アメリカのKonaにSutra(スートラ)というシリーズがあります。MTB・ロードバイク・グラベルバイクの特徴を併せ持つタフなオフロード・ロングツーリング系のクロモリバイクで、本記事時点ではSutra, Sutra SE, Sutra LTDの3モデルがラインナップされています。Sutraシリーズは世界一周するようなツアラーからの人気が非常に高い印象を受けます。
このうちSutra SEについては、今後見かけなくなっていくタイプのパーツ構成なのかもしれない、という話題です。
公式 KONA BIKES | DROP BAR / GRAVEL | SUTRA | Sutra SE
シマノはもうトリプルとバーコンは製造しない?
Sutra SEで特徴的なのはトリプルチェーンリング(スペックシートではシマノ製26/36/48tとされている)とバーコン(エーエンドシフター)。バーコンは現在MicroShift製となっていますが、つい最近までシマノ製だったそうです。
Sutra SEは公式サイトで次のように説明されています。
ライダーには特別な種族がいます。誇大広告(hype)にお金を浪費したくない人です。3xドライブトレインこそ唯一の選択肢であり、バーコンシフターには何か特別なものがあると感じている人です。このライダーに必要なのは、ただ仕事をうまくこなしてくれるバイクだけです。長距離ライド、ツーリング、落ちていく太陽に向けての終わりなきペダリング。Sutra SEこそがそのバイクであり、乗っていて気持ちがいい。実用的なパーツを満載し、どうでもいいものは皆無、これはあなたとあなたのギア、あなたの夢を次の終わりなき旅で運んでくれるバイクです。
トリプルチェーンリングとバーコンはSutra SEにとって、なくてはならないアイデンティティであることがわかりますね。
先日、シマノが複数のエントリーコンポーネント群を統合する新シリーズ「CUES」を発表して大きい話題になりました。しかしその中には、トリプルチェーンリングやバーコンは全く含まれていません。今後も追加される可能性は、まずないと見て良いでしょう。
現在シマノ公式サイトを見ても、バーコンは既存のどのグレードでも見当たらないようです(ダウンチューブシフターならSORA SL-R400が掲載されてはいます。見落としがあったらすみません)。世界一周系サイクリストのあいだでバーコンが支持される理由は、内部メカがシンプルなのでブリフター(STI)よりもメンテナンス性が高いという理由があるようです。
Trek 520もやがてディスコンに?
海外掲示板を見ていたところ、こんな話題がありました(3月1日頃の投稿)。カナダ在住の方がSutra SEの在庫について地元代理店に問い合わせたところ、SEはディスコンになる予定だ、と告げられた。理由はシマノがもうバーエンドシフターとトリプルクランクセットを作らないから。また同じ理由でTrek 520もディスコンになるだろう、と言われたのだそうです(真偽不明)。
公式サイトを見るとSutra SEは先述のようにMicroshiftのバーコンが使われており、Microshiftには各スピードのバーコンが豊富にラインナップされているのでディスコンにはならないのかもしれません。また、トリプルクランクセットはAlivioグレードかと思われますが、今後CUESが普及していくにつれ、少しづつフェードアウトしていくのでしょう。
シマノがOEM用のトリプルクランクセットを製造することはもうない、という見通しなのかもしれないですね。現在完成車用に入手可能なシマノ製トリプルの在庫が尽きたら、Sutra SEもTrek 520も終了、ということなのかもしれません。Trek 520については、公式サイトを見るとシフターはSoraのSTI、9×3(R3000とR3030)になっています。少し前はバーコンのモデルでした。
バーコンについてはMicroshift製品のほか、DIA-COMPE Ene Cicloのバーコン・サムシフト・ウィングシフト等も当分流通するでしょうから、すぐに困る人は出てこないとは思いますが、ハイエンド寄りのトリプルクランクセットはこれからますます入手が難しくなってくるものと思われます。Alivioのトリプルはいまのうちにスペアを入手しておいたほうが良いかもしれませんね。