ツール・メンテナンス

absoluteBLACKが「GRAPHENlube」を発売中 ポガチャルが今年のツールで使用した「黒いチェーンルブ」

ツール・ド・フランス2020で総合優勝のマイヨ・ジョーヌ、山岳賞のマイヨ・ア・ポワ、ヤングライダー賞のマイヨ・ブランを獲得したタデイ・ポガチャルが使用していたabsoluteBLACKのチェーンルブ、GRAPHENlube(グラフェンルブ)の発売が再開されています。

absoluteBLACK GRAPHENlube

© absoluteBLACK

このルブは今年のツールでUAE Team EmiratesとTeam Jumbo Vismaがスポンサー契約で使用していました。

公式 absoluteBLACK | Graphenlube worlds best chain lubricant coating

ドライコンディションで1800km持続するワックスベースのルブ

absoluteBLACKによるとGRAPHENlubeは世界初の炭化水素ベースチェーン潤滑剤でグラフェン(炭素原子のシート状物質)を含みます。平たく言うとワックスベースの製品で、塗布時は液体ですが乾燥すると固体になります。

absoluteBLACK GRAPHENlube

© absoluteBLACK

ウェット・ドライ両対応で、ドライコンディションのライドで使用する場合、1度の潤滑で1800km効果が持続し、他社製ルブとの比較では3-10W分の抵抗を削減できるとのことです。下のグラフでは長距離にわたってパワー損失が少ないことが示されています。2番目に良いのがMuc-Off Hydrodynamic。

absoluteBLACK GRAPHENlube

© absoluteBLACK

  • 1回の塗布で900kmにわたり摩擦損失を5ワット抑えられる(ドライでダストの少ない路面で潤沢に使った場合)
  • 撥水性があり土埃を集めない
  • 乾燥したペースト状のコーティング
  • 乾燥時は独特の黒い色をしている
  • 有害な溶剤は不使用

といった特徴があります。

初回使用時は塗ってから完全に乾くまで理想的には一晩置く必要があり、2回目からはライド前に少なくとも2時間乾燥させます(これもできれば一晩、と公式サイトにはあります)。

1本140mlと14mlのボトルがありますが、初回使用時は少なくとも30ml、理想的には50mlのGRAPHENlubeが必要になるため(このうち実際に使用されるのは10-15mlで、残りはボトルに戻して使えます)、初回使用時は14mlなら2本が必要になります。

現在absoluteBLACKのサイトで数量限定販売中です。価格は14mlボトルが$14.95。140mlボトルが$145.95。製造はポーランドで、EUから発送されます。

同社によると大量生産が難しいらしく、常時買えるわけではないので試してみたい方は早めに注文したほうが良いでしょう。

absoluteBLACKとMuc-Off

ところでabsoluteBLACKとMuc-Offはライバル的な存在になってきているのが面白いですね。下の記事でも紹介しましたが、潤滑剤で有名なMuc-Offがビッグプーリーの販売を開始し話題になったのは記憶に新しいところ。フリクション低減を目指してケミカルからスタートしてハードウェアに至ったわけですね。

Muc-Offがビッグプーリー「L.O.P.S.」でアップグレードパーツ市場に参入
Muc-Offが「L.O.P.S.」というビッグプーリーを発表しました。ケミカル製品で人気の高い同社ですが、これでアップグレードパーツ市場に参入することになります。 参考 Muc-Off officially launches...

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absoluteBLACKはもともとチェーンリングで有名ですが、こちらはハードウェアから潤滑剤の世界に進出、というMuc-Offとは逆のパターン。両社とも駆動系における「出力の最大化」を目指すハードウェアとケミカルを出す会社になっているのが面白いと思いました。

著者

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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