サイクリング

伊豆諸島を自転車で探検してみよう!八丈・神津・新島の「ひょうたん三兄弟」を俯瞰する【第2回】

CBN BlogはAmazonアソシエイトとして適格販売により紹介料を得て、良質なコンテンツの作成とサイト運営のために役立てています。当サイト内のリンク経由で Amazonにてお買い物 していただくと、大変助かります。いつもご支援ありがとうございます
伊豆諸島(東京都)のサイクリングの話題になりますので、主に関東・首都圏在住の方向けの記事かもしれません。しかし他地域の方も、よろしければ是非!

シリーズ「伊豆諸島を自転車で探検してみよう!」の第1回では、三宅島を取り上げました。第2回はどの島をご紹介しようかと考えていたところ、各島の詳細に入る前に「ある3つの島の共通点」について考えておくのが面白いのではないかと思いました。

その3島とは、八丈島・神津島・新島です。

八丈島・登龍峠

八丈島・登龍峠にて(筆者撮影)

▼ シリーズ第1回・三宅島推し記事

伊豆諸島を自転車で探検してみよう!「大島」以外で私がサイクリストに推したい島【第1回・三宅島】
東京・伊豆諸島の「大島」は、首都圏の多くのサイクリストが既に楽しく走られていることと思います。この不定期連載では、そんな離島サイクリングの定番である大島以外にも注目し、私が読者の皆様に推したい伊豆諸島の島々を紹介したいと思います。第1回の推...

似ていないようで実は似ている3島

まず島を上から俯瞰してみましょう。下の地図はOpenStreetMapからのデータを筆者が合成したもので、右から八丈島・神津島・新島の並びになります。縮尺は揃えてあるので、3島の相対的な大きさがイメージできるかと思います。八丈島は、やはり大きくて広いですね(伊豆諸島では大島に次ぐ大きさ)。あとぱっと見た感じは、全然似てねーじゃん! と思われるかもしれません。

八丈・神津・新島の俯瞰図

出典:OpenStreetMap

何が似ているか。それは大まかに言って、これらの島が「ひょうたん型」であるという点です。各島の北部と南部に、大きめの山があり、その中間に谷というか台地があって、そこに多くの人が住む集落がある、というイメージです。サイクリングの際は、この集落が宿泊や食事や買い物などの拠点になることと思います。白い囲みのあいだくらいのエリアが、人が多く住んでいるところ。

八丈・神津・新島の俯瞰図

出典:OpenStreetMap

八丈島は北に八丈富士(西山)、南に三原山(東山)という大きい山があって、その中間地帯が大きい町になっているイメージです。ちなみに八丈島の北部は、人はほぼ住んでいません(ちょうど伊豆大島の東側がそうであるような感じです)。

神津島は、村民の大部分が西側の神津島港(前浜港)に集中して住んでいるのが大きい特徴です。それ以外の場所には、人はほぼ住んでいないイメージです。前浜港の周辺以外は、神聖な秘境という雰囲気です。北の天上山、南の高処山・秩父山が盛り上がっていて、そのあいだに人が住んでいます。

神津島の集落

神津島の集落を望む(筆者撮影)

新島は島の中央部の「本村(ほんそん)」と呼ばれるメインストリートのほか、北部の若郷(わかごう)という地区にも集落があります。新島も北の「宮塚山」と南の「向山」を両極とするひょうたん型と考えることができると思いました。

島によって微妙な違いはありますが、これらはおおむね「ひょうたん型」なのでした。

島一周サイクリングはどうなる?

さて、離島サイクリングを楽しもうという場合、「まずは島を一周して、島の全体像を把握してみよう、大きい印象を得てみよう」と考えることが多いと思います。また、島によっては島内一周道路を走るだけでも存分に楽しめることも、あるでしょう。

しかし「八丈島・神津島・新島」の「ひょうたん三兄弟」については、自転車で「わかりやすい島一周」が可能なのは八丈島だけです。八丈島なら、下の画像の赤線で示したように、大島や三宅島のようにきれいに一周できます。さらに山に向かう林道や、市街地のサイクリングも楽しめます。

八丈・神津・新島の俯瞰図

出典:OpenStreetMap

神津島・新島は、八丈島のように「わかりやすい島一周」をすることは、できません。

神津島の場合、東の海岸は多幸湾(たこうわん)から北は走れませんし、西の海岸は「赤崎遊歩道」という観光名所が北限です。その先にトンネルはあるのですが、工事が中断されており、進入禁止になっています。島の北東部は自転車では走れません。ただ、存分にライドを楽しめる林道が山々に向けて通じています。

新島の場合はどうか。こちらも東の海沿いは「羽伏浦(はぶしうら)海岸」近くをわずかに北上できるのみで、その先にある「平成新島トンネル」は自転車・歩行者が通行禁止となっています。そのため島北部の「若郷」地区を走るのは結構大変です(タクシーやバスで自転車を運ぶ必要がある)。また若郷まで行ったとしても、島の輪郭をなぞるように一周することは、やはりできません。

新島の西側は、上の画像の赤線よりももっと北まで走れます(線を引き忘れた)。「新島村博物館」近くまでが走れる北限という感じです。また、新島の場合、北側の大きい山である宮塚山に至る「富士見峠コース」が自転車進入禁止となっているため、そこでのヒルクラなどは楽しめません。サイクリングの場合、新島で走れるところは、ほぼ島の南半分に限られます。普通は。

単純に「自転車で走行可能なオンロード・オフロード」の総距離は、八丈島がトップです。たっぷり走りたいなら八丈島。次に走れるのがこの中では神津島で、神津島なら林道経由で名山「天上山」の山歩きも含めると、まず退屈している暇はないでしょう。北部の林道めぐりもおもしろいです。

新島は、自転車で走れるところはこの3島のなかでは最も少ないです。しかし新島の海は圧倒的な美しさなので、サイクリングそのものを楽しむというより、新島観光の手段として、モビリティとして自転車を活用する、という考え方にすると一般旅行者以上に楽しめると思います。海にあまり興味がない私でも、新島の海景の美しさには心底感動しました。すごいところです。

新島・羽伏浦海岸

新島・羽伏浦海岸にて(筆者撮影)

これら3島へのサイクリング旅行を計画されている方のご参考になれば幸いです。どの島も退屈するようなことは全くないと思います。新島は小径車でも楽しめるでしょう。八丈島・神津島なら、林道も走るのであればタイヤ30mm以上のロードバイクかグラベルバイクがおすすめです。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

マスターをフォローする
タイトルとURLをコピーしました