カメラ関連

GoPro Hero 9がはじめてのアクションカメラだった人は幸せ者だ

CBN BlogはAmazonアソシエイトとして適格販売により紹介料を得て、良質なコンテンツの作成とサイト運営のために役立てています。当サイト内のリンク経由で Amazonにてお買い物 していただくと、大変助かります。いつもご支援ありがとうございます

遅ればせながらGoPro Hero 9 Blackを使いはじめました。約2年ほど使ってきたHero 7 Blackからの買い替えです。結論から言うと、私の使い方に限って言えば「今までの苦労と工夫は何だったんだ…」と思えるほど快適で便利なカメラに進化していました。

GoPro Hero 9 Black

もちろん相変わらずGoPro特有の短所も多いのですが、本記事ではそれも含めて初期使用感を書いてみたいと思います。

ミニジンバルはもはや不要に

サイクリングの車載動画を撮る時、Hero 7 Blackでは「ロール方向のブレ」(簡単に言うと斜め方向のブレ)がキツく、コーナリング時や立ちこぎ時に画面が大きく傾いてしまい、旅先で撮った映像を見ていると乗り物酔いしてしまうのが常でした。GoProの強力な手ブレ補正であるHyperSmoothも、当時はまだロール補正機能がなかったのです。

この問題を回避するために、FeiyuTech WG2Xというアクションカメラ専用のジンバルを併用していました。これで映像は相当快適になりました。が、荷物が増えること・撮影前の取り付け・充電デバイスが増える等々、手間が増えたのが難点でした。

Hero 7 Black

色々とややこしかったHero 7 Blackの時代

後継モデルのHero 8 BlackではGoPro専用アプリで編集することで「画面の水平維持」(ホライゾンレベリング)が、つまりロールぶれの補正ができるようになったのでした。しかし筆者は動画編集には別のソフトを使っているので、この一手間がやはり面倒に思えたのでした。

というわけでホライゾンレベリング機能がカメラに内蔵されるまで、Hero 7を壊れるまで使い倒すことに決めたのでした(GoPro Maxもカメラ単体で水平維持できましたが、画質が悪い等いくつかの理由から購入は見送り)。

と思っていたのですが、今ではすっかり旧型となったHero 7も中古で1.3万円ほどで買取してくれるお店があったので(わりといい値段で売れてビックリ。数千円にしかならないと思っていた)、満を持してカメラ内ホライゾンレベリングを搭載したHero 9に乗り換えることになったのでした。

ホライゾンレベリングは驚くほど優秀

さてホライゾンレベリングに限って言うと、これはもう素晴らしいの一言。映像的にはHero 7 Black + FeiyuTech WG2Xの組み合わせでやっていたことがカメラ単体で実現できます。ジンバルなし、フレームなしなので「撮りたいと思ったらすぐ撮る」機動性があるのも大きい魅力です。というか、それが最大の魅力です。

Hero 9でもいくつかの画角を選べますが、自転車のハンドルや自分の胸、あるいはヘルメットなどにGoProをマウントしてサイクリング中の風景を撮影したいのであれば、選択肢は「リニア+水平維持」の一択です。難しく考えずに、最初はこのモードで撮るのが良いと思います。

GoPro Hero 9 Black

オプションの「Maxレンズモジュラー」を使うと、より広々とした広大な画面でも水平維持できたり、360度ロック(カメラ自体を身体に斜めに取り付けていても正面の映像を撮れる)などもできますが、Hero 9単体の「リニア+水平維持」でも個人的には普段使いでは十分と感じています(Maxレンズモジュラーは登山では面白いかもしれません)。

手ブレ補正モードは「ブースト・高・オン・オフ」の4段階から選ぶのですが、このうち「高」は「オン」より画面がクロップされます(つまり画面が狭くなる)。「ブースト」は「高」よりもさらにクロップされます。

サイクリングの車載動画を撮るのであれば、よほどのオフロードでなければ「ブースト」でなくともOK。基本設定は「高」にしておいて、どうしてもより広角の映像が欲しい時だけ「オン」にする、というのが現在の私流のHyperSmoothの使い方になっています。

操作性の悪さは相変わらず

そんなわけでHero 9はマジで最近買って良かったもののひとつです。ボディは大きくなったもののフレームレスなのであまり気になりません。バッテリーもHero 7 Blackよりずいぶん長持ちで、しかも今のところ「使わずに数日放置していただけでバッテリーがゼロになる事件」も発生していません。

しかし短所がないかというと、いやいやいやいや、ダメなところは全然変わってねーじゃん! という感じです。

出来の悪いアプリとタッチパネルの反応の悪さ

まず購入してすぐにファームウェアを最新のものにしようとしたのですが、スマホの「GoProアプリ」がHero 9を認識してくれません。そしてGoProアプリが古いのかな、と思いアップデートしようとしましたが、これがアプリストアで発見できません。

仕方ないのでGoPro公式サイトからファームウェアをダウンロードし、micro SDカード経由で手動アップデートしようとしたのですが、まずダウンロード時にエラーがあってひと苦労。なんとかダウンロードに成功したアップデーターもMac OSからは何故か「SDカードに書き込みできない謎のエラー」が発生。

しかし「GoProアプリ」は現在は「GoPro Quik」に名称変更されていることを知り(公式サイトには今でも「GoProアプリ」としか書かれていない)、それをダウンロードしたところ無事にスマホ経由でファームウェア更新できました。でもアプリは未だに通信エラーがよく出ます。

使い始めてから気になっているのは、タッチパネルの反応の悪さです。Hero 7のタッチパネルも決して使いやすいものではありませんでしたが、さらに悪化しています。タッチして反応する箇所にクセがありすぎで、しかもそのクセを把握してタッチしても何故か無反応な時も多い。

追記:このタッチパネルの反応の悪さは、最新ファームウェアv1.6で改善されています。また反応を良くする持ち方のコツもあります。詳しくは下の記事をご覧下さい
GoPro Hero 9 Blackユーザーはファームウェアをv1.6にアップデートすると良いことがあります
GoPro Hero 9 Blackの新ファームウェア(v1.6)が6月22日にリリースされました。私も早速試してみましたが、あの反応の悪いタッチスクリーンの使い心地が良くなっています。 タッチスクリーンの反応が改善 ファームウェアv1.6...

と、こんなふうに「GoProの伝統的なクセ」の洗礼は確実に待っています。

それでもフレームレスになったところは個人的には大歓迎。撮影開始前の手間は大幅に減りましたし、撮影用プリセットをいくつか設定できて瞬時に選べる、というのも良いです。スーパースローモーション用に設定しておいた1080/240fpsをすぐに呼び出せたりするのが便利(タッチパネルが反応してくれればね!w)。

使いにくさは残っていても、全体的にユーザーの利便性を考えた改良が施されているのが感じられて好感を持ちました(とはいえはじめてGoPro使う人は最初苦労するかも…)。

NDフィルターは機動性優先で選んでみた

最後にHero 9で使っているNDフィルターについて紹介します。NDフィルターとは簡単に言うと「レンズに入る光の量を減らす小物」です。

GoPro Hero 9 Black

GoProのレンズは絞りがF2.8固定と言われており(メーカー非公表)、オートで撮る場合、露出はシャッタースピードとISO感度が自動で調整されます。すると明るい日中ではシャッタースピードがどうしても速くなりがちで、1/250や1/500以上にもなると「動いているもの」の軌跡がパキパキして不自然に見えてしまいます。明るいレンズなので1/1000や1/2000になることも珍しくありません。

静止画(写真)の場合、速いシャッタースピードで撮ったほうが被写体の動きがビシッと止まってシャープで気持ち良い画像になったりしますが、動画の場合は不思議なことに、むしろ被写体の動きが(ある程度は)ブレるくらいが人間の目には自然に映ります。

とはいれこれは好みの問題なので、気にならない方は無理にNDフィルターを使う必要はないでしょう

そこでシャッタースピードを落とすためのアイテムとしてNDフィルターが登場します。例えば4K/24fpsで撮る場合、マニュアル設定でシャッタースピードを1/48や1/96にしたり、1080p/60fpsで撮る場合は1/120にするとだいぶスムーズな、流れるような映像に仕上げられます(道の両脇を流れる木々の動きとか、回転するホイールのスポークなどがきれいに映ります)。

シャッタースピードをマニュアル設定する場合、フレームレートの倍数を選ぶと概ね自然な仕上がりになります

現在Hero 9用に出ているNDフィルターは選び放題、と言えるほどは存在しないのですが、筆者は機動性を優先して「カポッとハメるだけ」のTELESIN製(ND8 / ND16 / ND32のセット)を選びました。Hero 9のレンズそのものを交換するタイプもありますが、私がHero 7からHero 9に乗り換えたのは「より少ない手間で撮影を楽しむため」なので、面倒なタイプは選べません。

この製品、購入時も現在もレビューがなく人柱購入でしたが、とりあえず画質面での目立った劣化も感じず、シリコンではめこむタイプですが、よほどのオフロードでなければ吹っ飛ぶ感じもなく、ちゃんと使えています。使っているのはもっぱらND32で、予備で一応ND16もカバンに入れていますが登場したことはありません。

Hero 7 Blackで使っていたNeewerのNDフィルターセットとFeiyuTechのジンバルWG2Xはこれで役目を終了。Hero 7用の各種フレームやウインドノイズ軽減用スポンジも燃えないゴミと化してしまいましたが、スッキリ使えるHero 9には今のところ大満足。これがはじめてのGoProという人は何て幸せなんだ、と思います。

ウインドノイズ対策はこれからですが、当面は本当にいい音が必要な時だけPCMレコーダーで別録りし、あとは動画編集ソフトのイコライザーで低周波をカットして対応しています。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

マスターをフォローする
タイトルとURLをコピーしました