世界最古のマップナビは1927年に誕生したという説があるようです。下は”The Plus Four Wristlet Route Indicator”という腕時計型のナビで、イギリス製。
この画像が最初にネットに登場したのがいつなのか、調べてみても辿り着けなかったのですが少なくとも下の4つのリンクで言及されていました(dailymail.co.ukがこの中ではいちばん古い)。
出典 Fancy driving with this… the earliest wind-up sat-nav – dailymail.co.uk
出典 The Evolution of Navigation: A Look Back at the First Navigator with Manual Scrolling Maps from 1920 – bnn.network
出典 The Plus Four Wristlet Route Indicator – Stefan Plattner
出典 Analogue ‘GPS’ From The 1920s and 1930s – dannydutch.com
以下、各ソースからの情報を総合してみました(最初のdailymail.co.ukがいちばん詳しい)。
- 写真はMaurice Collinsというロンドン在住の方のコレクションらしく、かつて美術館や展覧会で展示されていたことがあるらしい
- The Plus Four Wristlet Route Indicatorは20個のコア・マップセットと一緒に発売されていた。ロンドン中心の地図だったが、他の地図も特注することができた
- 当時の価格は5ポンドで、2008年の価値に換算すると45〜50ポンドほどの価格
- 当時クルマを所有するほど裕福な人はそれほど多くなかったので、大量生産はされなかった
- ゴルフのスコアを記述する目的でも使われた
- 地図は手でリューズを巻いてスクロールする仕様だった
- 電力は使用せず、軽量にデザインされている
- 当時としてはゲームチェンジャーな製品であり、より正確かつ詳細に世界を探検できるようになり、GPSやデジタル地図への道を切り拓いた
ということです。類似のシステムはその後、モーターサイクルの耐久レースやパリ・ダカール・ラリーなどでも使われていたそうです。また車載する紙版のナビについては、オドメーターと連動させて地図がスクロールする仕様のものも多数存在していたようです。