タイヤ・チューブ

サイクリストに一番人気のシーラントはどれ? 不動の1位はあの名品

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ロードバイクでもMTBでもチューブレス系では使用がほぼ必須のシーラント。本来シーラントが不要なピュア・チューブレスタイヤでも軽度なパンクの自動補修を目的に入れる方もいますし、チューブラータイヤに入れている人も多いでしょう。

でもどのブランドの製品が人気なんだろう? 現在市場で目立っている4つの製品、Stan’s NoTubes, FINISH LINE, Mavic, Caffelatexの中からひとつ選ぶとしたらどれか。Twitterでアンケートを実施してみました。

なお選択肢が4つになっているのはTwiterアンケートの仕様です。これ以上増やせないんです。本当はTufoなども入れたほうが良いとは思うのですが、最近どこでもあまり売っているところを見ません。CBNレビューでもやたら評判が悪かったというのもあるのでバッサリ除外しました。

さて結果ですが、1位はStan’s NoTubes。支持率56%、ぶっちぎりのトップです。NoTubesタイヤシーラントはCBNにもレビューが多数あり、評価も上々です。私もチューブラーで使っていて路上でのパンクを何度かノーカウントにしてもらったことがあります。

2位のMavicは支持率22%。これはおそらくそのままMavic USTホイールユーザーの数字と言ってもいいでしょう。タイヤ・ホイールまわりを一体のシステムとして設計かつマーケティングしているMavicは、リムテープもシーラントも同社製品の使用を推奨。ユーザーとしてはそれを使えば安心、という心情があるに違いありません。ただ入手性は良くありません。

3位は同着でまずイタリアEffetto Mariposa社のCaffelatex。これはNoTubesやMavicのようにラテックスを主成分とする製品ですが、タイヤの中で回転とともにカフェラテのように泡立つという特性を持っています。これも最近売っているところが少なくなった気がします。

そしてもうひとつがFINISH LINE。同社が出しているシーラントはリスト内の4製品中、唯一ラテックスを素材としない製品です。そしてこれは入手性が良いです。かなり多くのお店に置いてあります。

ラテックスの長所であり短所は、速乾性です。タイヤの内側に膜を張るとすばやく硬化するだけでなく、パンク時に穴から噴出するシーラントも空気に反応して硬化し穴をふさいでくれます。しかしタイヤの中で液体がはやい段階で固まってしまい、ダマのようになってしまうという諸刃の剣。

FINISH LINEのシーラントは、ラテックス特有のこの速乾性に起因する問題を解消することを目指した、シーラントを含まない新しいタイプの製品です。昨年夏に出たばかりの新製品で、ケブラー繊維が配合されているのが特徴。見た目も真っ白ではなく液体状のこんにゃくのような灰色。黒ゴマのようなケブラー繊維が浮遊しています。

そしてこの製品、驚くほど評判が悪い。

サイクリストに一番人気のシーラントはどれ? 不動の1位はあの名品

FINISH LINE チューブレスタイヤシーラントの評価がひどい

アメリカにamazon.comというCBNの英語版みたいなレビューサイトがあるのですが(←ここ笑うところ)、60人による星評価の平均は5点満点で2.6。相当ひどい評価です(当該ページリンク)。具体的にどんなことが言われているのか。内容もおもしろいのですが、タイトルだけ読んでもおもしろいのでいくつかご紹介。

Extremely inferior to latex sealant
ラテックスシーラントに比べてはるかに劣る

Fails to seal punctures other sealants do
他のシーラントなら塞いでくれるようなパンクも塞いでくれない

Had to use almost double the amount recommended.
推奨量のほとんど倍入れないといけなかった

Really disappointing. Did they even test this stuff?
本当にガッカリ。メーカーはこの製品、本当にテストしたのか?

Safer to get latex based sealants
ラテックス系シーラントを買ったほうが安全

Works fine until you get a puncture!
パンクするまでは機能する!

DO NOT BUY!!!
買っちゃダメ!!!!

Seals bead, doesn’t seal punctures
ビードはシールしてくれるがパンクは塞いでくれない

Fails to seal tiny punctures
小さいパンクも塞いでくれない

Non drying… NOT
乾燥しない… ウソだ

Waste of money
金のムダ

Stick with Stan’s/ Latex
Stan’sかラテックス系にしたほうがいいよ

いやー、胸がスカッとするほどの最低文言が並んでいます。これほどひどい評価はなかなか見ません。もちろん、良い評価を出している方もいますが、4つ星以上が32%、2つ星以下が66%。この割合は無視できません。

いちばん多い不満は小さいパンクでもふさげない、というもの。パンク時に延々とシーラントがブクブク吹き出してはくるものの凝固しないらしい。そして重量。この製品、ロード用では90mlの使用が推奨されているんですね。これは多い。ラテックス系で普通使う量の倍くらいだと思います。それでももっと入れないと効かなかった、という体験談もありました。

さてこのFINISH LINEのシーラントですが、サイクルスポーツ2月号の特集「チューブレスタイヤ運用術」のp.81では絶賛されています。これはライターの方の意見なのか、アドバイザーのメカニックの方の意見なのかわからないのですが、amazon.comで書かれているようなネガティブ面には一切触れられていません。

そのp.81では5つのシーラント製品が紹介されているのですが、上のアンケートでぶっち切りの1位を獲得したStan’s NoTubesの姿が見当たらないのも不思議です。何か大人の事情があるのか、たまたまなのか。

FINISH LINEのシーラントについては、メーカーによるPRとユーザー評価がこれほどまで乖離しているのが興味深いので、私は実際に買ってみました。いま使いはじめたところです。そのうち使用感を書くと思います。

追記:その後実際にFINISH LINEのシーラントを使用してみました。下のリンクから記事を読めます
私がFINISH LINEのシーラントをやめてStan’s NoTubes に戻した理由
FINISH LINEのチューブレスタイヤシーラントは昨年夏、鳴り物入りで登場した新製品です。一般的なシーラントで使用されるラテックスを含まず、主成分のポリエチレン・グリコールにデュポン社のケブラー繊維を配合。液体状態を長く保ちつつ、高いシ...

ところでシーラントどうやって入れてますか?

人気シーラントアンケートと同時に、シーラントの入れ方についてもお聞きしてみました。チューブラータイヤの場合はバルブコアを外してその中に…という一択なのですが、チューブレスの場合は片側のビードを少し外した状態で液体をジャーと入れる、という方法もあります。どちらの方法が主流なんでしょうか?

結果は「バルブコアを外して入れる派」が81%で大多数を占めました。一般にシーラントはバルブ付近に固着するのでビードを外してそこから入れたほうが良い、という意見もあるようですが、すると液体が飛び散るリスクも高くなります。自転車専用の作業部屋やガレージ、庭がある方なら気にならないかもしれませんが、日本の住宅事情だとこういう結果になっても仕方ないのかなという気もします。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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