タイヤ・チューブ

IRCのグラベルタイヤにはどんな製品がある?ラインナップとユーザーの評価を観察しよう

IRC(アイ・アール・シー 井上ゴム工業株式会社)のグラベルタイヤにはどんなモデルが揃っているのでしょうか。まずラインナップを観察した上で、国内外の一般ユーザーによる使用感も一緒に観察していきましょう。

IRC BOKEN PLUS 650 × 47B

公式 GRAVEL | アイ・アール・シー 井上ゴム工業株式会社

BOKEN 4モデル + MARBELLAという構成

IRC公式サイトによると、本記事時点では以下の5種類のグラベルタイヤがラインナップされています。

  1. BOKEN TUBELESS READY
  2. BOKEN PLUS TUBELESS READY
  3. BOKEN DOUBLECROSS TUBELESS READY
  4. BOKEN SLOPCHOP TUBELESS READY
  5. MARBELLA TUBELESS X-Guard

このうち「MARBELLA」のみがシーラント不要のピュア・チューブレスで、サイズ700×28Cのみ。「ロードバイクでグラベルライドやキャンプツーリングを試したい方・サイドカットにも強い耐パンク性能を重視する方」向けのタイヤとなっています。

それ以外の「BOKEN」シリーズは全てチューブレスレディ。対応路面については、下の表を見ると判りやすいのですが、この中で最も舗装路寄りなのがBOKEN PLUS。反対に最もダート・マッド寄りなのがBOKEN SLOPCHOP。舗装路からグラベルまで最も守備範囲が広そうなのがBOKEN DOUBLECROSS、と言えるでしょう。

路面による製品選択表

© IRC

各モデルで用意されているサイズは、以下に表にしてみました。こうやってみるとロードバイクでギリギリ使えそうなのはやはりMARBELLA。650Bに対応しているのはBOKEN PLUSのみ。最大サイズは700 × 42C及び650 × 47Bとなっています。なおカラーは全てブラックのみ。

BOKEN 700 x 36c
700 x 40c
BOKEN PLUS 650 × 42B
650 × 47B
700 × 32C
700 × 38C
700 × 42C
BOKEN DOUBLECROSS 700 × 38C
700 × 42C
BOKEN SLOPCHOP 700 × 36C
MARBELLA 700 × 28C

筆者は現在、BOKEN PLUSの650 × 47Bを使いはじめました。とりあえず「ハメやすく、ビードも上げやすく、重さのわりに走行感は軽くて好感触」という印象を持っていますが、詳細な使用感は後日お伝えする予定です。トレッドパターン的にはWTB ByWayに非常に近いセンタースリックです。

内外ユーザーによるBOKENシリーズの使用感

国内外のユーザーによるBOKENシリーズの使用感をいくつかご紹介します。軽く調べてみた結果ですが、好感を持っているユーザーが多いようですね。大きくネガティブな評価はなかなか出てきません。

BOKENの使用感

  • BOKENを使ったことがあるが際立っていた。ラブリーなフィールがあり、グリップもたっぷりで、ラフな石の多いトレイルでもきちんとこなせる。舗装路ではかなり速い(Reddit
  • BOKENは良い。いま36を使っているが、本当にバーサタイルなタイヤだ。整備されたグラベルでは性能過多かもしれないが、舗装路ではよく走るし、かなり難易度の高いノーザン・ニューメキシコのトレイルや、今では整備されていないグラベルでも走れた(Reddit
  • BOKENはZIPP 303でいちばんセットしやすいタイヤだった。チューブレスではインストールが最速だった(Instagram

BOKEN DOUBLECROSSの使用感

  • BOKENの42mm(※モデル不明。恐らくDOUBLECROSS)はBWR Kansasではゲームチェンジャーだった(Instagram
  • 最近Panaracer GK 700×38からBOKEN DOUBLECROSS 700×44に乗り換えた(※700×42の間違いと思われる。写真でも確認できる)。砂っぽい表面ではこれのほうがよく食い付いてくれる、特に立ち漕ぎでは。しかし、やや重くて固い。カリフォルニア・サンタモニカマウンテン・マルホランドダートより(Reddit
  • BOKEN DOUBLECROSSを荒れたバーモントで使ってみたが、シングルトラックで石よりもダートが多いなら良い。あのトレッドパターンにしては舗装路ではバカみたいに速い。欠点はケーシングが非常に固いため空気圧の微調整が少し大変なところ(※速いのは同意だ、俺は38mmを使っている、というコメントも)(Reddit
  • BOKEN DOUBLECROSSの42mmを使っているが… これ以上ハッピーにはなれない。シルキーな路面からロッキーなトレイルまで、その中間の全てもきちんとこなす(Instagram

BOKEN PLUSの使用感

  • (700x38c)ゴムが厚く感じ乗り心地がとてもソフト、そしてグリップがすこぶる良い、舗装路のコーナーリングはどこまでも倒せる安心感があります、少々ふわついたグラベルを走ってみてもサイドのノブがしっかり路面を噛みぐいぐい進んでいきます、それでいてセンターはスリックなので乗り心地はごつごつしない絶妙な加減(CBN
  • 見た目から受ける印象よりもずっとバーサタイルなタイヤだ(650x47B)。舗装路でよく走るように見えるし、実際によく走る。だがもっと荒れた路面でも驚くほど優秀だ(road.cc

アメリカのグラベルレースでBOKEN DOUBLECROSSを愛用している、という方は結構多い印象を受けました。BOKEN DOUBLECROSSは、IRC公式によると対応路面が最も広いモデルなので、オフロードの割合が半分以上というユーザーは最初にこれを試すのが良いのかもしれませんね(それでいて舗装路もメッチャ速い、という声が目立ちました)。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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