コンポーネント

新型デュラエースはフルワイヤレスだったらいいな…という人が過半数 フル・セミワイヤレスそれぞれのメリットとデメリットを考える

CBN BlogはAmazonアソシエイトとして適格販売により紹介料を得て、良質なコンテンツの作成とサイト運営のために役立てています。当サイト内のリンク経由で Amazonにてお買い物 していただくと、大変助かります。いつもご支援ありがとうございます

少しづつですがその姿が明らかになりつつある新型デュラエース、R9200。最新情報は1月31日に下の記事でお伝えした「FCC認証申請」ですが、やはり「新型デュラはセミワイヤレス」という従来の噂を裏付ける内容となっています。

シマノ新型デュラエースは7月26日までに発売される? ワイヤレス認証に必要なFCC認証申請を発見
シマノが2021年1月25〜26日にかけて、米FCC(Federal Communication Commission: 連邦通信委員会)に2件の「ワイヤレスデバイス」の認証申請文書を提出していることがわかりました。 Dura-Ace R9...

しかし「セミワイヤレス」と「フルワイヤレス」だったら、皆さんどちらが好みなのでしょうか? アンケートでお聞きしてみました。

せっかくならフルワイヤレスがいい?

質問内容は「7月26日までの登場が確実視されている新型デュラエースについてお聞きします。フルワイヤレスとセミワイヤレス、どちらだったら良いと思いますか?」というもの。ご回答いただいた512人の皆様、どうもありがとうございました。

結果はご覧の通り、フルワイヤレスがいい、という方が65.4%。セミワイヤレスでいい、という方が34.6%。割合から見ると「どちらでもいい」というより、「やはりどちらかといえばフルワイヤレスがのほうがいいよなぁ」という気持ちが覗えるように思います。

フルワイヤレスのメリットとデメリット

ところでフルワイヤレスとセミワイヤレスの電動コンポにはそれぞれ、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

そもそもフルであれセミであれ、電動コンポのワイヤレス化による最大の恩恵は「ケーブル(エレクトリックワイヤー)がなくなること」です。ケーブルがないのなら、コンポのインストール時に面倒な配線作業をする必要もありません。

有線の場合、ケーブルの断線リスクは常に存在します。フルワイヤレスなら整備性・保守性が良いだけでなく、断線やケーブル接合部が外れてしまうことによるメカトラブルを回避できる、というメリットもあるわけですね。

一方でフルワイヤレスの場合、デメリットとされているのは「充電箇所が増える」ことです。

SRAM RED/Force eTap AXSの場合、シフターの電源はCR2032電池によって供給され、寿命は平均で約2年と言われています。ここは日常的な充電は不要なので、万一のために予備電池を持っていれば良いわけですが、これ以外にフロントディレイラー・リアディレイラーのバッテリーを個別に充電する必要があります。

ただしSRAMの場合、フロントディレイラーとリアディレイラーのバッテリーは共通なので、万一路上でリアディレイラーのバッテリーが尽きてしまった場合でもフロントのバッテリーと交換することで比較的ラクに帰宅できる、というのは逆にメリットと考えても良いでしょう。

この点についてはなどかずさんによる記事「いまさら11速のSRAM RED eTapなんて、買う意味あるの?」で詳しく解説されています。

いまさら11速のSRAM RED eTapなんて、買う意味あるの?
なんかついこの間まで10速が主流だと思っていたんですが、今や普通に11速があたりまえ。それどころか、12速・13速まで登場。ブレーキだって、リムブレーキがディスクブレーキへと急速に置き換わりつつあります。 そんなタイミングだというのに、これ...

また一般にワイヤレスの他のデメリットとしては、客観的なデータがあるわけではないのですが、「変速タイミングが若干遅く感じる(SRAM)」という意見を見聞きすることがあります。

セミワイヤレスのメリットとデメリット

一方でセミワイヤレスのメリットは、仮にシマノの新型Di2がそのような仕組みであれば、の話ですが、リアディレイラーとフロントディレイラーは1個のマスターバッテリーに接続され、充電はその1個で良い、ということ。さらにそのバッテリーは、SRAM RD/FDのそれを合わせたものよりも大容量になることが予想されます。

充電は1回で良く、しかも長持ち、というメリットがあるでしょう。しかし逆に、その1個のバッテリーが尽きたら終了なので、見方によっては電源の冗長性のあるSRAMに比べるとこれはデメリットと捉えられるかもしれません。

ちなみに「ディレイラー本体に特定の方法でバッテリーを搭載する」ことについてはSRAMが特許を取得しているとも言われており、シマノがフルワイヤレス化しないとしたらそれが大きい理由の1つであるとも言われています

エレクトリックワイヤーの配線作業がゼロになるわけではないのも、デメリットと言えるでしょう。勿論、シフターから「ディレイラー・バッテリー群」まではワイヤレスなのでインストール時の作業性や有線による断線リスクは従来に比べてグッと減るはずですが、チェーンステーからBB、シートチューブ付近の配線は発生します。これは面倒と言えば面倒でしょう。

変速の速度はどうでしょうか。有線Di2はSRAM eTap/eTap AXSに比べて変速レスポンスが速いという意見をよく目にしますが、セミワイヤレス化してもそれは維持できるのか。このあたりは実際の製品を待たないとわかりません。

Dura-Ace R9200が噂通りセミワイヤレスだとしたら、現在「フルワイヤレスのほうがいい」という人々も納得させ、心変わりさせられる仕上がりになっているのかどうかが大きい注目点となりそうですね。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

マスターをフォローする
タイトルとURLをコピーしました