BMCが「Roadmachine Masterpiece」を発表しました。フォーク・シートポスト・ステム・ハンドル(ワンピースまたはツーピースを選択可能)を含んだモジュールとしての販売で、完成車オプションはありません。果たしてどんなフレームなのでしょうか。
公式 BMC Masterpiece Performance Cycling | Mpc
参考 BMC unveils a $10,000 Masterpiece frameset — because it can (cyclingtips)
Roadmachineとほぼ完全に同じ
このフレームですが、ジオメトリも何もかも同社のオールラウンドロード・Roadmachineと同じだそうです。使用される金型も全く同じ。
ただし金型は、より精度が高く、より磨かれた上位バージョンが使用されるのだそうです。その結果、サンディングやクリアコートの必要がありません。
Roadmachine Masterpieceの重量はサイズ54cmで871g。ノーマルRoadmachineとの差は24gのみで(塗装含まず)、より軽量であるとか剛性がこのように違うとか、性能面での違いもほぼ皆無であるとのこと。
つまり「普通より良い金型」を使用して品質を極限まで高めたRoadmachineのプレミアムバージョン、と言えそうです。
しかしサイズはノーマルRoadmachineの47-61 cm(6サイズ)に対し、Roadmachine Masterpieceは51-58 cmの5サイズのみ。
そしてお値段は1万ドル!(10,000ユーロ・10,000スイスフラン)ノーマルRoadmachineの米国定価は$4,399なので、2倍以上の値付けです。
何故これを作った?
このRoadmachine Masterpiece、カッコいいのは間違いないですが、これを作ることにした背景事情に興味が湧きます。
性能面でRoadmachineと同じであるならこのMasterpieceを買うのはまず富裕層でしょう。高精度の金型はそれなりの投資を必要とすると思いますが、新しいプロダクトではないので設計やテストといったコストは不要です。BMCの財政事情は不明ですが、投資利益率が高いと判断したのは間違いないでしょう。
また気になるのはBMCサイトでこの「Roadmachine Masterpiece」は”masterpiece.bmc-switzerland.com”というサブドメインで紹介されているところです。ページタイトルは「BMC Masterpiece Performance Cycling」。まるで「Masterpiece」というカテゴリーが想定されているような気配です。
ということは、Roadmachine以外の車体をベースにしたMasterpieceシリーズがこれから出てきてもおかしくないでしょう。
果たしてこれはブランド価値を高めるための戦略なのか。それとも研究開発費を削らざるをえない状況なのか。あるいは単に調査の結果、売れると踏んだのか。
BMCは素晴らしいバイクを作るブランドなので、今後の行方が気になります(筆者の最初のカーボンフレームはBMCだったので結構思い入れがあります。)。