恵まれなかった才能も
丈夫じゃない性格も
だけど大それたブツを
ちゃんとポチる強(したたか)さも
なんでこんなにも面倒で
不適合なnadokazuです。
というわけで、今回の駄文はこちら!
新型モデルをもらった!困った!
iGPSPORTさんに、新型GPSサイクルコンピュータ「BSC200 Pro」を無償提供していただきました。
わーいわーい!…と、普段なら両手を上げて大歓喜するところなのですが、今回ばかりは「ちょっと困ったことになった…」と、顔を顰めています。
わたくし、iGPSPORTさんの忠実な駄犬です。フラッグシップ機のiGS800やBiNaviはもちろん、BSCシリーズでも最高峰のBSC500を使いまくっています。
しかしながら、今回使うBSC200 Proは、シリーズ最安価(多分)の堂々たるローエンドモデルです。ふだん使い慣れているハイエンド機とは、真逆のポジションにあります。
ハイエンド機を使い慣れた自分が、BSC200 Proを使う。それは中東某国の外人傭兵部隊に配備されている機体でたとえるなら、グラマンX-29からダグラスA-4に乗り換えるようなもの。試用したとしても、な〜んにも書くことがないのでは?などと無礼千万なことまで、考えてしまいました。
なんですが、なかなかどうして。やりおるじゃないか、BSC200 Proは!
BSC200 Proって、どんなサイクルコンピュータ?
iGPSPORTのGPSサイクルコンピュータとしては、まごうことなきローエンドでエントリーなモデルです。とはいえスピードセンサー、ケイデンスセンサー、心拍センサー、パワーメーター、リアビューレーダーなどは普通に接続可能。スマートトレーナーとの接続にも対応していて、トレーニング系の機能まで搭載しています。
さらに「iGPLink」にも対応していますから、iGPSPORT製の対応ライトやスマートウォッチ、レーダーなどのステータス表示や操作がサイクルコンピュータ側からできてしまう。これは、上位モデルと同様です。
「エントリー機だから、速度と心拍とケイデンスだけ表示できればいいよねー!」みたいな機能の割り切りは、ちっともされていません。
それでいて、価格設定はエントリー機そのもの。執筆時点では1万5000円を切っていて、iGPSPORTのタッチ液晶搭載モデルとしては最安値です。
でもまぁ、それだけならそれだけ。「コスパのいいGPSサイコンですわ!」という1行だけで、全部が終わる話です。
なんですが!
BSC200 Proは「お手頃」を「驚き」に変えてしまうだけの、ストロングポイントをひっさげて登場してきました。
それは「3.0インチという大きめサイズ」の、「全透過型フルカラータッチ液晶」。要するにエントリーモデルでありながら、画面がデカくてメチャ綺麗なんです。
ハイエンド機と違って、使えるコストもスペックも限られるエントリー機。その貴重なリソースを、ディスプレイ品質に全振りするッ!
これがッ!
これがッ!
これが『iGPSPORT BSC200 Pro』だッ!
そいつに触れることは購入を意味するッ!
全透過型液晶(フル・トランスミッシブ・ディスプレイ)ッ!
弱点があるのはわかっているのに、賞賛が止められないッ!
BSC200 Proが搭載している全透過型ディスプレイは、一般的なサイクルコンピュータでよく使われる半透過型のディスプレイとは仕組みが異なります。
半透過型が太陽光などの外光を反射させて表示に利用できるのに対して、全透過型は基本的にバックライトの光だけが頼みの綱。特に晴天時の直射日光下などではバックライトを明るくしないと、その性能を発揮しきれません。なので消費電力(≒稼働時間)の面では、不利になりやすいのです。わかりやすく弱点丸出し!
だとしても「そんなん些事ですよ、些事!!」と、無茶苦茶言いたくなってしまうほどの破壊力があるんですよね。全透過型液晶ディスプレイには!!
上位機のBSC500とBiNaviで比較したときにも痛感したのですが、全透過型液晶ディスプレイは本当にキレイで鮮やか!特に日陰や屋内でディスプレイを見比べてみると、半透過型との違いが一目瞭然です。
白が明るい!黒が引き締まる!そして、あらゆる色が華やかに彩られている!ああ、世界はこんなにも美しいんだ…!!
このディスプレイの見栄えだけで、BSC200 Proのすべてを肯定したくなります。
10点満点で
100点ぐらいすばらしい。
さ…最高だァァ
ハハハハハハ!
アハッ
アハハハ
ハハハ
秋山のキノコスープを飲んでしまった審査員のように、自分はBSC200 Proへの賞賛を止めることができません。
情報量が、情報量が多いッ!
BSC200 Proのディスプレイ解像度は、240×320Pixel。BSCシリーズのトップモデルであるBSC500(320×480Pixel)には及ばないものの、上位機のBSC300Tと同等です。
しかしながら表示できる情報量は、BSC300Tが最大7セグメント表示に留まるのに対し、BSC200 Proは最大8セグメント表示。しかも8セグメントのうち2セグメントは、データフィールドを2つ使っています。スピード、パワー、ケイデンス、心拍のうち2つの項目を円グラフなどでリッチに表現しながら、最大値と平均値も同時に表示できるのです。
しかも!BSC200 Proの画面上部には、「ステータスバー」が常設されています(設定画面には表示されていません)。衛星信号の受信強度、バッテリー残量や現在時刻、データ記録中を示すインジケーター(赤丸)が表示されるので、最大3セグメント分が節約可能。BSC300Tに対してデータフィールドの数はひとつ多いだけですが、表示できる情報の数はもう段違いです。
iGPSPORTのお家芸「新型モデルによる下剋上」が、さっそく発動しちゃっています。
安っぽくはないッ!(個人の感想です)
ボタンの配置は全透過型ディスプレイを搭載する上位モデル、BSC500と同じ3ボタン構成。本体左サイドに電源ボタンがあり、本体底面にラップとスタート/ストップボタンが設置されています。
底面のボタンには滑り止めっぽい斜めのラインが入っていて、エントリーモデルらしからぬ予算のかかり方を感じます。
本体サイズやデザイン、それに素材の組み合わせ方などはシリーズ最上位機のBSC500から引き継がれている感じです。
エントリーモデルとはいえ、1万円以上する製品。その価格に見合うだけの質感・品位感は、しっかり担保されていると感じます。
ANT+には対応しない…ッ!
普通に使う分には困ることはなさそうな機能と性能を持った、BSC200 Pro。とはいうものの、制限事項はそれなりにあります。
たとえば接続方式はBluetoothに限定されていて、ANT+には対応しません。お使いのセンサーがANT+専用だった場合、BSC200 Proでは使用不可です。
最近はANT+/Bluetooth両対応のセンサーが主流(※個人の感想です)なので、「手持ちのセンサーが使えない!」というケースは稀なはず。ですが「ひとつのセンサーを複数のサイクルコンピュータやスマートウォッチに接続して同時に受信させる」みたいな使い方をしていた場合、Bluetoothの接続制限で不便になるケースがあるかもしれません。
そして電動変速システムにも、残念ながら非対応。メニューには、関連する設定項目がひとつも出てきません。上位モデルなら表示ができる電動コンポのギア位置や関連情報が、BSC200 Proだと表示不可能です。
さらにもうひとつ!USBケーブルでPCに接続しても、内部ストレージに直接アクセスできません。まぁ、これで困るシーンは滅多にないでしょうが。
いずれにしても、ハイエンドモデルとは違って仕様には一定の制限がある。ひと通りの機能が揃っているとはいえ、さすがに万能ではありません。
BSC300Tを完全に下剋上して…いないッ!
iGPSPORTさんの新モデルは往々にして、
「え? それ上位モデルより良くなってない?」
というモデル間での下剋上が、半ば常態化していました。
ですがBSC200 Proは珍しいことに、上位モデルのBSC300Tを完全には下剋上できていません。いや、新型が上位モデルを毎回食いにいくほうが異常なので、これは極めて普通のことなんですが。
まずディスプレイについては、前述のとおり完全に下剋上しています。
BSC300Tは2.4インチ。
BSC200 Proは3.0インチ。
サイズが大きくなったうえに、全透過型になって明るく鮮やか!
ディスプレイだけ見ると「BSC200 Proの圧勝では?」「こっちが上位機では?」とすら思えてしまいます。
ですが、それ以外のところではBSC300Tが上位機の実力を見せつけてきます。
目立って大きな違いは、ナビゲーション画面でしょう。BSC300Tが地図を表示しながら案内してくれる「マップナビ」なのに対して、BSC200 Proは地図が出ない「ルートナビ」なのです。
ルートナビって、使い物になるの?とか思っていたらッ!
BSC200 Proのナビ画面に表示されるのは、言ってしまえば「線だけ」。「この先のルート形状はどうなっているか」「進路変更ポイントでどちらへ曲がるか」「正しいルートを走行できているか」といった情報が中心です。周辺の道路形状まで確認できるBSC300Tと比べると、情報量はかなり少なくなります。
だからといって、「ナビとして役に立たない」ということは全然ありません。
進路変更ポイントでどこに進むかは普通に判断できるし、ルートを外れれば警告が出てすぐわかります。事前に設定したPCやチェックインスポットまでの距離もしっかり表示されて、実際に200kmブルベで使っても普通に役に立ちました。
シンプルすぎるほどシンプルで、情報量も絞られているBSC200 Proのナビゲーション画面。ですが意外なことに、進むべきルートが非常にわかりやすい。余計な道路や地名が表示されないので「結局どこ曲がればいいの?」という迷いが出にくいように思えます(個人の感想です)。
このところずっとマップナビが表示できるモデルとBSC200 Proを同時装着してブルベやサイクルボールを走っていたのですが、思い返してみると進路変更時の参考にしていたのは、むしろBSC200 Proのほうが多かったのでは?とすら思えるほど。
もちろんミスコースしてしまったときなど、周辺の道路形状を見てルートを探るような場面ではマップ表示できるナビのほうが圧倒的に便利なのは間違いありません。だとしても「ルート表示のナビだから、ミスコースしまくって迷った」みたいな事態になることは、かなり考えづらいです。少なくとも、自分が実際に使った範囲では。
バッテリーはどれぐらい持つんだッ!?
BSC200 Proが搭載している全透過型ディスプレイは、キレイで鮮やかだけど消費電力が大きめ、というのは前述のとおり。
じゃあ実際のところ、どれぐらいバッテリーが持つんだろう?ということで、200kmブルベで使ってみました。スタートからずっとナビゲーションを稼働させて、センサーやライトも接続しまくり。節電絡みの機能(省電力モード、オートスリープ、自動電源オフ)は、ダークモードを含めて全部オフにしてディスプレイの明るさはオート。バッテリーに対する負荷は、割と厳しめの設定になっていると思います。
参加したのは、AJたまがわ主催「BRM1004 ハーヴェスト200〜食欲の秋〜(2026)」。高円寺を出発して、道の駅ららん藤岡まで行って帰ってくる往復200kmのコースです。
BRMページには「アップダウンを抑えているのが特徴」と書かれていたのですが、ガッツリ登坂があって(しかも100km以上走った後に!)いつもどおり生ける屍に成り果てました。
這々の体でゴールして、BSC200 Proのバッテリー残量をiGPSPORTのスマホアプリに表示させると、そこには「48%」という文字が。
ゴールタイムは11時間37分で、ほとんどが明るい時間の屋外走行。それでも、半分近い容量が残っていました。バッテリー消費が一定だと仮定すれば、単純計算で約22時間20分ほど稼働する計算。公称稼働時間の「25時間」には及ばないものの、かなり近いところまでいけそうです。
1,850mAhのバッテリーでこれだけ稼働するなら、さすがに文句は出ません…よね?
手袋したまま、タッチ操作が…できるッ!?
BSC200 Proの資料には、タッチ操作について「2点タッチ、手袋対応」と明記されていました。
手袋対応?
これってもしかして「スマホ対応グローブなら操作できますよ」という当たり前のことを、いかにもありがたい機能である風に書いてある…ってコトなのでは?
もし公式の資料にそんな不誠実な記述があったのなら、きちんと指摘忖度して見なかったことにしよう…と思いつつ、フルフィンガーグローブを使って試してみました。スマートフォン対応などではない、いたって普通のサイクリング用グローブです。
画面のボタンをタッチしてみると、もちろん何の反応も…あれ?
一部の操作は受け付けてくれなかったりするのですが、グローブを着用していてもかなり普通にタッチ操作ができています。
え?え?サイクルコンピュータのタッチパネルって、ふつうスマホ非対応グローブだと反応しないんじゃないの?
これには、普通に驚きました。いまどきのタッチパネルって、こんなことまで実現できちゃうのか…驚愕。
まとめ:BSC200 Proのディスプレイに屈しますッ!
BSC200 Proを使う前は「ハイエンドモデルを使いまくっている自分が今さらエントリーモデルを使っても、なんの感情も湧き上がらないのでは?書くことないのでは?」などと、本気で思っていました。
ところが!
使ってみると、BSC200 ProにはBSC200 Proとしての、明確な割り切りと魅力とがありました。
いまどきのエントリー機として必要な機能をひと通り持っていて、ナビゲーションもできる(ルートナビだけど)。そのうえ、iGPLinkにも対応しています。そりゃあ細かく見ていけば、上位モデルに及ばない部分があるのは否定できません。だけど!
「普通にサイクリングするサイコンとして、BSC200 Proの機能じゃ足りないって思ってる奴いる??」
と、マイキーに問い詰められたら、思いっきり答えに窮するでしょう。
そしてですね、やっぱり3.0インチの全透過型カラータッチディスプレイが強すぎる!電源を入れるたび、そしてサイクリング中にサイクルコンピュータをチラ見するたび、鮮やかな画面を見てニヨニヨすることができちゃいます。スタートしてからゴールするまで、すべての時間でずっと幸せを感じていられる。
ディスプレイは、サイクルコンピュータのキーデバイスもいいところ。各種センサーからの情報を人間が受け取る役割を担う、最も重要と言っていいインターフェース機器です。サイクルコンピュータを使っている時間は、ディスプレイを見ている時間そのもの。そのディスプレイの品質が素晴らしいということは、サイクルコンピュータ体験が極上になる!ということ。
そんな新型GPSサイクルコンピュータの価格が、14,300円。これは、相当なお値打ちだと思いますよ。いやマジで。最初の1台にはもってこいだし、サブ機が欲しいけどそこまでの機能はいらないなぁ…というケースにもピッタリなのでは。
ハイエンド機を使い慣れていたはずの俺が、全透過型ディスプレイの美しさだけでハッピーになってしまいました。たかがエントリー機…とか、舐めてかかってサーセンっしたー!!屈しますぅううう!!

























