フレーム・完成車

MARIN NICASIO SEというクロスバイクが攻めている。攻めてはいるが…

先日ロードプラスについての記事を書いたのですが、リサーチ中に変わったクロスバイクに遭遇しました。MARIN NICASIO SEというクロスバイクです。これ、おもしろい。

MARIN NICASIO SE © Marin Japan

本記事で紹介するMARIN NICASIO SEは2019年に販売されていたモデルです。MARIN NICASIO SEの2021年モデルについては、公式サイトのこのページでご確認下さい。ブレーキが油圧ディスクになるなど、スペックが変更されています

タイヤがWTB Horizon

これは日本限定モデルらしいのですが(カラーは3色用意)、クロスバイクでありながらなんとWTBの最定番ロードプラスタイヤであるHorizon 650 × 47cをはいているのです。ロードプラスのど真ん中なタイヤです。なおロードプラスというトレンドについては下の記事で詳しく解説してみました。

ロードプラスという提案について調べてみた
ロードプラス(Road Plus, Road+)と呼ばれるものがあります。グラベルロードの世界で2016年に登場したものですが、果たしてこれは何なのか。一種の「規格」として紹介されることもあるようですが、規格・標準というよりは「提案」(また...

MARIN JAPANの公式製品ページには「推奨用途:通勤・通学・ポタリング・ツーリング」とあります。なるほどスリックのHORIZONなら舗装路での走行も快適でしょうし、かつビッグなエアボリュームで大きい段差も何のその、通勤通学で路面を選ばずにガッツンガッツン乗っていけそうです。

大学生ならこれで通学して、さらに夏休みにはリアキャリアを付けて(付けられる)キャンプツーリングもできてしまいます。フレーム素材はアメリカでクロモリといえばこれ、という4130 CrMo(4130だからと言ってどのメーカーも同じ乗り味ではないですが。パイプの品質と溶接技術で差が出ると思いますがそこは知る由もなし)。

キックスタンドがついていることもありぱっと見はごく普通のクロスバイクに見えますが、フラットバー・グラベルロードと呼んでも差し支えなさそうなスペックです。おもしろい自転車だなと思いました。

スペックリスト

基本コンポはSHIMANO Claris 8 speedでブレーキはメカニカルディスクのTektro M280。

以下、スペック詳細。

  • フレーム Marin 4130 CrMo, Disc Specific, Beyond Road Geometry
  • フォーク CrMo Steel Blades
  • リム Marin Aluminum Double Wall, Disc Specific
  • リアハブ Forged Aluminum Alloy, 32H
  • フロントハブ Forged Aluminum Alloy, 28H
  • スポーク・ニップル 14g Stainless Steel
  • タイヤ WTB Horizon, Wire Bead, 650Bx47mm
  • チューブ Presta valve
  • リアディレイラー Shimano Claris
  • フロントディレイラー Shimano Claris
  • シフトレバー Shimano Claris 8-speed
  • クランクセット FSA Tempo Compact, 50/34T
  • ボトムブラケット Sealed Cartridge Bearing, Square Taper
  • チェーン KMC Z-7
  • カセット Shimano 8-Speed, 11/32t
  • フロントブレーキ Tektro M280 Mechanical Disc
  • リアブレーキ Tektro M280 Mechanical Disc
  • ブレーキレバー Aluminum Alloy
  • ハンドルバー Marin Alloy
  • ステム Marin Alloy
  • グリップ Marin Kraton
  • ヘッドセット FSA No8D/DJ
  • シートポスト Marin Alloy
  • サドル Marin Fitness
  • ペダル Commute Platform
  • キックスタンド Steel Rear Mount Kickstand

重量は13.1kgもあるらしいのですが、このスペックで税込価格86,200円は安いな〜、と思いました。WTB Horizon TCSって海外通販でも1本5,000円くらいする高級タイヤですから。

タイヤがWTB Horizon…?

ん? ちょっと待て… スペック表を眺めていてひとつ疑問が。”WTB Horizon, Wire Bead, 650Bx47mm”ってあるぞ。ワイヤービード? チューブレスのHorizonはフォールディングビードじゃないのか… ひょっとすると…これはチューブレスレディ非対応のクリンチャー版Horizon!?

でもそんな製品はWTBの公式サイトを見ても載っていないぞ。HorizonといえばTCS (Tubeless Compatible System)じゃないのか。

あらためて製品写真を部分拡大してみます。ムム… “road plus”というロゴの右側に本来あるはずのTCSマークがない…

MARIN NICASIO SE © Marin Japan

これは…やはりHorizonのクリンチャー版なのか。そんなものあるんだ。OEM製品なのだろうか。

というか、冷静に考えてみたら86,200円のクロスバイクにチューブレスレディタイヤが付いてくるわけ…ないか… だとしたらこれはちょっとだけ残念。

マーリンオリジナルのリムもチューブレス化できるかどうかは疑問です(何も書いていない場合はクリンチャーオンリーであることがほとんどです。自己責任でチューブレス化できる場合もあるようですが…)。

でもタイヤはTCSのHorizonだったら言うことなかったですね。ただこのあたりが実際どうなっているのかは購入予定のお店で聞いてみる必要がありそうです。

仮にタイヤ・ホイールともにクリンチャー専用だったとしてもフレーム側はロードプラスに必要なクリアランスが確保されているわけで、将来的にホイールをグレードアップしてチューブレスの乗り味を試す楽しみはありそうです。

チューブドだとしたらどういう乗り味なのか気になります。チューブの重さは気にならないのか。どこかで試乗できれば良いですね。

最近のMARIN BIKESは非常に攻めたというか、おもしろい自転車を提案している感じがあり、好感を持ってしまいます。そういえばこのあいだもMARINの別の完成車について書いたばかりです。こちらも是非お読みください。

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著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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