携帯ツールやチューブレスタイヤ用パンク修理キットをハンドルのバーエンドやフォークコラムに仕込ませるといった「収納上手」なツールが最近どんどん増えてきている気がします。例えば下の2つの記事で紹介した製品もそうですね。
しかし「クランク・スピンドル軸の空洞にツールを仕込ませる」というアイデアはこれまであったのでしょうか?
過去にあったらすみません。しかし、とりあえずGIANTが新製品で出しています。
公式 Clutch Crank Core Storage | Giant Bicycles International
Clutch Crank Core Storage
Clutch Crank Core Storageというツールを昨年暮れ頃にGIANTがリリースしていたようです。同社によれば「世界最小のクランク内蔵型マルチツール」。ホロウ・クランク・スピンドルにマグネットで固定される仕組みです。
どの程度の固定力なのか気になりますが、引っ張るだけで取れるならかなり便利ですよね。
対応しているのはSRAM, Shimano及びPraxisのホロウタイプのスピンドルを持つクランク。軸に穴が開いていないものには使えません。例えばShimano R8000 Ultegraのクランクなどでは使えませんが、SLXのクランクなら多分使えるでしょう。どちらかというとMTB寄りのツールでしょうか(でもShimano GRXでは使えそうですよね)。
2.5, 3, 4, 5, 6mmまでの5本のヘックスレンチとT25トルクスレンチ、そしてチェーンカッターとスペア・チェーンリンクの収納庫、スポークレンチも内蔵します。下の画像でわかるようにヘックスレンチをチェーン切りの一部として使うというなかなかクレバーなアイデアです。
サイズは100 x 32 x 19mmとなっていて、重量は84g。調べてみたところ、本記事執筆時点では日本国内での情報はなく、GIANT日本の公式サイトでも販売もされていないようですが、同社のインターナショナルサイトでは定価$80となっています。日本では9,000〜1万円くらいになるのでしょうか。
ブロンプトンのトップチューブに入る似たようなツールキットが1万円くらいするので、大体そんなものかなという気がしないでもないですが、個人的にはもうちょっとだけ安いとありがたいかな…
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重心を考えると理想的な場所
自転車のような乗り物は一般に重いものが上のほうにあると不安定になってきます。昨今は大容量サドルバッグが流行ですが、より低い位置に重心が来るパニアバッグなどを使うとそのあたりを実感します。
収納型のツールキットも高い位置にあるハンドルバーエンドやフォークコラム内部より、スピンドル・BB内にあったほうが重心的には良いように思われます。
が、しかし際にこの位置にマグネットで84gのツールを装着した場合、クランクの回転感覚に何らかの違和感が出るのかどうかが個人的にはちょっと気になるところ(多分問題ない気はしますが…)。
使える自転車が限られてはいますが、ペダリングに影響がないのならなかなかスマートなソリューションのひとつと言えるのではないでしょうか。
最近はTREK DOMANE mk.IIIをはじめとして(下に参考記事リンクがあります)ダウンチューブにツールやスペアチューブや補給食を収納できるタイプのバイクが増えており、スポーツバイク界において「収納(Storage)」が新たな重要コンセプトのひとつになりつつある感がします。