UCIが今年4月1日からトップチューブに座って乗る、いわゆる「スーパータック」をロードレースで禁止したことを昨日お伝えしました(下の記事)。
その記事の最後で「これからロードバイクでもドロッパーポストが流行するのかもしれない…」と書いたのですが、海外ではついにこんな陰謀論まで出始めました。それが下のミームです。
絵を描いたのは誰だ!
スーパータック禁止の裏には本当は誰がいるのかな? 見てやろう。と男性が囚われの身のUCIさんの覆面を取ると、そこに隠れていたのは… 「俺達にドロッパーポストを強引に売りつけたい全てのサイクリングブランド!」
果たしてこの陰謀論はやりすぎなのか。それともある程度の現実味はあるのでしょうか。
完成車メーカー・パーツメーカーにとっては追い風に
昨日の記事を書いている時、私も実は「ドロッパーポストを売るためじゃないかなー」とちょっとだけ考えました。スーパータック禁止によって一部の選手たちが損をしても、空気抵抗軽減装置としてのドロッパーポストが流行すれば、パーツブランド、完成車ブランドにとっては大きい経済効果となるでしょう。
独自形状のシートポストが多いカーボンロードの場合は、各メーカーが専用品を開発する必要が出てくる場合が多くなりそうです。するとドロッパーポスト対応版の完成車は3万円〜8万円くらいの幅で値上がりしてもおかしくありません。
山岳コースのあるロードレースで勝つには必要不可欠のアイテム、ということになれば、ロード用ドロッパーポストはたとえ性能的にはまずまずのものであったとしても、確実に売れる製品になります。メーカーにとってこんなありがたい話はないでしょう。
自転車メーカー各社の代表がUCI規制委員会の幹部たちと会食などしつつ「そろそろ新しい刺激が欲しい。我々は自転車の販売単価を上げたい。そこで相談だが…」と、胸元から1枚の写真を取り出す。そこにはスーパータック乗りをする、あるスーパースターの姿が。
「これを禁止してくれるだけで、我々は潤う。そしてあなたがたの地位は、今後も保証されることになるでしょう…」
という感じの陰謀論。まぁそれはないとは思いますが、あってもおかしくはないような気はします。今回のドロッパーポストの話は別として、本当の目的が選手やレースの安全確保のためではなく、特定の利害関係者に便宜を図るためのレギュレーション、というのはどのスポーツでも、これまでにたくさんあったのではないか思います。
2023年モデルあたりから、レース仕様のハイエンドロードバイク完成車はドロッパーポストが当たり前に。またシートポストの可動域を確保するためにフレームのジオメトリも見直し。ロードバイクの外観がガラッと変わったりするのかもしれませんね。