英国のメンテナンス用品ブランド・Muc-Offからインナーチューブ用のシーラントが発表され、話題になっています。
チューブド・クリンチャータイヤでチューブレスやチューブラー用のシーラントをパンク予防的な用途として使用することは、一般的ではないとしても特に珍しいことではないかもしれませんが、「インナーチューブ専用設計のシーラント製品」は決して多くありません(近い製品としてはSlimeが存在します)。
公式 Inner-tube Sealant | Muc-Off UK
Muc-Off No Puncture Hassle Innter Tube Sealant
製品名は「Muc-Off No Puncture Hassle Inner Tube Sealant」。本記事執筆時点では日本国内では未発売。英国では既に発売開始されていますが、北米では7月末頃の発売が予定されているそうなので、日本でもその頃に入手できると良いですね。なお価格は300mlで£9.99(日本円で1,329円程度)となっています。
上のインスタのキャプションは次のようになっています。
チューブレスに移行できない、あるいはしない人であっても、パンク修理に苦しむべきではありません。だから私達は最新のインナーチューブ・シーラントを開発しました。
シュレーダー(米式)でもプレスタ(仏式)でも(ただしバルブコアが取り外せるもの)大部分のタイヤと互換性があり、どんなタイプのライドともマッチします。パンクにお別れのキスをする時かも?
Muc-Off公式サイトでの商品紹介は次のようになっています。
- インナーチューブのためのパンク予防
- MTBやE-Bike、通勤用バイク、ツーリング用バイクに最適で最大4mmまでの穴をふざぎます
- 複数箇所のパンクにも対応します
- 乾燥してなくなることはありません
- インナーチューブの寿命と同じくらい長持ちします
- 腐食防止剤を含みます(=アルミリムの腐食を防ぐ)
- パンク穴を素早くかつ効果的にふさいでくれる最先端の分子を含みます
- 水溶性です
- 有害ではありません
- -15°Cから+50°Cまでの気温に対応します
注目すべき点としては、本当かどうかは検証してみないとわからないことではありますが、どうやら乾燥に強いらしいこと、インナーチューブの寿命と同じくらい長持ちする、という点。
これはつまり、1度このシーラントを入れたらチューブが使えている限りは継ぎ足し補充が不要、ということを意味します。
そんな製品が本当にあるのか、と疑問に思ってしまいますが、本当にそういう性能だとしたらこんなに嬉しいことはないですね。とりあえずメーカーの主張を信じることにして、私も入手次第ブロンプトンやダホン、ピストバイク等のチューブド・クリンチャータイヤで使ってみることにしたいと思います。
シーラントの注入量
このMuc-Offのシーラント注入量は次のように規定されています。
- 18インチまで: 50ml
- 20インチのBMX: 80ml
- 22-24インチのジュニアMTB: 80ml
- 26インチのMTB: 100ml
- 700C: 80-100ml
- 29インチMTB: 120-140ml
これを見て一般的なチューブレス、チューブレスレディタイヤでシーラントを使用されている方は「おや」と思われたかもしれません。
量、ちょっと多めですよね。700Cの場合はタイヤ外周部の重量が80-100g程度重くなることを意味します。Continental Grand Prix 5000のような高性能タイヤで使うのはちょっともったいないかもしれないですね。
注入の仕方
このシーラントはバルブコアを外して注入するそうです。下は公式の使い方解説動画です。
シュレーダー(米式)チューブの場合は、バルブコアを外す専用工具が付属するとのこと。プレスタ(仏式)の場合は自前のバルブコアリムーバーが必要です。というか、バルブコアが外れるタイプのチューブでなければ使えないことになっています。
付属するホースを繋いで、大体注入したらシーラントが漏れてこないようにバルブを高い位置に… というのはチューブレスタイヤでのやり方と同じです。
いくつかの疑問
個人的に、ブチルチューブでもラテックスチューブでもどちらでも使えるのかどうか気になるところです。ただどちらかでは使えません、という但し書きは全くないので、多分どちらも大丈夫なのでしょう。
乾燥に強くチューブと同じくらい長持ち、という点も「本当なのか」と思ってしまいますが、とにかく使ってみなければわかりません。
もしこのシーラントを使用することでチューブレス・チューブレスレディ・チューブラータイヤなみの耐パンク性能を獲得できるのなら、50-100gの重量増を許容できる方もいるでしょう。
国内販売が開始されたらすぐにでも試してみたいアイテムです。読者の皆さんはどうでしょうか?
Muc-Offというブランド自体はメンテナンス用ケミカルの分野で非常に人気が高いので、この製品にも期待したいですね。