駆動にチェーンを利用しないためフリクションを低減でき、さらにエアロダイナミクスにも優れるコンポーネントとして昨年話題になったCeramicSpeedの「Driven」。本格的な量産化に向けて株式クラウドファンディングで資金調達を開始したところ、あっという間に目標金額に達してしまったそうです。Bicycle Retailerが伝えています。
出典 Driven drivetrain quickly reaches fundraising goal — and then some – Bicycle Retailer
フル出力への対応が課題
▼ 1分38秒で理解できるDrivenの仕組み
元記事から主要な点を抜き出してみました。
- CeramicSpeedのスピンオフ・プロジェクトである低フリクションのドライブトレイン「Driven」が、たった2日間で株式クラウドファンディングから100万ドルの資金調達に成功した
- 投資したいという人からの問い合わせが多く、どうしたら良いかわからないほどだ、とCeramicSpeedのチーフ・テクノロジー・オフィサーのJason Smith氏は語る
- このキャンペーンではDrivenの企業価値は330万ドルと見積もっている。キャンペーンを統括するSeedInvest社によると、60万ドル分の待機リストもあるという
- キャンペーンは4週間かけて行う予定だったが、SeedInvestが自転車業界以外でのマーケティングを展開する前にゴールが達成されてしまった
- 資金が調達できたので、コロラド州ボールダーに新しい施設を探している
- 新しいCNCマシンとより多くの3Dプリンターが必要だ。新しいエンジニアを採用したし、現在は新しいエレクトロニクスのエンジニアも探している、とSmith氏は言う
- 6ヶ月以内に、全力でも乗れる完全なプロトタイプを完成させたいと考えている
- ライダーの完全な出力を受け止めるだけのシステムにはまだ至っていないが、実現のためのアイデアはあり、特許もかけているところだ
- プロトタイプが完成次第、コンセプトを証明するための完成車を短期間製造したい。Drivenは特殊なフレームデザインを必要とするためだ。製造は恐らく台湾で行い、OEバイクメーカー向けに販売したい
- 最初のデモバイクを除いて自社ブランドのバイクを製造販売するつもりはない
- 2023年に$1600のコンポーネントを1000ユニット販売すれば、はじめてDrivenに収益が発生する
▼ 従来的なシステムの破壊によるイノベーションを訴えるJason Smith氏による動画
Drivenはチェーンを使わず、伝統的なリアディレイラーも使わないため空力抵抗に優れるのは勿論、変速もワイヤレスで行われます。見たところ良いことづくめのシステムですが、巨大なトルクには対応できていない点が最大の課題となっていました。
今回の資金調達でその問題を克服できれば、来年にはDrivenを搭載した完成車が販売される可能性があるようなので楽しみですね。