海外掲示板のMTBコミュニティで「ガンガン乗るようになったら体重が増えてきたんだけど… 」という相談を見かけました。MTBに限らず、ロードバイクでもかつてないような距離を走るようになったり、運動強度が上がると、ライド翌日以降に体重が1〜2kgも増えてしまってそれが数日も数週間も戻らない… という経験をされたことのある方は多いのではないでしょうか。
かなり初心者っぽい質問かもしれませんが、より多くの距離を乗るようになると、体重は増えていくものなのでしょうか、それとも減っていくものなのでしょうか? 私はMTBをやりすぎると体重が増えることがよくあります
まず、寄せられたネタ系コメントからいくつかピックアップ。
- ライド後に消費するビールの量によるよ(223いいね)
- 1時間のライド後は400kcalのIPAを5本飲んでもいいと考えてしまうのは俺の悪いクセだ(68いいね)
- (上の人に)1時間? 長すぎだろ(14いいね)
- (上の人に)5本? 少なすぎだろ(13いいね)
次にまじめなコメントから2つご紹介。
たぶんあなたはライド後の枯渇状態に慣れていなくて、そのせいで食べすぎてしまって、体重増加に繋がっているのです。ライド後は水分をよく採って、空腹感を適切なものに調整してください。脱水していても空腹感を覚えますからね(94いいね)
(上の人に)そこに付け加えたいことがあります。私も同じ経験をしたことがあったので調べてみたのですが、最近多くの運動をしていなかったとか、運動量を増やしはじめたという場合、身体は運動中に発生した筋肉の裂傷を「修復」するために、より多くの水分を保持するようになるのです。1ヶ月もすればそれは普通なくなり、体重は減っていくようになります。あるワークアウトを長い期間持続していたけれど、運動強度を急に数段階上げたという時も同じことが起こるでしょう。
私は4週間前からまじめにランニングをはじめたのですが、87kgから89.8kgまで増えてしまいました! 体重はまた減りはじめたので、増加傾向はこれで終わりそうです…
参考までに、3週間目に好きなトレイルに(自転車で)走りに行きました。普段なら終盤でヘトヘトになってしまうところなのに、その日は予備燃料がまだタンクに残っている感じでした! その日は数マイル余分に走ることができたので、クロストレーニングが役に立ったと思います(14いいね)
最初の方のコメントのように「食べすぎ」が原因になることも確かにあると思いますが、私はどちらかというと2番目のコメントに注目しました。というのも、私も今年まじめにランニングをするようになって全く同じような経験をしたからなのです!
サイクリングや登山では、ここ数年ではどんなに厳しめの内容でも体重が極端に増減することは少なかったのですが、5km〜15kmとランニングするようになったら、体重が1日で最大1.5〜2kg増減したことが何度かありました。ウォーキングのような低強度の運動なら、20km歩いてもこういう変動はありません(500g減るくらい)。
ランニングではサイクリングや登山では使わない筋肉を使うようになり、さらにダメージも大きいので、上の方が書かれているように筋繊維修復のためにより多くの水分が必要となること、身体が保水しやすくなることに加え、グリコーゲン再補充のためにも水分が必要になることと関係があるのだろう、と私は考えています。
仮に肝臓に蓄積されるグリコーゲン(=エネルギー源の一種)量が100g、筋肉全体に蓄積されるグリコーゲンが300gだとして、計400gのグリコーゲンは3倍の1200gの水分と結合すると言われています。するとエネルギーが枯渇するような運動の前後でちょうど1.5kg程度の増減があってもおかしくない計算になります。これは私の経験上の数字ともマッチしていたりもします。
いずれにしても脂肪のみで1日に500g以上も増えることは相当爆食いしない限りまずありませんから、運動強度の増加に伴って体重増も観察された時は、体重計の数字には一喜一憂せず、鏡に映る姿や体調、パフォーマンスを観察したほうが良いように思います。
私はランニングをするようになって、アドベンチャー系サイクリングでの持久力が確実に上がったと感じています。まさに上の方のように「予備燃料がまだタンクに残っている」と感じることが多くなりました。体重自体は以前より増えたままなのですが、恐らく筋肉量もグリコーゲン貯蔵量も増えているでしょうから、数字はあまり気にしないようにしました。
とはいえ、たとえばヒルクライム好きの方にとっては体重がずっと2kgも4kgも増えっぱなしというのは問題になるでしょうから、運動強度を増やしてから2週間〜1ヶ月経っても数字が減らない場合は、あらためて食事内容をチェックしたほうが良いかもしれないですね。