Vittoriaがグラベルホイールのサイズに最適化されたタイヤインサート「Air-Liner(エアライナー)」を発表しました。台形の緑色をした発泡体(EVAフォーム)をタイヤの内側にハメることで、適正な空気圧下でのタイヤ性能を改善するだけでなく、その場で修復不能なパンクに見舞われ空気が完全に抜けた場合でもたっぷり1時間は乗り続けられる、という製品です。
これまでにもMTB用の製品は存在していましたが、グラベルホイール・タイヤ用としては初の製品になります。
出典 Air-Liner Gravel – Tire Inserts – Vittoria
出典 Vittoria’s new Air-Liner gravel tire inserts are refreshingly affordable
空気圧がゼロになっても1時間のライドが可能
Vittoria公式サイト、YouTube公式動画、Cyclingtipsからの情報を総合してみました。
- タイヤインサートにはリムへのダメージ予防・リム打ちパンク防止・より低圧での運用が可能といったメリットがある
- 素材はEVAフォーム製
- チューブレスレディタイヤでのみ使える製品
- シーラントとの併用が可能(ただしアンモニアを含まないシーラントが好ましい)
- 通常のライドで2000km持続する
- タイヤから空気が完全に抜けた状態では1時間持続する(フォームが潰れるまでに1時間かかる)
- 台形の断面は、より自然なライドフィールのための十分な空気を外側に残しつつ、低圧でもタイヤビードをリムにロックするのに役立っているものと思われる
- 使用可能なリムは700c以下でリム内径が25mm以下のもの(650bでも使用可。周長の下限なし)
- 対応タイヤ幅は31mm〜40mmまで
- 700cで使うための十分な長さがあるので、650bで使う場合はカットする
- インストールはインナーチューブの挿入と同じくらい簡単である
- エアの充填やリリースの際に適切なエアフローを維持するための特別なチューブレスバルブステムが含まれる
- このバルブステムは上面以外にサイドにも穴がある
- 価格はタイヤ1本につき$30(22.50ユーロ)
- Air-Lineの重量は700cの場合バルブステム込みで100g
重量はYouTube動画では50gと言っていて、Vittoria公式サイトでは1本47gとあるので、バルブステムを除くカット前のフォームがそのくらいの重さなのかもしれません。また、普段よりも空気圧を少し低めにして乗れるようになるそうです。
ちなみにMTB用のAir-Linerは下の画像のような形状です。これに比べるとAir-Liner Gravelはトレッド面側のエアボリュームが断然多いですよね。MTB版のAir-Linerは装着が大変だ、乗り心地が硬い、といった評価を見聞きするので、グラベル版の仕上がりが気になりますね。
メーカーによる「適正な空気圧下でのタイヤ性能の改善」が本当かどうかはわかりませんが、耐パンク性能が高いのは間違いないので乗り心地が良い・または面白いのなら、是非試してみたい製品です。$30という価格も専用バルブステム込みならそれほど高くないような気がします。