FINISH LINEがシーラント新製品「FiberLink™ Tubeless Sealant」を発表しています(画像下)。最大の特徴は「ラテックスが配合されている」ことです(詳しくは後述します)。
公式 Finish Line – Bicycle Lubricants and Care Products – FiberLink™ Tubeless Sealant
ナチュラル・ラテックスを配合
まず公式サイトの製品概要から(やや仰々しい文章ですがご了承下さい)。
- Finish Line独自のFiberLink™テクノロジーと共に開発されたこの革新的なプロ・ラテックス・フォーミュラは、素早くシールし、最大のシーリング能力と最適な長寿命を提供します
- Kevlarファイバーが即効性のあるナチュラル・ラテックスと相乗的に働き、パンクが起こると同時にシールします
- 自由に流れるラテックスは素早くパンクを治し、Kevlarファイバーと相互リンクすることにより、強化された粘着性シールを生み出します
- 低粘度なのでレースに理想的
- 即効性のあるナチュラル・ラテックスが空気漏れを低減
- 匂いが少なくセットアップが簡単
注入量の目安は次のようになっています。
- Road – 2-3oz(≒60〜90ml)
- CX, Gravel, 26″, 27.5″ – 3-4oz(≒90〜120ml)
- 29″ – 4-5oz(≒120-148ml)
- 29+ – 5-6oz
- Fat – 7-8oz
旧製品と何が変わった?
さて、同社の旧製品「Tubeless Tire Sealant」(※FINISH LINE公式サイトにはまだラインナップされているので当分併売されるものと思われます)は、ラテックスとアンニモアを含まないため、環境と人に優しい製品として話題になりました。
しかし(パンクを修復するという)性能面では、残念ながら国内外での評価が非常に低いものでした。ラテックスが入っていないせいで穴を塞ぐ能力が十分でない、という不満の声が多かったのです。筆者も試したことがあり、下の記事で詳しく紹介しています。少し上級者向けの、扱いが難しい製品であるように感じました。
この旧製品には環境に優しい・比較的固まりにくいというメリットも確かにあったようですが、今回同社がラテックスを配合したシーラント新製品を発表したということは、やはり先代製品の売れ行きが芳しくなかったからでしょう。ラテックス系シーラントに対する事実上の敗北宣言のように見えます。
「ナチュラル・ラテックス」と謳われてはいますが、定番のStan’sもナチュラル・ラテックス使用です(安定剤として微量のアンモニアも配合)。
FINISH LINEの今回の新製品には「アンモニアフリー」の文言は見当たらないので、ケブラー繊維以外の部分では他社製品と大きい違いはないように見えます。ケブラー繊維がラテックスの働きを本当に強化してくれるのなら、ちょっと試してみたい新製品ではあります。
またこの新製品「FiberLink™ Tubeless Sealant」はロードタイヤでの注入量が約60〜90mlとなっています。旧製品では90mlだったので、注入量をやや減らせるようです。やはりラテックスはそれだけ強力ということなのでしょう。軽量化にも繋がります。
とはいえシーラント初心者の方は、まずはStan’s製品を使っておいたほうが安心かもしれません。