先日「この自転車用タイヤは不良品? 返品・交換してもらえる? 私の個人的な考え方」という記事を書いたのですが、Twitterフォロワーの皆様に「逆にこれはいいよ」というタイヤをチューブレス限定でお聞きしてみました。回答数は10件弱だったので定量的に何かを言うことは出来ないのですが、個々人の貴重なリアル体験はどれも参考になります(ご意見ありがとうございました)。ということで見ていきましょう!
HUTCHINSONはハメやすい?
HUTCHINSON(ユッチンソン・ハッチンソン)のチューブレスタイヤがハメやすい、というご意見がありました。勿論ホイールとの相性も考えないといけないのですが、皆さん同じホイールで複数銘柄のチューブレスタイヤを試されているので、HUTCHINSONは相対的にハメやすいのでは、という印象は持ちますよね。
ユッチンソンのfusion5
とてもハメやすいというか、これで駄目なやつはチューブレス無理でしょ。
気密性も安定すれば上々— かつたろう (@katsutaro1210) September 1, 2020
シュワルベプロワン、コルサスピード、ユッチンソンフュージョン5を使いましたが、今のところ不良品無しです。ハメやすさ&ビードの上がりやすさはユッチンソン>シュワルベ>ビットリアでした。
— とび@ラピエール乗り (@okanotobio) September 1, 2020
ちなみに今回Mavicに関するご意見はなかったのですが、Mavic Yksion Pro USTはHUTCHINSON製造と言われています。私はYksion Pro UST(旧型)を使ったことがありますが、Mavicホイールでは(当然かもしれませんが)非常にハメやすかったですね。巷では逆にメッチャ外しにくい・路上で外すのはムリ! という話もよく聞きましたが、私の場合はそれはなかったです。ホイールによるのでしょうか。
CONTINENTALは安定品質?
コンチネンタルは品質が安定しているというご意見もいただきました。ちなみにコンチネンタルはドイツ製造で、シュワルベはインドネシア製造。本国での製造のほうが品質は維持しやすいというのはあるのかもしれませんね。
自分はコンチネンタルがクリンチャー時代からチューブレスまで全部安定。
クリンチャー時代にシュワルベは何回取り替えても中のチューブが破損、サイドが膨らんでくるとかでタイヤそのものを替えるのに懲りて、絶対手を出さない。 https://t.co/Q2CgJ49NOl— みかん キツネと自転車 (@mikan_sensei629) September 1, 2020
なおコンチネンタルのチューブレスタイヤの特徴として、フックレスリムには対応していません。トレンドがフックレスに向かっているだけに今後同社がどう出てくるのか気になるところ。
またGrand Prix 5000 TLは多くのホイールでハメにくいという話をよく耳にします。ここだけご注意。あとコンチネンタルといえど品質のバラツキはやはりあるようですね。
コンチのグランプリ5000ははめ辛いのがキツイ。あと、残念ながら一年持たずに空気漏れしだした。コンチのタイヤに関しては途中で出てくる糸くずどうしても気になってしまうのよね…。
— 高藤イナバ@イベント参加自粛中 (@inaba_axelevin) September 2, 2020
GIANTもなかなか良いらしい
GIANTを8本使って安定していた、というご意見も。恐らくホイールもGIANTかもしれませんが、MAVICやGIANT、SPECIALIAZEDのようにホイールとタイヤを同一メーカーで揃えられる場合はあまり苦労しないことが多い印象があります。
8本使ったGIANTは安定してると思います。
たまに取り付けしにくいのもありますがw pic.twitter.com/8lVoulFbYM— ICHY@橈骨骨折 (@itcheyblackmore) September 1, 2020
iRCはかなり良いらしい
下で紹介するご意見以外にも目に止まったのですが、iRCはかなり評判が良いようですね。特にRBCCで初期不良やトラブルを経験したことがないというご意見が複数。私はまだ使ったことがないのでちょっと興味が出てきました。ビードも上げやすいと聞きます。またパナレーサーも評価が高く、ビードが上がりやすいわけではないが初期不良は少ないという声が。
MTBタイヤはMAXXISとスペシャとIRCを中心に使ってきたけど、この3メーカーは素晴らしい。
特にMAXXISは耐久性が非常に高いと思う。
specializedは…モノは良いけど半年ほど時間が経つと、レバー無くても手で外せるほどガバガバになる印象。
IRCはノブが良く減るイメージw#個人の感想です https://t.co/Nom43HWHky— 栗々 BRM9.6河300 (@kurige2392) September 1, 2020
IRCのRBCC系統
— chobissimo (@chobissimo) September 1, 2020
ミシュランとIRCかな。
— matsuoda (@matsuoda) September 1, 2020
SCHWALBEにはやはり厳しい意見が
一方でシュワルベの品質についての疑問はやはり目立ちます。販売ボリュームが大きいこともあると思いますが、それを考慮に入れたとしてもトラブル報告が多い印象を受けます。
サイドからの空気漏れ発生したのもシュワルベ(Sector28)だったな
一週間ほどシーラントいれても前後輪ともに空気圧が0になって使い物にならなかったから捨てた
IRCやパナレーサーで初期不良あたったことないのでシュワルベの歩留まり相当低いと思われる。TLなら避けたほうがいいメーカーです https://t.co/ogJrLh6zfc— うぇず@BRM912日本橋400(旧BRM523) (@wazsub1) September 1, 2020
シュワルベが品質悪いかはわからないけど。確実にトレッドが綺麗に成形されてないのは確か。だんだん使わなくなったな〜。Magic Maryはいいタイヤだけど https://t.co/GLIVPsqlRG
— Kim (スペシャの山の人) (@Kimbike818) September 1, 2020
勿論、ちゃんと使える個体なら高性能で良い製品が多いのでなかなか悩ましいところです。
シュワルベプロワンはなんだかんだで良かった。外れを一本引かされたけど。あと、クリンチャーだとなんか良さが消えてしまって普通のタイヤになってしまった…。
外れを引かされたトラウマはあるけど間違いなく良い。 https://t.co/oRR7wqxGtA— 高藤イナバ@イベント参加自粛中 (@inaba_axelevin) September 2, 2020
iRCのチューブレスタイヤ・ラインナップを見てみよう
今回お寄せいただいたご意見の中で突出して評価が高かったのはIRC(井上ゴム工業)のチューブレスタイヤです(他に消えてしまったツイート、探せなくなってしまったツイートでも好評価でした)。
そのiRCのロードとグラベル用チューブレスタイヤのラインナップを見てみましょう。2020年9月現在、iRC公式サイトではロード用チューブレスが
- FORMULA PRO TUBELESS RBCC
- FORMULA PRO TUBELESS X-Guard
- FORMULA PRO TUBELESS READY S-LIGHT
の3モデル。グラベルモデルが
- BOKEN PLUS TUBELESS READY (*650B)
- BOKEN TUBELESS READY
- MARBELLA TUBELESS X-Guard
の3モデルとなっています。
RBCCは「RICE BRAN CERAMICS COMPOUND」の頭文字から取られていて、「米ヌカから作られる硬質多孔性炭素素材RBセラミック粒子」をトレッドに配合しているそうです。「X-GUARD(クロスガード)」とあるモデルは「サイドカットの抵抗値が約40%向上」しているとのこと。
FORMULA PROはTUBELESS READY S-LIGHT以外、シーラントがなくとも運用できるリアル・チューブレスであるところも特徴ですね。
ロード・チューブレスのFORMULA PRO TUBELESS RBCCについては、nucckyさんによる2019モデルのレビューをCBNで読むことができます。
シマノRS500(リムはWH6800と同品らしい)に25Cの組み合わせです。6から6.5気圧くらいで走ると、転がりがかなり軽いにもかかわらず、ショック吸収が感動的によいです。7気圧以上にあげても転がりの改善を感じない割にゴツゴツした乗り心地になります。今まで経験したチューブドのクリンチャーとは比較にならない気持ちの良さがあります。
…
タイヤ表面のビード付近にひび割れが見られますが、外したタイヤを触った感じや裏側の見た目からは表面のだけの問題のようです。空気抜けとは関係なさそうです。
…
取り外し、取り付けはクリンチャーよりは硬いものの、相当頑張れば、手でできる程度です。自分は頑張りたくないので、純正タイヤレバーを使って、あっさり入れています。
FORMULA PRO TUBELESS X-Guardについては3220さんによる最新型第5世代のレビューがあります。
まず嵌めやすさで感動、もう普通のクリンチャー、自社製品のチューブレス専用タイヤレバー殺し。ビードがかなり改良されたんだと思うけど、ローション適量塗布しておけばフロアポンプでフツーに空気入れてるうちに「え、上がってたの?」ってレベルで上がる。
…
シーラント増やしてボトルの水やら着替えやらで車重増えてるはずの自転車漕いでいるのに、脚への疲労が少ない。帰宅した時のヘトヘト感みたいなものが無くなったなぁと。
お二人の投稿を拝読すると、チューブレスならではの転がりの軽さ、ショック吸収性は勿論、やはりハメやすさとビードの上げやすさが言及されているので、他の方々のご意見も総合するとどうもこれは良さそうだ、と思えてきますね。次にロードのチューブレスを交換する時に試してみようと思いました。