で紹介した板は「自分で仕上げる一枚板」という「半完成品シリーズ」の中から選んだ「ねずこ」という木の一枚板です(ヒノキの仲間の木)。もともとは、こんな姿をしていました。
▼ 木の店さんもくの「自分で仕上げる一枚板」ラインナップ。最終仕上げを自分でやる製品のため、素性の良い立派な板が格安で手に入ります。DIY好きな方には超おすすめ。
台面だけはモノを置いても転がらないように平らにする「プレーナー加工」がされています。この板に自分でオイル塗装して、板の耳を整えたりしました。このネズコは、私は紙ヤスリ(#120→#240)で全体を軽く磨いてから「オスモカラー」という植物オイル(#3046という番手のもの)をコテバケで塗って仕上げました。必要な用品はそれだけです。
オイルを塗ったり磨かなくても使いはじめられるのですが、自分で少しづつ仕上げていくと愛着が湧きます。このネズコの板は、淡いピンク色がきれいに出てとても嬉しかったですね。鬼皮を軽く剥いだだけの白っぽい耳も、大自然感が出て最高です。家の中なのにキャンプしているような気分にもなれます。
サイクリング用品を置くコンソールテーブルとして使う場合は、表面のきれいな木目が隠れてしまっても耳を眺めて楽しめるのが良いところです。工業製品的な板だと、こういう「耳」が全然ないので、ここはこういう一枚板の大きい魅力かなと思います。
ホームセンターでベニア材を買って似たようなサイズに加工するのもありなのですが、これはベニアではない削り出しの一枚板なので、汚れてもメンテナンスしながらずっと使い続けられますし、傷がついても味わいとして愛でられます。経年変化を楽しめるのです。
クロモリフレームのバイクが好きな方なら、この魅力がわかるかもしれません。カーボンロードでないとイヤだ、という方は興味ないかもしれないですが、ボロボロのSurlyとかSalsaとかAll-Cityとかカッコいいじゃん、という方なら理解できるかも(というかこういう板、自然志向の自転車ショップで商品の陳列棚として使ってもめっちゃ魅力的かも…)。
この板は、写真のようなスリムなアイアンレッグに載せています。私の場合はボルトなどでネジ止めせず、板を載せているだけです。そのため大きい地震があると倒れるかもしれないので、あまり重いものは載せていません(震度6とかの地震がきたらカメラは少し危ないから常時置かないようにはしています)。あんまりはみ出さなければ、上に板を置くだけでそこそこ安定します。
こういうアイアンレッグも、木の店さんもくで手に入ります。スリムで場所を取らず、板を置くだけで使うのであれば移動も簡単なのでおすすめです(引っ越しもラク)。玄関が広い家なら、そこにライド用品専用のコンソールテーブルを作ってしまうのも良いと思います。
私がこういう用途で使っている板は、長さが1800mm〜2000mmくらいのものです。2mを超えると集合住宅には搬入できない場合があるので下調べしておいたほうが良いですが、長ければ長いほどおもしろいコンソールテーブル・棚を作れると思います。一軒家にお住まいの方なら3〜4mの板に挑戦しても良いかも。すると翌日のウェアセットなども余裕で載せておけますね。
幅は、ヘルメットが置ける25〜30cmくらいがおすすめ。勿論もっと幅広のカウンターテーブル的なサイズのものを使っても全く問題ないと思いますが、部屋の片隅のデッドスペースを利用するなら25〜30cmくらいだと圧迫感が出なくて良いと思います。
来週木曜日に何か安くなるかも!?
木の店さんもくでは毎月一回、第三木曜日にセールが開催されています。今月は10月17日から1週間の「さんもくウィーク」というセールがあるそうです。何がどれだけ安くなるかは毎月変わるので、この記事で紹介した「自分で仕上げる一枚板」シリーズが割引になるかはわからないのですが、興味のある方ははいまのうちからチェックしてみると良いでしょう。
「自分で仕上げる一枚板」シリーズ以外にも、塗装・仕上げ済みの美しい板がたくさんあります。この記事で紹介したような用途であれば、テレビボード用一枚板というコーナーを眺めてみるとちょうど良さそうなサイズのものが見つかるかもしれません。
例えば下はイチイという完成品の板で、サイズが長さ2.2m、幅が最大30cmなので「ライド用品専用コンソールテーブル」としてはバッチリなサイズ感だと思います(ちなみに「イチイ」は「一位」に由来する名前。競技志向の方にはゲン担ぎになりそう)。あと長すぎて家に入らない板の場合は、少しカットしてもらったりもできます。
こうした無垢一枚板に興味がある方は、ぜひ木の店さんもくショップを眺めてみてください(岩手県一関市に展示倉庫もあるそうです。私は行ったことがないのですが、お近くの方はぜひ立ち寄ってみて下さい)。