リアラックの取り付け方についての悩み相談を海外掲示板で見かけました。スレ主さんは自転車店で購入したラックを取り付けてもらったそうですが、上側の取り付けバー(ステイ)が短いため、ラックがサドルの下に入りこむようになっている点と、ラックが前方に傾いているところに不安を感じているようです。さてこのラック、使っていて問題になるでしょうか?
寄せられたコメントを眺めていきましょう。
- お店がこんなふうにラックを取り付けたのなら、他のところでもどんな手抜きをしているかわかったものじゃないよ
- このセットアップはパニアなら行けるよ。アームがもう少し長いとラックは水平になるけれど、それでも劇的に快適になりはしません
- もし水平でない場合は、この方向にティルトしているのは良いことです。モノがフランジ(へり)にひっかかって滑り落ちにくくなります
- (上の人に)ラックの取扱説明書には(少なくともいくつかの製品では)、まさにそういう理由からラックが少しだけ前方に傾くようにインストールしましょうと書かれています
- バッグにかかとが当たらなくなるから大丈夫ですよ
- パニアを取り付けるのなら、ラックがあまりに前にあると脚と足がペダリング中に当たってしまいますよ
- ラックは水平である必要はありません。こういうふうに傾いているなら、むしろかかととパニアバッグのあいだにクリアランスができて有利になることがあります
スレ主さんのリアラックはブレーキキャリパーと共締めしているアームが確かに短く、ラック全体が前方に寄せられているので、パニアバッグ自体も前寄りになってしまい脚には近くなるのですが、ラックが前方に傾いていること自体は他の方が言われているように確かに問題はないと思います(あとお店が手抜きしている、という意見は、それは違うかな、と思いました)。
リアラックを使いはじめたばかりの頃、私もラックの取り付け角度についてはかなり悩みました。なんとなく「水平じゃないとダメだ」という思い込みがあったのですが、少し前方に傾くぶんには、かかととの接触(ヒールストライク)が少なくなるのです。逆に、後ろ側に傾いた場合のメリットはあまり想像できません(荷物が後ろに落ちるデメリットなら想像できるけれど)。
オルトリーブが2年くらい前に出したQuick Rackをよく見ると、下側のレールはパニアバッグが少し前方に傾くようにオフセットされているのがわかります。最初にこれを見た時「なんでだろう」と思ったのですが、あ、あえてやっているんだ、と後から気付きました。
前傾したラックやパニアバッグは醜い、カッコ悪い、という意見を上のスレッドで見かけました。確かに「なんとなく」水平のほうがカッコいい気がしないでもないですが、個人的にはヒールストライクしないことが最優先で、最近は前傾したセットアップでも全然気にならなくなりました。
なおヒールストライクを抑えるには「パニアバッグの材質」と「パッキングの技術」もとても大事だと思います。オルトリーブのパニアは他社製品に比べて剛性があるため、荷物をある程度雑に詰めてもバッグが極端に型崩れすることはありません。それでも、あまりに適当に詰めてしまってサイドが外側に張り出してしまうと、かかとが当たることはありますよね。
軽量で柔らかいパニアバッグを使う場合は、ラックの取り付けの工夫に加えて、バッグが横にふくれないように丁寧にパッキングすると快適な旅ができるように思います。