今年の8月にお伝えした「2スピード・ワイヤレス内装変速」システムのClassified Power Shift。リアハブが2スピードのギアボックスになっており、ワイヤレス通信でコントロールするスマート・スルーアクスルで変速するという仕組みの製品で大変話題になりました。
簡単に言うと、フロントディレイラーの機能をリアハブに詰め込んだような製品です。下の記事で詳しく紹介しています。
このPower ShiftはまずRidley Kanzo Fast完成車に搭載されましたが、このたび3種類の完組ホイールの予約発売が開始されました。
ロード用2種類・グラベル用1種類
用意されたのはリムハイトが異なるロード用ホイール2つ、グラベル用が1つです。全てのホイールに共通のスペックはハブ(フロントはDT Swiss 240 DBCL)とスポーク(24 DT Swiss Aerolite SP)。前後24本組みです。いずれもディスクブレーキモデルのみ、チューブレスレディ対応です。
主要スペックを下の表にまとめました。G30はグラベル/ロード、R35はロード、R50はエアロロードという位置付けです。
モデル | タイプ | ハイト | 内径 | 外径 | 推奨タイヤ | 重量 |
---|---|---|---|---|---|---|
CF G30 | グラベル | 30mm | 23mm | 29,5mm | 32-42c | 1,375g |
CF R35 | ロード | 35mm | 19mm | 27mm | 25-32c | 1.315g |
CF R50 | ロード | 50mm | 19mm | 27mm | 25-32c | 1,415g |
なお重量については「軽すぎる」と思ってしまいますが、これはリアハブの変速ユニットを含まない数字です。Classifiedはシステム全体の正確な重量を明かしていません(ということは明かしたくない重量である可能性が高いですが…)。
価格は3つのホイールとも同じで、2,399ユーロ(予約時のデポジットは250ユーロ)。本日レートで日本円に換算すると30.2万円です。「高い!」と思われるかもしれませんが、PowerShiftハブ、専用ワンピース・11スピードカセット(11-27, 11-30, 11-32, 11-42から選択可)、通信用スマートアクスル、ハンドルバーユニット、サテライトスイッチ込みの値段です。
フロントディレイラー変速システム込みの価格、と考えても「安い」とは言えないですが(変速システムだけでどう考えても10万円以上にはなっていますよね)、小規模スタートアップ企業なのでやや致し方ないところかもしれません(ちなみにClassifiedはトム・ボーネンが出資し、アドバイザーも務めているベルギーの会社です)。
気になるのが専用スマートアクスルの規格。スルーアクスルのスレッドピッチはメーカーによってまちまち。しかし注文時に、このホイールを使用する予定のバイクブランド・製品名・モデルイヤーを伝達する項目があるので、それに合わせたアクスルを用意してくれます。
発送は2021年3月の第1週を予定しています。ハブ単体の販売にも期待したいところですが、それはこの完組ホイールの売れ行き次第、といったところでしょうか。