米国のState Bicycle Co.が”KLUNKER – BLACK & METALLIC (27.5″)”という完成車を出しています。下の画像でわかるように、ビーチクルーザーをベースにしたシングルスピードのオフロードバイクです。いや、オフロードと定義してはいけないですね。オンロードで乗っても楽しいに違いない自転車です。
公式 KLUNKER – BLACK & METALLIC (27.5″)
これがなんと$399.99で買えるのですが、そもそも「クランカー」とはどんな自転車なのでしょう?
クランカーって何?
実はこのクランカーという自転車については、当ブログに素晴らしい記事があるので(dingle_speedさんご寄稿)そこから引用してみましょう。
クランカー(Klunker)は「オンボロ車」を意味する”Clunker”のヒッピー用語。
MTBという物がまだ無かった1970年初頭、サンフランシスコ郊外の山々を改造した古い頑丈な自転車で下る少々馬鹿げた遊びが流行りだしました。
その時に使われていたダウンヒル用改造実用自転車がクランカーと呼ばれていたのです。
より詳しくは下の記事を是非お読み下さい。写真も豊富ですごく楽しめる内容です。
クランカーのベースには頑丈なビーチクルーザーのフレームが使われ、そこにコースターブレーキとギアレンジの大きいツーリング用クランクがあしらわれ…という感じでなんとなくMTBの歴史が始まったのでした。
クランカーなんか4万円でいいだろ!
というわけでState BicycleのKlunkerに話を戻します。カラーはブラック&メタリックの1色のみ。足回りは26インチ…ではなく27.5インチ(26インチの安いリムを調達できないからに違いない…)。対応身長は5’5″ to 6’3″(大体165cm-190cm)。えっフレームサイズとか選べないの? ポジションとかどうなるの? いえ、そういう自転車ではございませんw
では重さは? ええと、重さもどうでもいい自転車なのですが、一応調べてみたところ書かれていませんでした(たぶん書けないくらい重いのかもしれない)。リムは丈夫な36穴BMXタイプ。ストックタイヤはWTB Vigilante 2.3。要インナーチューブの、1本1040gあるタイヤです。
ブレーキはペダルを逆回転させるだけのコースターブレーキ。日本の公道で乗る時は何らかの方法でフロントブレーキを取り付ける必要があります(フォークは交換しないといけないかも…)。私有地で山林を持っている方なら、このまま遊べていいですね。
さてなんとも魅力的なこのクランカーですが、お値段なんと$399.99。約4万円です。クランカーが10万とか20万だったらおかしいだろ!4万円でいいだろ!みたいな値付けが面白いです。
しかも公式サイトでカートに入れてみたら発送先に日本が選べました(送料$175)。完成車としては勿論、改造のベースにするのも楽しそうです。
ところでこのKlunkerを紹介しているBikerumorの記事に、こんな読者コメントが寄せられています。
何年も7速、24速、27速の自転車に乗った後だと、シングルスピードにはガッカリするかもしれないよ。
感覚や感想は人それぞれなので、この方のコメントに異論はまったくないのですが、私の場合だと27スピードのMTB、20スピードのロードバイクの後に手に入れたシングルスピードバイクには、ガッカリさせられるどころか感動させられました。
このクランカーでなくとも、シングルスピード未体験の方は機会があれば是非試していただきたいところ。シングルスピードも様々ですが、サドルがベッタリ下がって空気が抜けかけた未整備のママチャリでなければ、新鮮な体験を得られると思います。