フランスのハンドビルド自転車コンテストの「コンクール・ド・マシーヌ 2022(2022 Concours de Machines)」にてCyfac(シファック)が出品したParadoxというモデルが優勝しています。
出典 Cyfac, vainqueur du Concours de Machines 2022 ! | Cyfac – Artisans de Cycles sur-mesure depuis 1982
北フランスのパヴェを含む220kmコースで行われた品評会
このコンクールへの出品にあたっては、実際にかなり走れること、軽量さと革新性をバランスよく織り交ぜること…等々の一定の要件を満たす必要があり、2022年度はパリ=ルーベでも使われるパヴェ区間を含めた220kmのコースにて、女性がライダーを務める、という形式でコンペが行われたそうです。出走前・最中・ゴール後には審査員や技術担当者によるチェックが入ります。
受賞するには女性ライダーがコースを完走する必要があり、出発は日の出前。自家発電式のライトをはじめ、その日必要となる着替え等を運べる装備を備えた、快適に速く走れる自転車が必要になります。今回受賞したCyfac Paradoxのスペックは次のようになっています。
- フォーク:Columbus Futura Gravel
- 駆動系:SRAM Red eTap
- ハンドル・ステム・シートポスト:FSA(カーボン)
- バーテープ:Lizard Skins
- ブレーキ:SRAM Force
- サドル:Ergon Sport Gel Women
- リム:Duke World Runner Carbone
- タイヤ:René Herse Endurance (Pumpkin Ridge 650bx42)
- ランプ:Supernova (M99 DY PRO)
- フロントハブ:SON
- リアハブ:Aivee Classic
- リアラック:Cyfacオリジナルのステンレス製
- ボトルケージ:Tune
- ドライバッグ:ORTLIEB
フロントフォークは既製品を逆付け
とにかく目立つのがフロントフォークとサスペンションですね。CyfacはColumbus社と付き合いが長いせいか、既製品のFutura Gravelを180度回転させて使っています。ここにチタン・カーボン・エラストマーによるサスペンションを組み合わせています。
このフロントサスペンションの発想自体は特に新奇なものではないらしく、過去にスイスのCilo等が出していたMTBでも採用されていたと聞きます。
公式サイトでは重量は公開されていませんが、関係者によるとこの仕様で11kgだそうです。650bのフルサス・グラベルバイクでハブダイナモやライト・簡易キャリア搭載と考えると、そこまで重いものでもないのかもしれないですね。ルーベを舞台にした品評会で優勝しているのですから走行性能もきっと良いのでしょうね。