ジロ・デ・イタリア2023第19ステージの最後の登りでログリッチが1xグラベルコンポを試したことについて下の記事で紹介しました。翌日の個人タイムトライアルのための予行練習ではないかと囁かれていましたが、第20ステージでもやはり同セットアップが使われました(チェーンリングは40Tではないかとの説も出ています)。
ログリッチが1xグラベルコンポをジロ19ステージの登坂で使った理由(海外メディアによる考察)
ジロ・デ・イタリア2023第19ステージの後半で、プリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ)が1xのバイクに乗り換えたことが海外メディアで話題になっています。 以下、Bikeradarの考察記事からの抜粋です。 出典 Primož Rogl...
しかしログリッチが穴または溝を通過した時にチェーン落ちが発生。海外のロードレースファンのあいだでは「なぜだ?」とメカトラの原因に注目が集まっています。
1x AXSであれが起こるのは稀?
以下、Weight Weeniesの掲示板からの引用です。
- SRAMの意味のないマーケティングのせいでログリッチは危うくジロを失うところだったな
- 彼は19秒ロスした。そのためあの結果にはさらに感心させられた。チェーンが落ちる前にラジオも捨てていたから、メカトラの後はタイムについて自分の位置がわかっていない状態で登っていった… すごいよ
- ログリッチのチェーンが溝を渡った時に落ちたのが興味深い。あれで跳ねてしまったのかな。全く同じセットアップを見てみたいし、セットアップに手抜きがあったのかどうか気になる。クラッチ・ディレイラー、ナローワイド・チェーンリング、ミニ・チェーンキャッチャーがあるならあれはかなりレアな出来事だと思う、スラムでもシマノでもカンパでも
- (上の人に)私も同意します。私の冬用のバイク、Specialized Cruxでは1x Force AXSを使っていて、フロントが42T、リア30Tなのですが、やばい穴や角にぶちあたってもチェーンが落ちたことは一度もないですね
- 1x AXSがあんなふうにチェーン落ちするのは見たことがない。プロレベルのエンデューロでも使われているセットアップだし、溝でスキップするようなものではない
- チェーンが長かったんじゃないかな。あのAXS 1xセットアップはパリ=ルーベでは問題ゼロだったし
- その通りだね。私がSRAM 1×12でチェーン落ちを経験したのは、セットアップがひどいデモバイクだけで、それは2リンク長すぎた。うちにはSRAM 1×12が4台あり、うち2つはMTBだけれど、チェーン落ちを心配することはない
- 1xのグラベルバイクに乗りはじめた最初の年(ひどい地形だらけのところで)、私が唯一経験したチェーン落ちは完全にスムーズな路面のところで、跳ね上がった石か枝の切れ端がチェーンとチェーンリングのあいだに挟まって持ち上げてしまった時だった。どうしようもないことは起こるよ
- SRAMのチェーンが遅いっていう話がたくさんあるから、ログリッチは他社製チェーンを使っていたのではないかと思う。新しいSRAMチェーンを使っていたら落ちていなかったのではないか
- SRAMのCEOはチェーン落ちがあっても大事にはならないことを知ってホッとしたんじゃないか。ログリッチのパフォーマンスは狂気じみていた
- バウケ(モレマ)よ、メカトラというのはこうやって対応するものだ。カメラに向かって罵声を浴びせるのではなく、そのかわり憤怒を脚に流しこむんだ
- ログリッチはメカトラの後に怒りとアドレナリンでいっぱいになったね
- 1xセットアップについて私は昨日、懐疑的になっていた。結果的に良いところと悪いところがあったと思う。ローギアはすごく役に立っただろう。でもメカトラの原因にもなったんじゃないかな(私はシクロクロスバイクで1xを使っているのですが、2xのロードバイクよりもチェーン落ちしやすいです)
- ファッキン・スラムじゃないですか。ログリッチの調子が良すぎてメカトラでさえ彼を負けさせられなかったのは良かった
- なぜチェーンキャッチャーを使わなかったのだろう? チーム・ユンボ・ヴィスマによる大きいミスのように見える
- チェーンガイドは使っていたように見えたけど、彼がハマったあの穴では役に立たなかったのかもしれないですね
- SRAMはこの結果について複雑な心境(mixed feelings)になっているでしょうね。ログリッチはSRAMを「使っていたにもかかわらず」勝った。SRAMを「使っていたおかげで」勝ったというよりも。ログリッチの勝ち方はSRAMに対するコミュニティからの反感を抑えるようなものだった
今回のメカトラについては「ファッキン・スラム事件ふたたび」的な感想も見られはするのですが、ログリッチがポットホール(道路の陥没穴)を踏んでいたとしてもSRAM 1xであんなふうにチェーンが落ちるのは珍しい、という意見がどちらかというと多いように思えます。
上で挙げられているようにチェーン長や調整に問題があったのか、それともチェーンとチェーンリングのあいだに何か挟まってしまったのか(これによる1xでのチェーン落ちは私も経験があります)。いまのところ定かではありませんが、1xだから・SRAMだからチェーンが落ちたんだ、という話にはあまりなっていない印象です。
なおレース的にはゲラント・トーマスが紳士的だと称賛する声が非常に多かったことも付け加えておきます。結果的にドラマティックでいいステージになりましたね。