こんにちは
倉田亜m…nadokazuです。
私たちは
これから
ここ横浜を出発し
日本海側は
新潟県上越市の
直江津を目指す…
日本横断の旅に出ます!
というわけで、本日の駄文はこちら!
全国各地の自転車乗りが、日本海を目指して走る!「直江津集合」とは?
直江津集合。それは自転車漫画の帝『ろんぐらいだぁす!』8巻〜10巻にもエピソードとして登場する非公式のライドイベントです。「開催当日(例年8月の最終土曜日)の18時までに、直江津(新潟県上越市)の船見公園に集合する」というもので、2007年からコロナ禍での中断を経て現在まで開催が続いています。
そのレギュレーション(?)は
「自転車に乗って自由に走り、新潟県上越市の船見公園を目指すだけ」
「基本コンセプトはCoast to Coast「太平洋から日本海へ」です…が、近年は出発地も、距離も、ルートも、走り方も、すべて自由!」
「完走を義務にするイベントではありません。「自分なりにチャレンジしてみること」が、何より大切」※2025年の主宰、かんなさんのブログより引用
と、至ってシンプルでフリーダム。
つまり「CtoCは必須じゃない」し、「どんなルートで、何日かけて走ってもいい」し、「途中で/途中まで、輪行しちゃってもいい」。
それこそ直江津駅まで輪行して数キロだけ走るだけでも、18時に船見公園の人魚像の前に立っていれば参加したことになります(それが「自分なりのチャレンジ」なのか?という点はさておき)。
2025年は去る8月30日(土)に開催され、上越タイムスの報道によると全国各地から約55人の自転車乗りが集まったとのことです。
小径折り畳み自転車!そんな装備で大丈夫か?
自分にとって直江津集合は、少年の心を失わない大人がチャレンジする「夏休み最後の大冒険!」とも言える一大イベント(「いい歳こいて幼稚な思考のおっさんが一人で無茶してやがる」という言い換え不可)。
そして「自分が日本を横断できる程度の力量がある(※ただしド遅い)自転車乗りであること」を確認できる、稀有な機会です。2回目の参加となる今年は、小径折り畳み自転車のTyrell FSXで行ってみることにしました。
なぜロードバイクを持っているのに、わざわざ小径折り畳みで?犬なの?馬鹿なの?死ぬの?それはひとえに「遅くても言い訳できる」から。
小径車を使っていれば、誰より遅かったとしても「ボクチン本当は遅くないけど小径車だから仕方ないよね!」という言い逃れが可能になります。すべての責任を、20インチのホイール径に押し付けられるのです。
それに小径折り畳みとはいえ、Tyrellの小径車が持つ走行性能は伊達ではありません。
先に北海道で開催された「ジャパン・グランドネ2025 北海道 1200km 納沙布岬」を認定時間内完走しちゃう、とんでもない変た…猛者までいるほど。
Tyrell FSXでRM811ジャパン・グランドネ納沙布岬1200認定完走。
ブルベ2年生しては頑張ったと思いたい。
深夜の峠道を一緒に走ってくれた方々、運営の皆様、ありがとうございました。
1200kmの崩壊した舗装路の記憶と共に忘れられない思い出になりました。#JG1200 pic.twitter.com/0AELXH8Hbl— いまどら (@IMAGEDRIVE) August 14, 2025
つまりTyrellなら「遅さをホイールサイズに責任転嫁しながら、高い走行性能の恩恵を受けられる」というわけです。
それに、いまやスマートトレーナー専用機と化しているロードバイクをこれからメンテに出して、というのも面倒くさ…余計な手間になってしまいますよね。
そんなわけで、私は極めて合理的な選択としてTyrell FSXでの参加を決め……
すみません、白状します。ここまではウソじゃないけど、決して本心ではありません。
そうです。わたくし「小径車でロングライドにチャレンジしよう!」という意気込みとか、「大好きなブランドの自転車の性能を自分でも証明したい!」みたいな殊勝な思いは、欠片も持ち合わせておりません。
直江津集合にTyrell FSXを使う本当の理由は、ただひとつ。
「小径折り畳みで330km走っちゃった! どう?どう? ボクチンすごくなーい?」
という卑しい感情を恥ずかしげも無く丸出しにして、ドヤ顔したいからdeath。
この腐臭を放つ生ゴミのような、醜悪で歪んだ承認欲求。まったくもって最低の人間、と言うほかありません。ほかならぬ自分自身のことですが。
長距離走行の安全を支えてくれた、機材のみなさん。
そんな最低最悪な動機で直江津を目指したのですが、300kmを超える走行となると平均速度15km/hで走ったとしても20時間以上。「夜通し走る」ことが、避けられません。
そして、今年は異常な猛暑への対策も必須!そこで、いろいろ買ったり買ってあったりした機材をまとめました。
夜間走行対策
●CATEYE VOLT800/VOLT800 NEO
高照度と長時間照射で、夜間走行時に絶大な安心感を提供してくれる定番ライト。性能・信頼性はもちろんのこと、脱着しやすさと確実な固定力、そのうえ微調整まで可能なブラケットシステムが最高です。
さらに!スモールパーツもキッチリ販売してくれるCATEYEさんは、本当に神!もうそれだけで、他のブランドのライトを選択する理由が無くなります。
●CATEYE USB-C充電クレードル CRA-003
VOLTシリーズのバッテリーをUSB-Cコネクタで充電できるほか、モバイルバッテリーとしても使えるようにするスグレモノ。バッテリーとクレードルを2個セットで用意しておけば、ライトのバッテリー切れとスマホのバッテリー切れの心配を一度に両方払拭できます。
●CATEYE ORB
軽量・小型のフロント用セーフティライト。前照灯には使えない照度なので、ヘルメットライト用に購入。
充電式の「ORB RECHARGEABLE」もラインナップされていますが、点灯で使うと3時間しか持たない。なので、電池式の「ORB(SL-LD160-F)」一択です。こっちならCR2032×2で50時間と、夜明けまで余裕で使えます。
●CATEYE WEARABLE X
充電式のリア用セーフティライト。充電式で最大30時間使える(点滅時)スペックと、デザイン。そのどちらにも文句はないんですが、充電端子がMicro USB Type-Bなのが玉に瑕どころかヒビ割れです。nanoに買い換えたい…。
あと夜間走行中は、もちろん反射ベストを着用して走りました。
サイコン周り
●iGPSPORT iGS800
パワーメーター、スピード、心拍の各センサーとリアビューレーダーを接続して、マップ画面でナビゲーションさせながら、バックライトあり(自動制御でデフォルト設定)という負荷かけまくり状態で走行。ゴールしてからホテルに着くまで24時間以上フル稼働させましたが、バッテリーは余裕で持ちました(公称スペックは50時間以上!)。
ログもバッチリ取得できているし、走行中に謎の再起動とか謎のセンサー接続切れといった事象の発生もなかったです。さすがiGPSPORTのフラッグシップ機!
▼ 参考記事

えっ?いまのフラッグシップはBiNaviだし、そっちの方が1万円以上安いし、稼働時間だって35時間あるから「いま買うならBiNavi一択」だって?
わ、私の前で二度とその台詞を言うなぁあああああ!!(号泣)
●iGPSPORT SR mini
レーダーとしての性能はさすが最新版!と思わせるものの、後続車を検知すると思いっきりライトが点滅する(しかもオフにできない!)仕様のおかげで、幹線道路を走っていると瞬く間にバッテリー残量が減っていくiGPSPORT SR mini。
▼ 参考記事

バッテリー切れの不安に苛まれはするのですが、接近する後続車へ警告してくれるのは安心感絶大。背に腹は代えられず、コンビニで休憩するたびに充電しながら走りました。バッテリーをモリモリにした、SR maxとかSR ultraの登場に期待したいところ。
猛暑対策
●ロックアイス
夜が明けたあとは、X(旧Twitter)で教えてもらった保冷剤を入れるスペースがあるベストを着用。氷を背負った状態を、可能な限りキープするようにして走りました。
ロックアイスの袋に入っているのは大ぶりの氷とはいえ、太陽と体温のダブル攻撃を受ければ瞬く間に溶けてぬるま湯になってしまいます。コンビニを見つけるたびに立ち寄って、入れ替えながら走るしかありません。けれど、そのおかげか炎天下を延々走り続けても熱中症の初期症状的な微妙頭痛や、火照りを感じたりすることは無かったです。
コンビニ休憩の回数が爆発的に増えるので、単に「冷房で身体を冷やせる時間が長かった」ことの方が影響している可能性大ではありますが。
●保冷ボトル
氷を入れて走り出せば、ずっとキンキンに冷えた水が飲める!保冷ボトルなしの夏ライドは、もう考えられなくなりました。
▼ 参考記事

最初に買った537mLサイズが見るも無惨なキズだらけになってしまったので、650mLサイズを買い増し。
個人的MVPアイテム
で、今回の直江津への走行中に最も「神!!!!」と思ったアイテムはこれ。
伊藤園の冷凍ペットボトル飲料「やわらかフローズンレモン」です!!
コンビニで凍ったペットボトル飲料を購入して、バックポケットに入れて走る。これって冷えたドリンクと冷却手段を同時に確保できる、手軽さだけならトップレベルのソリューションと言えます。
なんですが、大きな課題がひとつ。
それは冷凍のカルピスやアクエリアスは「中途半端に溶けた状態だと味が薄い部分と濃い部分ができてしまって、全部を美味しく飲むことができない!」という点。だからと言って完全に溶けるまで待っていると、こんどはあまり冷えてないドリンクを飲むことになります。なかなかピッタシいかないねぇ。
そんなコンビニ冷凍ペットボトル飲料の活用に革命をもたらしたのが、この「やわらかフローズンレモン」。
本品は半解凍の状態でボトルを振り回して残った氷を砕いていくと、中身全体が「飲むかき氷」と言うべき細かな氷の粒になってくれます。
ボトルから出てくるレモン味のクラッシュアイスが、口の中に、そして喉に流れ込んでいく。その冷却効果たるや、文句なしに絶大です!!容易にアイスクリーム頭痛を引き起こし、口腔内をガッツリ冷却してくれます。
ほんのりした酸味とサッパリした甘さで、いくらでも飲めちゃう。直江津に着くまでに何本消費したか、もう数えきれません。
バックポケットに入れて身体を冷やして、ある程度溶けたあとはキンキンの氷の粒を美味しくいただく。1本で2度活用できる本品は、今回の直江津までの旅で文句なしのMVP製品でした。
わかっているけど、絶望的!直江津までの果てしない道程。
横浜から、およそ330km。日本列島の反対側にある直江津は、はるか彼方ちゃんです。最適なルートを引く知見は無いので、「ろんぐらいだぁす!」の作中ルート案としてRWGPSで公開されているルート情報をパクr…参考にしました。
パッと見でわかる、ルート上の激ヤバポイントは2箇所。碓氷峠(横川〜軽井沢)と豊野から黒姫高原までの登坂です。ここの標高グラフは、見ているだけで心が折れそう。
さらに、巨大な登坂に隠れて見えづらくなっていますが、それ以外にもR254の嵐山町と小川町の境界付近、北山交差点から先の松井田下仁田線など、あちこちでキッツイ登坂が手ぐすねを引いて待ち構えています。泣いていい?
いずれにしても、ここは山岳国家ジャパン。どんなルートを引いたとしても、登坂から逃れる術はありません。絶望。
実際に行ってみた。
2025年8月29日金曜日。陽が沈んだのを見計らって、19時頃にスタートしました。鶴見川CRから多摩サイ、そして堤政橋を渡って府中街道へ。なんだか微妙に追い風で、脚の負荷ほぼゼロ。極めて順調なスタートです。
金曜日の夜なので、駅周辺は自動車も歩行者も数が多め。必要以上に周囲に目を配りつつ東村山、所沢と進み、川越(約60km地点)に到着したら、こんなにも素敵な景色がーーー。
R254に入ってしばらく走り、落合橋を渡るとラーメン屋がやってる〜。店内に突撃して背徳の深夜ラーメンを2杯食べたいところですが、ここはグッと我慢。
志賀Y字路(約84km地点)を左折すると、街灯がなくなって真っ暗。ですがVOLT800とNEOの2灯を点灯させていれば、LOWでも十分に明るいです。大光量LEDライト様々。
小川町、玉淀大橋とR254をひた走り、深夜なのに稼働音が聞こえるガリガリ君の工場脇を通過。藤武橋(約100km地点)を渡ったら左折して、下仁田街道をひたすらトレース。ドライブイン七輿に寄ると数キロのロスになるので、自販機チャーシュー麺は涙を飲んでスルーしました。
北山交差点(約150km地点)を右折すると、碓氷峠の前哨戦、松井田下仁田線に入ります。一気に何もない山の中(しかも斜度10%超)を走ることになるのですが、真っ暗な峠道には猿(多分)の鳴き声が響き渡ります。バックポケットに入れていた熊鈴を取り出して鳴らしながら走ると、連中は静かになりました。
R18まで下って碓氷峠直前のコンビニ、ローソン 松井田バイパス店(約157km地点)に到着。ここでは、葛西臨海公園から走っている参加者のAさんが愛車のピナレロと共にお休みになっていました。なんだか、見るからに速そうなバイクと身体つき。夜明けを待つとのことだったので、先行して出発。
そして、いよいよ最初の大ボス、碓氷峠に突入です。この青看板を目にした絶望、おわかりになりますよね!?
坂への呪詛を吐きつつ時速ひと桁で登坂していると、太陽が姿を現してきました。とはいえ、さすが早朝の峠道。ちっとも暑くありません。そして普段はひっきりなしに観光客が訪れるめがね橋(約164km地点)も、この時間なら独り占めして撮影し放題。
それにしても改めてじっくり見ていると、めがね橋は本当にデカいです。
これがめがね橋。これが碓氷第三橋梁なのか!?人類の科学は、技術は、こんな巨大なものを作ることが出来るというのか…。
朝日を受けた木々がキラキラと輝く中、涙目になりながら登坂を継続していると10分以上先行していたはずのAさんにサクッとブチ抜かれました。コンビニでお話ししたときは「いつも平坦しか走ってないんですよね~」とか仰ってましたが、やっぱり脚力つよつよマンじゃねーか!!うん、知ってた!
漕いでも漕いでも、いっこうに終わらない登坂。いっそのこと安中榛名に引き返して、新幹線で軽井沢に行っちゃえばよくない? 始発何時だっけ…とか考えていると、ようやく長野県境(約173km地点)に到着。碓氷峠クリア!
私…本当に長野県まで来たんだね。
軽井沢エリアに入るとグッと気温が下がって、「寒い!」という感覚を久々に味わいました。
前方に浅間山を見ながら、快適なダウンヒル…じゃないんですよね。地味な登坂が繰り返し登場して、碓氷峠でスッカラカンになった脚力に容赦なくトドメを刺されます。
中軽井沢の先に、R18と浅間サンラインの分岐(約185km地点)があります。浅間サンライン方向は登りになるので、今までは「もう1ミリも登りたくない…」という感情に負けて、R18をそのまま進んでいました。そして小諸付近のアップダウンで追加ダメージを受け、「坂のまち 小諸市」の看板に呪詛を吐くまでがセットです。
しかしながら、今日は覚悟を決めて浅間サンラインに向かいました。碓氷峠のあとの登坂は、マジでキツいっすなぁ。押し歩き寸前。
浅間サンラインに入ったあとは、思いのほかアップダウンがあるもののR18をそのまま進むより全然走りやすい印象。信号も少ないですし、もう圧倒的にこっちのルートをオススメします。
上田の市街地に下ってきたところで、そろそろしっかり休憩したい…ということで、ロードサイドの快活CLUB(約218km地点)になだれ込むように入店。
鍵付き個室に入ってフルフラットシートに倒れ込むと、そのまま意識を喪失しました。気付くと1時間近くが経過していて、ちょっとひと休みのつもりが大休憩。結局2時間近く滞在してしまいましたが、料金が税込1,000円を超えていないのは驚きです。いくらなんでも激安すぎませんか?コーラ飲み放題でソフトクリーム食べ放題だし、これでシャワーを浴びちゃったらもう完全にこっちが黒字でしょう。
上田から長野までは千曲川沿いを走ったりするルートもあるのですが、敢えて幹線道路沿いを走るようにしています。理由はひとつ。コンビニの数が多いから。
気温の上昇が留まるところを知らない灼熱の炎天下での走行は、コンビニの存在が生命維持のカギ。見つけたコンビニに飛び込んで、溶けたロックアイスを交換しながら進みます。
長野の市街地を抜けてアップルラインに入り、浅野交差点(約263km地点)を過ぎると第2の大ボス「黒姫高原への長い長い登坂ゾーン」に突入。
直江津までの全行程の中で、ここの区間がいちばんツラいんですよね。
途中の快活CLUBで休憩しているとはいえ、気力体力脚力は完全喪失済み。それどころか圧倒的にマイナスで、MAXなのは疲労感だけ。
そのうえ、ここをクリアしてもゴールはまだまだ先。「ラストスパートだ!」と、自分を鼓舞することさえできません。ただひたすらに、耐え難きを耐え、忍び難きを忍ぶことだけが求められるのです。
目の前に斜度が容赦なく上がる光景が飛び込んできて、心中に満ちるのは「絶望」の2文字だけ。
ガツンとペダルが重くなり、力を入れて踏み込むことを余儀なくされます。けれど脚力スッカラカンの脚は、いくら脳からペダル押下信号を送られても反応してくれません。
つらい…つらいよ…たすけて…たすけてモーモー萬次郎!!
川谷の信号の手前にある、みんな大好きハッピードリンクショップ。なのですが、ここは…なんか狂気を感じますねぃ…。
特にこの「りんご いかが」の人は怖すぎるYO!夜に通ったら、泣いちゃうかも。
キツい区間をクリアしてこれでひと段落…と思ったら、登坂車線が登場。斜度がさらにキツくなりました。
あのですね!わたくし今日はここまで約270km、東京から豊橋ぐらいまでの距離を走ってきているのです。しかも碓氷峠付きで!もう脚力残ってないよ!!いい加減にしてよ!!緩むことのない斜度に逆ギレしつつシフターをカチカチしますが、ギアはとっくにインナーロー。ディレイラーは、ピクリとも動きません。
そんな中で目に入ったのは、自転車乗り的には見逃せない店名のレストラン「LOOK」。
この店名!前回参加したときはLOOK675で走ったので、看板と自転車の写真を撮るしかない!と思ったのですが、実現には至りませんでした。なにしろ、ここは登坂車線ゾーンの真っ只中。両脚を痛めに痛めつけられていて、もう写真どころじゃないです。
というわけで今日もレストランLOOKを華麗にスルーして、這々の体で野尻湖(約286km地点)に到着。
ナウマン象像を横目に走って、さらに続くアップダウンをクリア。ようやく黒姫高原を越えました。
ここから先は、下り基調です。路面が荒れ気味なのはアレですが、下り坂って本当に最高。そして、いよいよ新潟県境(約288km地点)!
本当は歩道に自転車を停めて自転車と看板のツーショットを撮りたいところでしたが、ここ無茶苦茶高い橋の上なんですよね。高所恐怖症的には1秒でも速く通過したいので、シャッターを押したら即座に撤退!!
下り坂エリアが終盤にさしかかると、青看板にゴールが近づいてきたことを示す「上越妙高駅」の文字が!!
心の中は歓喜で満ちあふれる…かと思ったら「そういえば前回参加したときは、ここでゲリラ豪雨に見舞われて全身ずぶ濡れになって最悪だったよな…」という黒い記憶が甦ってきてソウルジェムが濁っただけでした。
寺町交差点(約313km地点)を左折して、旧北国街道へ。昭和の教科書に出てくるような雪国建築の街並みを横目に、ゴールに向かってペダルを回し続けます。
そして、ついに、とうとう、ようやく日本海に到着。いやー、長く厳しい戦いでした。思わずガッツポーズ。こみ上げてくるものがありますねぇ。
2025年8月30日、16時21分に船見公園の人魚像前(約327km地点)に到着。平均速度を計算してみると、ブルベだと完全に認定時間外になる遅さ。というわけで、私は今後も200kmまでのブルベにしか参加しない決意を新たにしました。
日本海に沈んでいく太陽。例年、直江津集合では雲に隠れて夕陽が見えない!というケースが多いらしいですが、今日は期待できるかも?
皆さんとおしゃべりしながら集合時刻の18時を待っていると、参加者が続々と集まってきます。ずいぶん前に到着して、ホテルでシャワーを浴びてサッパリしてきた!という方もいらっしゃいました。羨望。
18時を過ぎたあとは集合写真を撮ったり、円陣を組んで各自挨拶。それぞれどこを出発して、どんなルートを走ってきたか、そして参加のきっかけを話したりしたのですが、思いのほか多かったのは「マンガの影響で参加しました」という声。
なぜか誰からも具体的な作品名が出なかったのですが、そのマンガっていったい、何らいだぁす!なんでしょうか…。
挨拶の途中、最後の最後で雲に隠れていた夕陽が姿を現しました。
参加者全員で夕陽を眺めたあとは再び集まって、主宰のかんなさんのかけ声で
「直江津〜」
「集合!!」
のコールをして解散。皆様、お疲れ様でした!!
ホテルにチェックインしたら、ホテル併設のレストランで豪遊。消費した分以上に、カロリーを摂取したので体重ふえてるかも…。
まとめ
そんなわけで、どうにか直江津まで走り切れました。スタートからゴールまで、特に坂区間で地獄の底を這うようなツラい思いをしていますが、なぜでしょう?「たのしかったなー」という記憶しかありません。
直江津までの長距離サイクリング、つらいけど、楽しいです(人間は辛い記憶を忘れるようにできています)。
そして!
自転車で日本横断できてしまったことで、自己肯定感が爆上がりました。
俺様SUGEEE!!
自己肯定感爆上げ↑↑しゅきしゅきソングを、高らかに歌い上げたくなります。
しゅき しゅき だいしゅき もっと!もっと!
役に立ったアイテムまとめ
- Tyrell FSX:ド遅い貧脚でも、330kmを走破できるだけの走行性能を持っています。Tyrellはいいぞ…。
- CATEYE VOLT800/NEO:2灯装備+予備バッテリーで、暗闇の国道も安心。
- 保冷剤が入るベストとロックアイス:炎天下のライドは、氷を背負って走るに限ります!コンビニが途切れないルーティングが超重要!!
- 伊藤園やわらかフローズンレモン:神ドリンク。冷凍ペットボトルはコレ一択!
- 快活CLUB:コスパ高すぎ!休憩するならココ!!
反省点というか課題点
「自分の走力が徹底的に圧倒的に完璧に不足してる」というのはどうしようもないので心の棚にしまっておくとして、「ちょっと考えないとなー」と思っているのがコンタクトレンズ。
お店で勧められた酸素透過モデルを装用していますが、走行中は目が乾きまくり。都度都度、目薬を差しながら走りました。ゴール後にホテルで鏡をみてみると、充血しちゃって真っ赤っか。これはもう、さすがに度付きサングラスへの買い換えを考えないといけないかも。度付きサングラスの名店と名高い、御徒町のオードビーさんに行ってみるか…。
それと走行中は全然だったのですが、ゴールしたあとで不意に脚が攣りそうになるのと、上半身(特に腕と肩)の疲労がゴイスーでヤバかったです。帰りの電車内で駅弁を食べようとして、親指の付け根が攣りかけたのには慌てました。いやー、全身ズタボロになりますねぇ。
ものすごく蛇足
帰りの新幹線の中での出来事です。通路の向かいの席に、ワンちゃん連れの方がいらっしゃいました。AIRBUGGY(ペット用乳母車)を利用されていたのですが、タイヤのエアが抜けてしまった様子。おそらくバギーの付属品であろう華奢な手動ポンプでエアを充填しようとして、難儀されてました。
米式バルブに戸惑って、ポンプヘッドを装着することもできない。そんな飼い主さんを見て、私は思わずニチャア…と醜悪な笑みを浮かべました。
「これは自転車乗りのスキルと機材を使って、ドヤ顔するチャンス…!!」
そそくさとフレームバッグから、ワンちゃん大好きさんは存在すら知らないであろう機材を取り出します。
「CYCPLUS AS2 Pro〜!!」
テッテレテッテ テーテーテー
誰もいないデッキにバギーを移動してもらい、まずはタイヤサイドをチェックして適正空気圧を確認(もちろん飼い主さんは、そんな概念すらご存知なかったです)。
自動停止空気圧を、タイヤに記載されていた35PSIにセット。米式バルブだったので付属のホースを使って接続し、エアの充填を開始。走行音にかき消されて、駆動音は全然気になりません。
CYCPLUS AS2 Proでのエア充填は、相変わらずのラクチンさ。設定空気圧自動停止機能、本当に最高です。タイヤ3本のエア充填を、モノの数分で完了させてやりました。ドヤァ…。
ヒャーッハハハ!見知らぬ他人を平身低頭させるのは、最高の気分だぜェ…!!
飼い主さんはえらく感動して、「こんなモノがあったのか!自分も自転車屋に行ってこの電動ポンプを買います!」と息巻いていらしたので、CYCPLUS様!AS2 Proの売上が1個増えていたら、私のリアルプロモーションのおかげですよ!!
走行ログはこんな感じ。遅さが浮き彫りです!