SRAMがGX EAGLE AXSを発表しました。GXはSRAMのMTBコンポーネントのサードグレード。EAGLEは同社の12スピードシリーズを意味します。GX EAGLEはメカニカルコンポとして存在してきましたが、ワイヤレスのAXSエコシステムに仲間入りすることになったわけです。
リアディレイラー自体のシフティングの精度は、XX1やX01と変わりません。防水性能もIPX7対応。上位グレードとの大きい違いは素材と重量です。スチールパーツを増やすことでコストを抑えています。
アップグレードキットは600ドル
GX EAGLE AXSはメカニカルGX EAGLEと互換性があります。つまり既存のEAGLEコンポであれば、リアディレイラーとシフター、バッテリー等がセットになった「アップグレードキット」を購入するだけでシステムをAXS対応にアップグレードできます。
なおチェーン・DUBクランク・カセット(10-50T / 10-52T)には変更はありません。
このアップグレードキットの価格は600ドル(本日のレートで6.6万円弱。しかし日本国内価格は税込み¥107,800となっています)。GX EAGLE AXSリアディレイラー単体の価格は370ドル(国内価格は税込み¥65,780。バッテリーは別売り)。コントローラー(シフター)は$150です。
無駄に凝っている紹介動画
下はSRAM公式のGX EAGLE AXS紹介動画。これがコメディタッチで結構笑える内容なので是非ご覧ください(無駄に4K対応だったりで凝っていますw)。
地面を歩いているディレイラー、可愛いですねぇ。あと「おい、お前(仕事中なのに)スマホ見てんのか!」というシーンも爆笑。これは勿論、AXSの設定はスマホでできるんだから、という伏線。アメリカのMTBクロスカントリーの女王、ケイト・コートニーもゲスト出演しています。
動画中ではGX EAGLE AXSリアディレイラーをゴムハンマーでぶっ叩いています。これはXX1やX01等の上位モデル同様、オーバーロードクラッチ(過負荷クラッチ)が搭載されていることのデモンストレーションです。大きい衝撃が加わるとクラッチが働いてモーター部が内側に引っ込み、モーター本体やディレイラーハンガーの破損を防止する仕組みです。
SRAM RivalとShimano 105 / SLXはどうなる?
ところで先月頃から「SRAMがRival eTap AXSを出す」という噂が海外で流れています。下の記事で紹介しました。
Rivalはロード系コンポーネントのサードグレードですが、今回AXSがMTB系のサードグレードにトリクルダウンされたことで、RivalもeTap AXSになることはほぼ間違いないと考えて良いでしょう。
すると気になるのがシマノの出方です。新型デュラエースやアルテグラも発表されていない状態なので、新105の話をするのは時期尚早かもしれませんが、シマノもそんなにのんびりしていられなくなりつつある気がします。
ワイヤレス電動コンポは、完成車の組み立て過程においても、ショップにおいても労働コストを削減できます。シマノのメカニカルコンポが世界最高品質のものであっても、GX EAGLE AXSやRival eTap AXSに完成車市場をじわじわと奪われてしまわないか心配です。
シマノは果たしてDi2を105やSLXのようなミドルレンジまでトリクルダウンするのか。それともメカニカルを維持していくのか。早ければ今年中、遅くとも来年にはその答えが出るのではないかと思います。