TREKの新型Madone(2023モデル)がクリテリウム・ドゥ・ドーフィネで確認され、シートポスト下部の「IsoFlow」という整流口(?)が話題になっています。
しかし、よく見ると別の大きい特徴があるように思います。
トップチューブ上に配置されたシートポスト
「シートポストがシュートチューブから生えているとは言えない」点は注目すべきではないでしょうか。
このシートポストは、位置的にはシュートチューブの延長線上にありますが、物理的にはシュートチューブには接触しておらず、トップチューブから「生えて」いますよね。シートポスト(マスト)の下端が挿入されている部分、これは「シートチューブ」とは呼ばないでしょう(多分)。トライアスロン・バイクでは、これまでもありましたが…
シートポストはもうシートチューブから伸長されなくても良い
このデザインは、UCIレースで使用するロードバイクとしては、2021年から可能になったものだと思われます。本記事時点でのUCI技術規則(05.10.2021 version)には次のように書かれています。
Seat post: the seat post must be attached at least with one point of contact with the seat tube and/or top tube in the highlighted area (green).
シートポストは、ハイライトされたエリア(緑色)で、シートチューブとトップチューブに、またはトップチューブに、少なくとも一箇所の接点を持つように取り付けられなければならない
上の緑色のエリアなら、どこにでもシートポストを生やして良い、と解釈できそうです。「b」のようにトップチューブにだけ接触するものでも良し。この変更以前は、”the seat tube (from which the seat post shall extend)…” = シート・チューブ(そこからシート・ポストが延長・伸長する)… という表現があったのですが、今では見られません。
新型Madoneのこのデザインは、IsoSpeedが抱えていた「とも」言われている重量・耐久性・信頼性の問題(問題とは感じていない愛用者も多いようです)を解消するためのものだろう、という声が多いのですが、いずれにしてもUCIによる上記の最新フレーム規則に合致するものとしては、初めての製品になるのでしょうか(他にもあるよー、という情報がありましたら教えて下さい)。