昨日のツール・ド・フランス2021第1ステージで大規模な落車がありました。この結果、現時点で4人のライダーがリタイアとなり、第2ステージ不出走になるライダーはもっと増えそうです。
「じいじ」と「ばあば」は君を誇りに思うか
最初の大規模クラッシュは約45km地点で発生。沿道の観客が掲げた”ALLEZ OPI-OMI!”と書かれた看板にユンボ・ヴィスマのトニー・マルティンが衝突。その結果プロトンの多くの選手が落車。下はクラッシュの瞬間の画像です。
I hope Omi & Opi are proud of you..
On a serious note though; great to see still many spectators are loving our sport and cheering for us, but please, stay on the side of the road, not on the road! pic.twitter.com/0sU4yKR3nk
— Jasper Stuyven (@Jasperstuyven) June 26, 2021
“ALLEZ OPI-OMI”は「じいちゃん、ばあちゃん頑張れ」という意味で、OPI, OMIが「じいじ」と「ばあば」を意味するドイツ語であることからドイツ語話者の観客であると思われます。これについてトレックのジャスパー・ストゥイヴェンは「OPIとOMIが君を誇りに思うと良いね…」と失望混じりの皮肉をツイートしています。
▼ 下は最初の落車時の動画です。何故プロトンに気付かないのか不思議です。
ユンボ・ヴィスマのゼネラルマネージャー、リチャード・プルッヘは「ファンの方は道路から離れていて下さい。OPIとOMIの注意を惹きたいのであれば、直接会いに行きなさい」と語っています。
Hope every rider who crashed is oké. Speedy recovery to the injured ones. (Fans, please stay off the roads. And if you want to pay attention to your opi and omi, visit them.) https://t.co/17giHYUYlU
— Richard Plugge (@RichardPlugge) June 26, 2021
この落車は今後「オピオミ事件」として長らく語り継がれることになりそうです。
第1ステージでは合計21人のライダーが落車に巻き込まれ、現時点では以下の4名のリタイアが決定しています。Groupama-FDJのイグナタス・コノヴァロヴァスは最も重症で、意識がないため病院搬送され脳震盪の検査を受けているそうです。
- Ignatas Konovalovas (Groupama-FDJ)
- Cyril Lemoine (B&B Hotels-KTM)
- Marc Soler (Movistar)
- Jasha Sütterlin (Team DSM)
フルームは継続を明言せず
イスラエル・スタートアップネイションのクリス・フルームはゴール前10km未満の地点で発生した高速走行中のクラッシュに巻き込まれ、映像ではしばらく立てず、無事ゴールはしたもののかなり辛そうでした。
フルームは次のようにツイートしています(日本時間6月27日の午前9時頃)。
No fractures thankfully but there’s a lot of swelling & bruising to my left leg and thorax. I’m going to try get a good night’s rest & see how things look in the morning before making any decisions with the medical team. Thanks for the many messages of support X
— Chris Froome (@chrisfroome) June 27, 2021
幸い骨折はありませんでしたが、左足と胸部に腫れているところがたくさんあります。今夜ゆっくり休息を取って、朝の様子を見てメディカルチームと相談して今後のことを決めます。メッセージとサポートに感謝します
第2ステージは何とか出走するよ、とは言っておらず、場合によってはリタイアの可能性もあるとしか読めないのでかなり気がかりです。
多くのライダーが負傷しただけでなく、イネオス・グレナディアズに至ってはマイヨ・ジョーヌを獲得したジュリアン・アラフィリップから2分差に留まったライダーがたった2名という結果に。
ツールに落車は付き物とは言え、大変残念な第1ステージとなってしまいました。アラフィリップの快勝で地元フランスが活気付いた点だけが救いですが、フルームを含め今後が心配です。
追記
クリス・フルームがTwitterを更新。第2ステージには出場するようで一安心です。
Ready for round 2 👊 of @LeTour 👍 #TDF2021 pic.twitter.com/xmGlM87zMj
— Chris Froome (@chrisfroome) June 27, 2021
また、YouTubeチャンネルで新動画を出しています。レース後の病院での姿と今日の出走前の姿が見られます。今日はとにかく無事に完走することだけ目指したいとのこと。身体はかなり痛いように見えますが、持ちこたえてほしいですね。
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