ジロ・デ・イタリア2020のチーム・プレゼンテーションでTeam EF Pro Cyclingが奇抜なジャージを着て登場し、大きい話題になりました。RaphaとスケートボードブランドのPalaceとのコラボによる、かなりポップなデザインのジャージです。
しかしこのジャージ、事前に必要な申請がなされていなかったとして、EF Pro CyclingはUCIに4,500スイスフラン(約51.8万円)の罰金が課せられてしまいました。
実は巧みなマーケティング戦略?
この件を巡ってEF Pro Cyclingのゼネラルマネージャー、ジョナサン・ヴォーターズは当然ながらSNSでUCIの保守性を糾弾し、暴れはじめます。
Oh @UCI_cycling….. you guys are always looking out for the best interest of the sport, aren’t ya? Thanks for the $4000 of fines for wearing our crazy ducks. Hope @DLappartient enjoys his dinner – on us! Salud! pic.twitter.com/YVoTy9egDq
— Jonathan Vaughters (@Vaughters) October 3, 2020
ああ、@UCI_cycling …あなたたちはこのスポーツの最良の利益のことを考えているんだろう? 俺たちのいかれたアヒルのウェアに$4000の罰金を課してくれてありがとう。 @DLappartient がディナーを楽しんでくれるといいな。俺たちの金でね!カンパーイ!
しかし一方で、この「未申請ジャージ騒動」は意図的に起こされた巧みなマーケティング戦略だったのではないか、という指摘が各所で持ち上がりはじめています。例えば…
The uniform was submitted months ago. Without the palace logo. As we all know, the UCI isnt great with confidentiality, so we left the logo off. That was the issue at hand.
— Jonathan Vaughters (@Vaughters) October 4, 2020
@Vaughters 思うにルールはルールだが、ジャージのデザインが #Giro2000 の前にUCIに提出されなかった理由はリークを防ぐためだったんだよね?
これがみんなを驚かせたのだから、EFはうまくやったもんだ。これは意図的に起こした騒ぎだ、今回の罰金はマーケティングの総仕上げというわけだ!
この指摘に対し、とぼけてみせるヴォーターズGM。
ユニフォームは数ヶ月前に提出してあったよ。Palaceロゴなしで。周知のようにUCIは機密情報の保護が良くないから、私達はロゴを外しておいたんだ。それが問題になったんだ。
今回のジャージ騒動は、RaphaとPalace、キャノンデール、そしてEF Pro Cyclingのイメージと認知度にマイナスの影響を与えるでしょうか?
悪影響がゼロとは言えないかもしれませんが、むしろチームやスポンサーブランドの認知度向上に与えた圧倒的な効果を考えれば、あったとしても些細なものと言えるでしょう。むしろメリット、恩恵のほうが上回ります(眉をひそめる人はいるとしても)。
今回の件がUCIの保守性を逆手に取ったジョナサン・ヴォーターズGMによる「仕込み」だったとすると、なかなかの手腕ではないでしょうか。50万円の費用で、Rapha/Palce/Cannondaleの画像が世界中に大拡散されることになったのでした。スポンサーもたぶん喜んでいるでしょう(笑)。