Consumer Reportsが次の記事で3メーカーの3つのヘルメット製品に対し「安全リスクあり。買うな(Don’t Buy: Safety Risk)」という評価を下しています。
参考 Three Bike Helmets Fail Consumer Reports’ Safety Tests
Bontrager Ballista MIPSは顎ひものバックルが割れる?
Consumer Reportsのテストをパスしなかったのは以下の3つ。それぞれが違った理由で「買うな」評価を受けてしまったのですが、いちばん気になるのはやはりボントレガーのBallista MIPSです。
- Bontrager Ballista MIPS
- Morpher Flat Folding helmet
- Woom Kids helmet
Ballista MIPSはチンストラップ(あご紐)とバックルへの負荷試験をパスしなかったそうです。テスト方法は次の動画の0:12秒頃から紹介されていますが、クラッシュ時の荷重を再現するためのもの。
チンストラップに結んだ8 3/4ポンド(3.96kg)の重りを2フィート(0.6m)の高さから落としています。この結果ストラップのズレが30mm程度になるのが標準的な結果だそうです。それ以外にバックルが壊れないかもチェックします。
この負荷テストの際にBallista MIPSのバックルが2つに割れたそうです。そのため新たに購入した同一製品で再検証したところ、結果はやはり同じ、バックルが割れたそうです。
バックルが割れるとヘルメットを頭部に固定できないので安全上のリスクが高くなる、というのがConsumer Reportsの主張。
TREKは実験結果に同意できない、と伝える
この実験結果について、TREKの広報担当者Eric Bjorling氏は「全く同意できない」と話しています。このヘルメットは過去2年間に北米で6,000個販売されているものの、事故報告は1件も寄せられていないとのこと。
さらにConsumer Reportsが発見した問題は他の認証研究機関で再現できなかった、とも主張しています。
TREKからの丁寧なアナウンスが求められるところ
ここ最近のBontragerのヘルメット関連ニュースにはあまり良いものがありません。たとえば「30年に1度レベルの革命」という宣伝文句で登場したWaveCelテクノロジーには、下の記事で詳しく紹介したように、物言いが付きました。
またスウェーデンの保険会社フォルクサムによる自転車ヘルメットテストでもWaveCel搭載の”Bontrager Charge WaveCel”の成績が奮いませんでした。
Consumer Reportsのヘルメット評価テストにどれだけの信頼性があるのかはわからないので、ここはBontrager/TREKからの明確でわかりやすい反論が待たれるところです。
※いまのところBontrager/TREKはBallista MIPSの安全性を疑問視してはいないようで、リコールをはじめとする何らかのアクションを取ることは考えていないようです。また、心配がある人は問い合わせてください、というスタンスです。
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