フレーム・完成車

【旅自転車】Surly Disc Truckerが数年ぶりにアップデート。流行ガン無視も新時代に適応

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時は2020年。積み上がったコラムスペーサーとハイライズステムによる高いハンドル位置。駆動系はフロントトリプルの3×9。サイズ42cmから54cmまでは26インチホイールのみという時代錯誤っぷり。

Surly Disc Trucker

完成車に付属するハンドルはTruck Stop Bar

ある意味ありとあらゆるダサさが詰め込まれた「長距離トラック野郎」ことLong Haul Truckerのディスクブレーキバージョン、Disc Tuckerがこの6月に大幅にリニューアルされました。

公式 Surly Disc Trucker | Fully Redesigned for your Riding Pleasure | Surly Bikes
公式 Disc Trucker | Long Distance Touring Bike | Surly Bikes | Surly Bikes

私にとっては勿論、ダサくないバイクです!

次の10年のための更新

リムブレーキの初代Long Haul Truckerの登場は2007年。続くDisc Truckerが2012年の登場。マイナーチェンジは度々あったようですが、北米で今月中旬から出荷が開始される最新のDisc Truckerにはやや大きめのアップデートが施されています。

ジオメトリの微調整

まずはジオメトリ。旅以外での日常的な用途も考慮して、荷物を積載していない時の挙動に機敏さを与えるべくチェーンステイが短くなりました(約10mm)。それでも大型パニアバッグに踵がぶつからないよう配慮はされているそうです。

また高いハンドル位置を確保しようとすると自ずとコラムスペーサーが増えてしまいますが、それを回避するためにヘッドチューブを長くしスタックを増します(そのため小さいモデルではスタンドオーバーハイトが若干高くなったようです)。

Surly Disc Trucker

レーシーなロードバイク乗りには軽蔑されそうな長さのヘッドチューブ。長いよ〜!!

新型のドロップアウト

仕様としてはスルーアクスルのドロップアウトが新型に。ノン・ドライブサイドだけスロットのあるタイプになっているので、シャフトが反対側から抜ける程度に緩めたら全部は引き抜かなくてもホイールを外せる仕組み。パンク修理がラクになり、かつスルーアクスルの紛失事故も減りそうです。

Surly Disc Trucker

前後12mm, 100mm/142mmスルーアクスル。シャフトを全部引き抜かなくてもホイールを外せる(反対側の写真が何故かない)

それでもスルーアクスルならではの十分な剛性は確保。アクスルサイズは前後12mmでスペーシングは100mm/142mm。これでさらに重い荷物も運べるように。

このドロップアウトとハブスペーシングについては、

This is where we really brought the Disc Trucker into the next decade

Disc Truckerを次の10年に対応するために大事だったのがこれ

という説明があって面白いです。何が面白いかというと、あと10年は大きい更新をしない気マンマンだからですw

フラットマウントに変更

さらにディスクブレーキはフラットマウントタイプになりました。このあたりも新時代に適応しておこうということでしょう。面白いのはフォーク側でもフラットマウントのリア用アダプターを使うところ。

MTBでもフラットマウント対応の動きが出てきているくらいなので、ポストマウントのロードバイクは今後絶滅に向かうことでしょう。

クリアランスの統一

ホイールは42-56cmまでが26インチ。56-64cmまでが700Cで、サイズ56cmだけ26インチと700Cの両方から選べます。タイヤクリアランスは26インチと700Cどちらでも47mmまでのタイヤを履けるように統一されました(その上でマッドガード装着可能。あとフロントは実は50mmまで行けるらしい)。

Surly Disc Trucker

26インチ(右)と700C(左)。ホイールはどちらもAlexリム、Novatecハブでパターンは32本組み(ウェブサイトには36本とあるものの誤記載らしい)

ダイナモハブ用のルーティングも

フォークにはダイナモハブ用のルーティングを用意。2020年のこの時代にダイナモ用ルーティングを搭載してくるところがなんともサーリーらしくて面白いですね。ちなみに12mmスルーアクスル対応のハブダイナモはドイツのSONからいくつか出ていますし、シマノならDH-UR705-3Dが良いものと聞きます。

あとは左シートステイに予備のスポークをひっかけておく箇所もあります。通勤通学はもちろん世界一周にも対応します。コンビニもAU損保のロードサービスも存在しない世界で走り続けるための装備です。

駆動系パーツはShimano Sora / Alivioミックス。これについては完成車価格を考えるとあまりに低グレードすぎるのではないか、XTからダウングレードしたのは何故なのかという感想を多く見かけたのですが、何か大人の事情があるのでしょうか。

あとはRohloffの内装ハブも、チェーンテンショナーが必要になるものの使えるんだそうです。

ブレーキは機械式のTRP SPYRE-C。これはつい最近当ブログでレビューしたSPYRE SLCとアクチュエーションアームの素材以外ほぼ同じもの。SPYREのOEM版です。

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価格と発売時期

北米価格は完成車で$1675、7月中旬から出荷されます。フレームセットで$725。国内価格は完成車が税込¥250,800で、フレームセットの販売はないようです。

カラーはPea Lime Soupのみですが、サーリーの完成車はいつでも好みのサイズとカラーから選んで買えたりはしないので、欲しい方は取扱店で予約しておいたほうが良いでしょう。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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