おはこんばんにちは。こないだの200kmブルベを完走しただけでご満悦のPHILLYです。Twitterで知り合った人をスタート地点で見かけて声をかけようと思ったら数分でちぎられ、二度と会えなかったのは内緒にしておいてください。
突然ですが、もう数年以上は前になるでしょうか、クロスバイクのフレームをロード用コンポとドロップハンドルとカンチブレーキで組んでオフロード自転車として使っていた時期がありました。いわゆる「ドロハンクロス」というやつです。
未舗装路だけでなく街乗りなどでも非常に重宝したのですが、色々あって今現在は手元にありません。
最近はもっぱらロードバイクでのサイクリングばかりで、それ自体は好きなのですが、最近またこれに乗りたくなってきたので、新たにシクロクロスフレームを調達して組む事にしました。
組む上でのマイルール
しかし「新しい自転車を買いました!」と報告するだけでは何の面白みもありません。
せっかくなのでフレームから組みたいところですが、ただ組む過程を紹介するだけというのも退屈です。
そこで今回は、一つの「方針」に従って各パーツの選定を進める事にしました。
ゲームで例えるなら「縛りプレイ」というやつですね。
その方針とは、「家にある余りパーツを可能な限り使用する」です。
例えば、ホイールやハンドルバー、ブレーキなどは既にストックがある為、これらを新調してはいけない事になります。
余りパーツのほとんどはロードバイク用の予備品であったり、前述のドロハンクロスからの外し品であったりします。
(もちろん、タイヤやスプロケット、ワイヤーなどの消耗品は含めません)
フレームの選定
後ほど紹介しますが、我が家のストックにはディスクブレーキ系のパーツが一切ありません。
カンチブレーキならあります。
つまり、実質的にはカンチブレーキ式のシクロクロスフレーム以外に選択肢が無い事になるのです。
競技シクロクロスの世界では、ロードバイクより8年早くディスクブレーキが解禁されました。
最初はカンチブレーキに拘るメーカーと、ディスク・カンチを併売するメーカーが多かったのですが、2013年にJAMISが、2014年にGIANTがカンチブレーキのシクロクロスを廃版にした事が、カンチブレーキを絶滅へと追いやる大きなきっかけのひとつになったのかもしれません。
2019年現在、カンチブレーキのシクロクロスフレームを販売しているメーカーは、有名どころではSURLYくらいのもので、あとはTNi(トライスポーツ)やSvecluck(Avobe Bike Storeのオリジナルブランド)、TESTACH(東京サンエス)しか思いつきません。
ANCHORとGuerciottiには、競技向けのカンチ式シクロフレームが2018年くらいまで残っていましたが、今ではそれも廃版です。
今年の9月にGIANTが「エスケープRドロップ」なるバイクを発表し話題を呼びましたが、あれも広義にはシクロクロスバイクと言えるのかもしれません。
ハブナット式の吊るしホイールと鉄製フロントフォークの扱いに困る未来しか見えなかったので手を出さなかったものの、カスタムバイクの格安ベース車両としては悪くないと思います。
用途的に、ガチ競技向けのシクロクロスバイクは合わない気がするので、Svecluck、TESTACH、あとTNiのアルクロスも除外します。
TNiにはチタン製のシクロクロスフレームもありますが、あまりに高価な上、BBまわりの処理が大変そうなのでこれも却下。
SURLYのCROSSCHECKですが、DINGLESPEEDさんの愛車としてブログ内で何度かお見かけした事があります。
実は、CROSSCHECKのリヤディレイラーハンガーは「コンポメーカーが指定する要求寸法」を満たしておらず、理論上はリヤメカの変速性能を十全に引き出す事が出来ないのです(この話は、後日まとめて別記事を書こうと思います)。
DINGLESPEEDさんが、このバイクをディングルスピード仕様にして(ややこしい!)乗っておられるのは、この辺りに何か思うところがあったのかもしれません。
最近のリヤメカはどれも変速性能が高いので、多少寸法を外れたくらいでは特にどうという事もないのかもしれませんが、先に書いておくと、リヤメカの公称キャパシティをうっすら超えた歯数のスプロケットを使いたいので、フレームの方で条件が悪くなるのは避けたいのです。
という事で、SURLYも却下となりました。
となると、残った選択肢はTNiのCX-EXTRAです。
ジオメトリーはやや理想からは外れますが(主にシート角)、それ以外のスペックは概ね問題なさそうな感じ。
急いている訳でもないので、フレームの注文はパーツが揃ってからにしようかな…とのんびり考えていたところ、某リサイクルショップにて、シクロクロスバイクが大特価で投げ売りされているところを発見!
気付いた時には既に商談成立、晴れて我が家の一員になってしまったのです。
2014年モデルのFOCUS MARES AXです。
トップチューブとシートチューブの傷が目立ちますが、パイプには凹みなし、サビなし、ヘッドパーツに傷みなし、シートポストとBBの固着なし、という奇跡のような個体です。
フロントフォークの剛性がTNiとは比べ物にならないくらい高く、フレームも軽そうです(重量は計っていません)。
これなら、かなり満足のいく1台か組めるのではないでしょうか!?
主要パーツ(余り物パーツ)
では実際、どのようなパーツをアッセンブルしたのかお見せします。
まずは、押し入れの余り物パーツから。
ブレーキ
TRPのレース用カンチブレーキ、EURO Xのマグネシウムバージョンです。
一口にカンチブレーキと言っても様々な種類があり、これは泥詰まりの起こりにくさと軽さを追求して作られたモデルです。取り付け時のクリアランスが広く、泥除けの取り付けにも適しています。
反面、チドリワイヤーの長さゆえ絶対的な効きはやや弱め(もちろん実用レベルではあります)。
効きの強さを重視するのであれば、TNiの136というカンチブレーキがオススメです。
TRPの純正ブレーキシューですが、妙に硬いゴムが使われているせいか、リムに与えるダメージが強い気がします。
組み付けの段階では既にシマノのR55C3ブレーキシューに交換済みですが、昔純正シューを使った時はブレーキタッチが硬質で、リムに悪そうな感触でした。
ブレーキアーチのリターンスプリングは、何やら白いゴムチューブのようなもので養生してあります。
アルミ製のEURO Xでは見られないので、鉄製スプリングがマグネシウム製アーチに食い込むのを懸念しての事なのでしょうか。
これを買った当時のTRPの国内代理店はアキコーポレーションでしたが、現在はマルイに変わっており、さらにカンチブレーキ系のスペアパーツは在庫がほぼ無いらしいので、スプリングなどは破損させないよう注意が必要です。
ちなみに、カンパニョーロやスラムのブレーキレバーと互換性があるリニアプルブレーキ、TRP CX8.4は現在でも手に入る模様。
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ホイール
カンパニョーロ・ゾンダのナローリム時代のものです。
それなりに硬くてよく走るのですが、いかんせん重たいので最近はあまり使っていませんでした。
シクロクロスであっても、競技シクロであればチューブラータイヤがいいのですが、林道や山奥に踏み入るためのアドベンチャー的用途としては不適です。
ロード用に比べてスペアタイヤがかさばる問題もありますし、オンロードでは考えられないくらいパンクのリスクが高いですから、ここはやはり信頼できるWOホイールで組みます。
ゾンダにも弱点はあります。
ハブの防水性が低いので、ガチのオフロード走行には向きません。どれくらいかというと、ハブのキャップの隙間からベアリングが目視できるくらいにはスカスカです。
そういう所からのトラブルを避けたいのであれば、MAVICのキシリウムエリートやシマノのWH-6800(廃版)の方が適任ではありますが、ここで新たにホイールを買ってしまうと「縛り違反」となるので、ゾンダでいきます。
こまめにハブのメンテナンスをすれば大丈夫でしょう。
ディレイラー
シマノのRD-6800-SSが手元にあるので、これを使います。
ショートケージゆえ、ロー28Tのスプロケットが限界だという事になっています。
ですが、リヤメカのキャパシティ指定は、大抵の場合50×34Tのフロントギヤを使う前提でなされているので、フロントシングルで使うのであれば多少オーバーしても許されます。
ブレーキレバー
東京サンエスのブランド、Dixnaが出している「Jリーチ」というブレーキレバーを使います。
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シマノのCX50カンチブレーキを使わないのは、ブレーキレバーがこれだからです。
この手の、シフト機能を持たないブレーキレバーを最近あまり見かけないのは、これらのブレーキレバーがシマノのブレーキキャリパーに対応していない事に原因があります。
以前CBN本館に書きましたが、現行シマノのデュアルコントロールレバーは、旧来のブレーキレバー(カンパ・スラムを含む)とはテコの比率が異なり、JリーチとBR-CX50の組み合わせではコントロール性を著しく欠いたブレーキタッチになります。
参考 Campagnolo Potenza11 BR17-POBDP
簡単に言うと、ブレーキレバーをちょっと握っただけで制動力が急激に立ち上がる、オンオフスイッチの様な感触になります。
CBNでのレビュー活動を始めたごく初期の頃に、BR-CX50について言及しました。
リムとシューのクリアランスが少ない!と書きましたが、この時に使っていたブレーキレバーはST-4600、旧型レバーなので互換性がありません。
今ならこんな組み合わせで組む事自体しませんが、当時はまだその辺りの知識が足りていませんでしたね。お恥ずかしい。
ブレーキレバーのリターンスプリングは抜いてあります。
TRPのカンチブレーキはリターンスプリングが非常に強く、レバーの引きが重たくなりやすいからです。
普通ならブレーキレバーの固定ピンを叩き抜き、スプリングを取り外したのち再組み立てするべきなのですが、大変めんどくさいので、ブレーキレバーの裏にラジオペンチを差し込んでスプリングを捻じ切りました。
パーツの破壊を伴う不可逆なやり方ですが、特に問題はないでしょう。
BB
シマノのホローテックⅡクランク用BB(※)、現行品はグレードに応じて3つのラインナップがあります。
※厳密には2ピースクランクと呼んだ方が正確だと理解してはいますが、「2ピースクランクという一般名詞」との混同を避けるため今後もホローテックⅡクランクと呼びます。
- デュラエースのBB-R9100
- アルテグラと105に割り当てられるSM-BBR60
- ティアグラ相当のBB-RS500
があり、
RS500がグレード的には最も低く、価格も安価なのですが現行デュラエースのBBは耐久性に難があるようで、これは小さくし過ぎたベアリング径が原因です。
BBR60も似たようなものなので、旧型BBと同じサイズのベアリングを採用しているRS500が恐らくは最も耐久性に秀でたBBになるでしょう。
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クランクセット
10速時代のシマノFC-6601、通称アルテグラSLのクランクです。
先ほどのBBと合わせて、ロードバイクに使っていた時期がありました。
現在、僕のロードバイクにはカンパニョーロ・コーラスのカーボンクランクが付いていますが、「カーボンクランク+BB」のセット重量とFC-6601単体での重量がほぼ同じで、BBの分だけFC-6601の方が重い、というくらいの明確な重量差があります。
ペダリングの感触にも違いがあり、微かな差ではありますがハッキリ分かるくらいにはFC-6601の方が硬いです。
ものの優劣がある訳ではなく、単に乗り手の好き嫌いで評価が分かれるパーツだと思いますが。
FC-6600クランクなどの7800系ホローテックⅡクランクがアルミシャフトであったところ、アルテグラだけは「マイナーチェンジ」という名目でスチールシャフトにこっそり変更されました。
FC-7900がスチールシャフトで出て以降、シマノがアルミシャフトのホローテックⅡクランクを発売した事はありません。
上の画像、鉄シャフトにCATEYEのスポークマグネットがくっついている様子です。アルミシャフト相手だと(当たり前ですが)全くくっつきません。
ちなみにPCDは130mmで、シマノの純正チェーンリングは最小39Tです。
ハンドルバー
実家の押入れを漁ったところ、何故かボントレガーのハンドルバーが出てきました。
芯-芯40cmのバーは基本的には使わないので、なぜこれを買ったのかさえ謎ですが、下ハンドルの形状が好みなので一応は使います。
多少ハンドル幅が広くても、オフロードなら気にならない可能性があるので。
その他(小物パーツ)
日泉のブレーキケーブルセット、11速チェーン、チェーンキャッチャー、プレッシャーアンカー、カンチブレーキ用のアウター受け、700Cチューブがあります。
これらのパーツも(使える範囲で)もちろん使っていきます。
シートクランプ一体型のリヤブレーキ用アウター受けや、キャノンデールのフレームセットに付属していたカーボンコラムスペーサーなども使いたかったのですが、購入したフォーカスに元々ついてきたので断念しました。
新たに買い足したパーツ
当然ですが、上に並べたパーツだけで自転車は組めません。
追加で必要になったパーツを買ってきたので、それも書いていきます。
スプロケット
シマノCS-R7000、11速の11-30Tを選びました。
先ほど書いた事と重複しますが、ショートケージのリヤメカはキャパシティの都合上、ロー28Tのスプロケットまでしか対応できない事になっています。
ですが、フロントシングルで運用する場合、ギヤの守備範囲を広げるためにはトップとローの歯数差を大きく取らなければいけません。
かといって、あまりにもローギヤが巨大すぎると、舗装路で多用するであろう範囲のギヤがスカスカになってしまいます。
現在ブルベ仕様にしてあるロードバイクですが、フロントが52×39T、リヤが14-28Tの11速という構成です。
このバイクのギヤ比は、トップ3.714、ロー1.393となっていまして、 トップとローのギヤ比をこれらと同等くらいに揃えておけば不便は感じないだろう、というのが11-30Tを選んだ動機です。
チェーンリング
RaceFaceのフロントシングル専用チェーンリング、42Tを買いました。
フロント42Tであれば、11-30Tと組み合わせた時に前述のギヤ比を実現できます。
クランクのスパイダーアームがPCD130mmなので、これも当然130mmです。
PCD130mmのクランクは、シマノの場合39Tが最小歯数で、実際にラインナップ上もそうなっていますが、スギノやストロングライトでは38Tが最小です。
チェーンリングボルト
よく分からないブランドのスチール製チェーンリングボルトとナットを買ってきました。
アルミ製ボルトは、焼き付きやら工具の滑りやらで良い思い出がないので、何となく鉄製の方が信用できます。
RaceFaceのチェーンリングはボルトを通す穴が段付きになっているので、ボルトの頭がチェーンリングに埋まる格好になります。
これのせいで、ピストバイクの厚歯チェーンリング用の6.5mm長さのナットが使えません。
実測長さ6mm未満の、短めのナットが必要になります。気をつけましょう(かといって、あまりにナットが短すぎるとそれはそれで問題ですが)。
タイヤ
Challengeのシクロクロス用タイヤ、グリフォを選びました。
チューブドクリンチャーのシクロ用タイヤといえばやはりチャレンジですね。
砂浜系、泥系、砂利道系、などなど、チャレンジのバリエーションは非常に多岐に渡りますが、グリフォは泥系タイヤの代表格です。
ブロックパターンの細かいタイヤで泥道を走ると、タイヤノブの隙間に土が詰まり泥だんご状になってしまいますので、グリフォはノブの間隔を非常に広く取ってあります。
路面とのμが大きく、アスファルトを走るとうるさめのノイズがしますが、オフロードでのグリップを優先するならこんなもんです。
シフター
シマノのインデックス11速用バーエンドコントローラー、SL-BSR1を買いました。
フロントシングルなので右しか使いませんが、このレバーは左右セットでの販売のみとなります。
ENE CICLOのパワーラチェット式(インデックス無し)バーコンにしようか悩みましたが、7〜8速ならまだしも11速のリヤメカの位置調整をインデックス無しで探るのは面倒な事、悪路を走る時のショックでシフターが巻き戻されてしまう恐れがある事からインデックス有りを選びました。
(シフト関係のコンポが全て組み付けられた状態でシフトインナーを手で引っ張ると、シフターが巻き戻ってインナーが緩み、リヤメカがトップ側へ動く事があります。マイクロシフトのバーコンやカンパニョーロのエルゴパワーなどインデックス式シフターでも起こり得ますが、フリクションやパワーラチェットのシフターの方が起こりやすい気がします。)
ちょっと前までは、シマノの9速バーエンドコントローラーであるSL-BS77が、ロングツーリング用バイクのシフターとして完成車にも採用されている事が多かったのですが、最近ではわざわざバーコンを選ぶ人が居ないのか、TTバイクを機械式コンポで組む以外の用途で見かける事がまずありません。
そのTTバイクも、たとえ完成車であっても一旦ばらして機械式から電動コンポに組み換えられるケースがほとんどであるように思います。
レトロシフト改めギブネールが出しているダブルレバー台座付きブレーキレバーを機械式ブレーキのシクロクロスに使うのも一時期流行りましたが、シマノ・カンパニョーロ・スラムの3社がロード用油圧ディスクブレーキを真剣にラインナップするようになった今では、それも減りつつあります。
このあたりの事情に関しては、DINGLESPEEDさんの記事で詳しくまとめられていますので是非お読みください。
バーエンドコントローラーをドロップハンドルに組み付ける場合、ステムの脇までシフトアウターをバーテープに巻き込む事が多いようですが、変速のタッチが悪くなりますし、下ハンドルを握った時に指の関節にアウターが当たって痛いです。
なので、バーテープ下には一切アウターを巻き込まないようにしました。
このフレームはシフトインナーが一切露出しないフルアウター構造になっているので、変速操作が重くなる要素は少しでも減らしたいのです。
完成形
組み上がった車体がこれです。
試乗するために、手元にあった謎の黄色いバーテープを巻いてみたのですが、うーんなかなかにダサいです。
別で持っていた水色を巻く判断をしなかっただけマシだと思ってください(笑)。
タイヤサイドが黄色っぽいので中和されないかなー、と考えていましたが甘かったようで。
フロントブレーキのワイヤーが若干よろしくありません。
ヘッドチューブが長めのフレームなのでコラムスペーサーはあまり入れたくないのですが、カンチブレーキのアウター受けをコラムに取り付けなければならず、ブレーキアウターが窮屈な思いをしています。
90mmのステムで適当なものがイーストンの20°しかなかった為にこうなっており、フロントブレーキの引きがリヤよりも重たいくらいです。
日東がシムワークスブランドで出していたステムに、ブレーキインナーがステム胴を貫通しているものがありましたが、あれは既に生産終了しているらしく入手困難です。
まあ、ブレーキの効きが悪い訳ではないので、今はこのままいきます。
Jリーチレバーですが、思ったよりは握りにくいです。
ブラケットポジションからブレーキを掛けた時の指の位置がブレーキレバーそのもののピボットの位置に近く、てこの「支点↔︎力点」の距離が稼げない為、例えばカンパニョーロのエルゴパワーなどと比べて同じ握力でブレーキを掛けた時の制動力が弱いような気がします。
下ハンドルから握り込めばちゃんと効きはするものの、
レバー形状に誘導されて先端に指を掛けられないため、より練られた形状のブレーキレバーと比べれば制動力が落ちている、とは思います。
タイヤ幅と重量、ギヤ比、バイク重量からして、ロードバイクと比べれば速度域は遥かに低くなりますし、本気でグラベルを攻める走りはまだ出来ないので、今のところ不都合はありません。
当初、カンチブレーキにはSWISSSTOPのBXP (青いブレーキシュー)を取り付けていました。
雨でも効きが弱くなりにくく、普段乗っているロードバイクのキャリパーブレーキで同じものを使っているのですが、カンチブレーキの剛性不足ゆえか不快な振動を生じてしまい、とてもまともに使えそうになかったので、結局シマノのR55C3シューにしました。
シマノのアルミリム用シューは、デュラエースが10速だった頃はR55C3だったところ、11速化と同時にR55C4へとマイナーチェンジされました。
R55C3とR55C4はゴムの硬さがけっこう違い、R55C4の方が長寿命なのは確かなのですが、リムへの攻撃性がやや強めです。R55C3の方が柔らかいゴムを使っているのでしょう。
R55C3ブレーキシューが付いていたBR-7900以前のブレーキキャリパーは既に廃版ですが、R55C3自体は未だに入手が可能です。
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11-30TとRD-6800-SSの組み合わせで、ちゃんと変速できています。
フロントシングルだからこそ出来る事ですね。この様子だと11-32Tくらいまでは許容できそうです。
このギヤで淀川のサイクリングロードを軽く流したのですが、普段何の気なしに使っている12-25Tや14-28Tの11速スプロケットが如何に偉大な存在だったのか、はっきり思い知りました。
「1つシフトアップすると重すぎる、かといって1つシフトダウンすると軽すぎる」状態にしょっちゅう陥ります。
これが仮に46/36TのCX系ダブルクランクであれば、12-25Tのスプロケットでほぼ同じギヤ比が再現できますし、しかも中~高速域のギヤがクロスレシオになるという特典まで付いてきます。
仕方ないんですけどね。今回は「フロントシングルで組みたい」という欲求ありきで組み上げたので、ここは目を瞑ります。
フロントシングルの魅力のひとつが、クランクまわりのパーツ点数が減ってスマートに見える事です。
MARES AXはバンド式フロントメカで組む前提のフレームなので、直付け台座が無く、フロントメカ無しで組むとシートチューブがつんつるてんになり、非常にスッキリします。
RD-6800-SSはダブルテンションのリヤメカですが、フロントシングルで組む場合はシングルテンションのリヤメカで組んだ方が何かと都合が良いのです(チェーンテンションが上がるので、チェーンをチェーンリングに押さえつける力が強くなる)。
やや激しめにオフロードを走ってみて、もしチェーンが外れるような事があれば何か対策を講じる必要があるかと思いますが、真円シートチューブだとそれが容易なのです。
先月は色々と忙しかったので、組んでからまだ100km程しか走らせていませんが、やっぱりオフロードを駆けるのは楽しいですね。
京都市内なら、京都御苑(御所のまわり)や加茂川の河川敷、旧花脊峠、江文峠の側道などをこいつで走ってみたいところです。