シマノからDeore XT M8100とSLX M7100が唐突に発表されました。目玉は何と言ってもXTRの12スピードが両方にトリクルダウンされたこと。思ったよりもスピーディーな展開で驚きました。
新XTとSLXについて、以下の海外サイトで得られた主な情報を箇条書きでまとめてみました。
出典 12-speed Shimano XT and SLX is here and it’s almost as good as XTR
出典 Shimano XT M8100 vs Shimano SLX M7100
Deore XT M8100とSLX M7100の主な特徴
個人的に特に気になったところを黄色でマーキングしました。
- いずれも12速化された
- カセットの装着にはマイクロスプラインハブが必要。これで10tが使えるようになった
- 現在マイクロスプラインハブの製造ライセンスを与えられているのはDT Swiss, Industry 9, そしてシマノ
- まもなくMavic, Newman, Syncros,などがマイクロスプラインハブ搭載ホイールを発表する模様
- XT M8100のカセットは10枚がスチールで大ギア2枚がアロイ製
- SLX M7100のカセットは11枚がスチールで1枚がアロイ製
- いずれもアロイスパイダーにマウントされオプションは10-45t, 10-51tの2種類
- 新型XT, SLXいずれも4ポットまたは2ポットのキャリパーが用意される
- 4ポットでも2ポットでも同じブレーキレバーを使用する
- キャリパーはXT, SLXともにフラットマウントは用意されない
- チェーンラインとQファクターの組み合わせは次の3つ
– 52mm/172mm (リアエンド142mm or 148mm)
– 55mm/178mm(148mmリア/ワイドタイヤ)
– 56.5mm/181mm(157mmスーパーブースト) - XT, SLXともにフロントダブルあり。いずれも36-26の1種類のみ
- フロントダブルのチェーンラインは51.8mm, Qファクター178mm(148mmリア用)
- トリプルチェーンリングは消えた
- 狭いQファクターを好む場合は172mmより狭いオプションがあるXTR M9100を選んだほうが良い(162mm, 168mmあり)
- XT, SLXともにチェーンリングはダイレクトマウントになった
- XT, SLXともに28tチェーンリングあり
- 12速のXTR, XT, SLXはいずれも互換性あり
- XTには完組ホイールが用意された(SLXにはない)
- クロスカントリーバージョンはリム内径24mmで最大タイヤ幅2.35インチまで対応。27.5インチで1,764g, 29erで1,840g。リムテープ不要のチューブレス対応。スポークはストレートプル
- エンデューロ寄りのホイールはリム内径30mm。リム穴があるかないかは不明。スポークはJベンド。27.5インチで1,846g, 29erで1,932g
- 完組ホイールはいずれもBoostのみ
- SLX/XTともにJベンドの148, 142, 110, 100mmハブが用意される。センターロックのみ
- XT M8100とSLX M7100グループセットは7月頃出荷予定。パーツ単位で一部のショップで6月14日から買えるようになる
- XTのシフトレバーはマルチシフトファンクション搭載。最大2段の同時リリースが可能
- XTレバーのほうが質感・操作感は良くシフトレバーにはラバーグリップがある
- SLXにはフリーストロークアジャスターはない
- フィニッシュはXTのほうが少しだけ良いがSLXもサードグレードとしてはかつてないほど見た目が良い
- どちらのグループセットもシフト感の軽快さが際立ちダウンシフトはほとんど瞬間的だ
- ブレーキング性能はXTとSLXとで大差ないがレバーはやはりXTのほうが良い
ロードコンポーネントはどうなるか
予想以上に早かったXT/SLXの12速化ですが、これから起こるのは当然ロードのDURA-ACE, ULTEGRA, 105, GRXの12スピード化ですね。
自分が求めるギア構成を考えていったらSHIMANO GRXにたどり着いてしまった話
はじめてのグラベルロードを組む時にいくつか決めていたことがあります。 油圧ディスクブレーキであること フロントディレイラーなしの1xであること カセットスプロケットはこれまで使ったことのない巨大な11-46Tというのを試してみたい この3つ...
デュラエースについては早ければ今年にも12速バージョンが出るのではないかと言われています。
ULTEGRA/GRXは来年12スピード化するのではないかという声も多く見かけます。
XT M8100とSLX M7100、特にSLX M7100は来年のMTB完成車市場でSRAMと戦うための強力な武器になることは間違いないと思いますが、最近SRAMに押され気味のシマノが果たして「ロードとMTBの12速コンポーネントの完全互換」という路線を取るのかどうか大いに気になるところですね。