昨年夏、押し入れで保管していたBlackburnのパニアバッグが異臭を発していることに気付きました。ワックスキャンバス(蝋引き帆布)生地の、ちょっと珍しいバッグです。カビが出ていて、雑菌も繁殖してまるで雑巾のような匂いに… 死んだのではないかと心配したのですが、酸素系漂白剤のオキシクリーンを溶いたお湯で拭いてから数日間陰干ししたところ、幸いニオイは消えました。
しかし念入りに水拭きしまくった結果、このバッグの防水機能を担っているワックスがすっかり取れてしまったので、この機会にワックス加工(「蝋引き」ともいいます)をやりなおすことにしました。使用したのは下の「国産ピュア蜜蝋」です。
ワックスキャンバスの蝋引きではどんな種類のワックスを使っても良いらしいのですが(ロウソクで使うパラフィン等でもOK)、このバッグでも使われていたと思われるビーズワックス(蜜蝋)を選びました。なぜこのバッグで元々ビーズワックスが使われていたと思ったかというと、このバッグをベランダで陰干ししていたら、なんとたまに蜂が遊びに来ていたからです!(よく嗅ぎつけるものだなぁ、と感心しました)
この「国産蜜蝋100% Pure Beeswax」はまるでオレンジ風味のホワイトチョコレートのような見た目です。折って少量ずつ使うのに便利そうなのでこれにしました。
今回折った右側のかけらだけでもこのパニアバッグ(塗るのは表・トップ・サイドだけですが)を仕上げるには十分で、板全体では一生使えそうな分量です。
石鹸のような手触りです。ゴシゴシとすりこむように、キャンバス地に塗っていきます。全体を塗り終わったら、ヘアドライヤーの温風で温めてワックスを均します(塗りムラを取るのが目的)。その後少し放置するとワックスが冷えて固まるので、もう一度上からワックスを塗り、また温めます。温め作業は、途中から石油ストーブの上にバッグをかざすことでもうまくできました(火災注意)。このワックスの融点は62〜65℃だそうです。
加工完了。化学素材に匹敵するほどの防水性能はない印象ですが、表面が濡れたように見えても実際は撥水していて、バッグ内部には「それほどは」浸水しなくなります。それでも強雨の中で1時間も走ると内側もじんわりしてはきますし、オルトリーブのような結果は期待しないようほうが良いですが、天然素材でよくこれだけ防水できるものだと感心できる程度の効果はあります。
ちなみに写真中のBlackburnのパニアバッグは”Wayside”というディスコン品で、現在は手に入りません。ラックには上下ともベルクロのみで取り付けるタイプで、固定力はバッチリなのですがベルクロの横幅や位置の関係上、取り付けられるラックの種類が非常に限られます。そのため、最近はミニベロのハンドルとステムポストに巻き付けて、あたかも大型フロントバッグのようにして使うことが多いです。また、このパニアバッグはショルダーハーネスを内蔵しているのでバックパックとしても使えます。Ortlieb Varioに似たコンセプトのパニアです。
Blackburnは自転車用バッグ・ラック等が人気の老舗アメリカンブランドですが、創業者のJim Blackburn氏が先週、86歳で亡くなられたそうです。同社製品としては、私は他にフレームバッグも愛用しています。日本でも人気が高いのはカーゴケージかもしれないですね。思えば古くからグラベルテイスト溢れるアクセサリーをリリースしているブランドです。みんな大好き大人気トップブランド!という感じではないのですが、地味ながらもカッコ良く思えるので私は好きです。
キャンバス地のバッグを自転車で使われている方は(超少数派かも!?)、あまり自転車に乗れないこの季節にメンテナンスしてみてはいがかでしょうか。








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