プロサイクリング

UCIイベントで「ブレーキレバーの内側への過度の傾斜」が禁止されることについての海外サイクリストの反応

UCIが来年(2024)以降、レース・イベントで「内側に過度に傾斜したブレーキレバー」の使用を禁止する方向性を示し、話題になっています。UCIのプレスリリースに次のような記載があります。

Positioning the levers with an extreme inclination limits the braking capacity of the riders and constitutes a modification of the product beyond its intended use. Such positioning will be restricted in 2024. In 2025, new regulations will come into force requiring compliance with the installation guidelines established by brake lever manufacturers.

レバーを極端に傾斜させて取り付けることで、ライダーのブレーキング能力が制限され、製品は想定を超えた使い方をされることになります。そのようなレバーのポジションは2024年に制限されます。2025年には、ブレーキレバーメーカーによるインストール・ガイドラインに従うことを必須とする新しいレギュレーションが実施される予定です。

UCIによるこの新規制方針について、海外掲示板での議論から目立った意見をピックアップしてみます(以下、抜粋・意訳です)。

出典 The UCI is banning angled-in brake levers in 2024

  • 別のニュースによるとヴィクトール・カンペナールツが引退を表明した(264いいね)
  • でも、かつてないほど狭くなっている幅の道路でのダウンヒル・スプリントフィニッシュはまだOKなんだね!(196いいね)
  • 90度のコーナーを2つぶちこむのも問題ない(55いいね)
  • もし慣例的でないレバーのアライメントによるハンドルバーの強度が問題なら、ハンドルバーメーカーが解決すべき問題だと感じます(138いいね)
  • (上の人に)あるハンドルバーのセットアップにどれほど強度があるのかを簡単に定量的に測定できる方法があるなら、そうだと思う。安全対策をライダーとそのまわりの人達に丸投げするとひどい結果になるでしょう…(65いいね)
  • 誰かがライダーたちを守らないといけません。だってチームやメーカーは守ってくれないのだから(38いいね)
  • フレームやホイールにやっているようにハンドルバーもUCIが認可すべきかと思う。テストにはシフターアングルの許容値を入れつつ(19いいね)
  • グラベルやランドナーでは何年も極端なアングルのハンドルが使われているじゃないか(11いいね)
  • (上の人に)ハンドルバーに対するレバーの相対的な角度が問題になっているんですよ。フレアのあるグラベルバーでも、レバーはフレアに合わせるのが普通です(9いいね)
  • Un Controllable Idiocy(制御不能な愚かさ)(19いいね)
  • これが安全面で問題になるという確たる証拠はあるのでしょうか? レバーの取り付け角度に起因するハンドルの破損とか、それを使ったことによる事故とか? パピー・ポー(子犬の足)や「見えないエアロバー」などは、速かったけれども操舵性や安全性の面で明らかに問題があったから、禁止されても仕方なかったと思う。でも私の経験では、レバーに角度が付いていてもいなくてもコントロールやハンドリング面で違いはありません(28いいね)
  • 私は今年のはじめ、ほんのちょっとだけ、フード先端を1インチ回転させるとか、その程度のアングルに変えてみました。少しだけ慣れは必要でしたが、危険なほどハンドリングが変わるというのは頭がおかしい(35いいね)
  • ナローなフレアバーがめっちゃ売れるだろうね(31いいね)
  • レバーを内側に傾けていることが原因でハンドルが壊れた事例ってあるんですか?…(31いいね)
  • (上の人に)たぶんUCIは今年壊れたビアンキのハンドルのことを言ってくると思う、あれは明らかにセットアップの問題というより製造不良に見えるけれど(5いいね)
  • 一方、あるプロライダーは大クラッシュのあと血まみれになって砕けたヘルメットをかぶったまま世界選手権のタイムトライアルを続けられたのだった(321いいね)
  • ありがたい、UCIがレースにおける重要な問題を解決しようとしている! 角度の付いたブレーキレバー、ソックスの長さーー解決済み。一方、ジーノ・メーダーは亡くなり、大部分のチームが借金返済に困っている(174いいね)
  • ドロップハンドルを禁止しよう。全員フルサスMTBで(131いいね)
  • いいね。このトレンドはバカげたものになってきているよ。プロよりも、テレビで見たものを真似しないと気がすまない週末戦士のほうが問題だ(-3いいね)
  • (上の人に)うむむ。やってみたことありますか? 快適ですよ。罪深いくらい醜いけど、かなり良いセットアップですよ(41いいね)
  • (直上の人に)その通り! 手がずっと自然な位置になります(3いいね)

全体的には「安全面でやることは他にいくらでもあるだろう」という意見が多いように見えます。確かに適切なフレア角のないハンドルでは、レバーフードを内側に倒しすぎるとフード底面とハンドルとの接触面積が減るから強度面で不安がある、という理屈はわからなくもないですが、多くの人が感じているのは、この件そのものというより、UCIによる問題解決の優先順位がおかしい、ということのように思えます。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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