経営難から2018年に台湾工場を閉鎖し、知的財産を売却するとともに多くの社員を解雇せざるをえなくなったAMERICAN CLASSIC(アメリカンクラシック)がタイヤブランドとして再始動しました。CyclingTipsが伝えています。
出典 American Classic is reborn as a road and gravel tire brand focused on value – CyclingTips
出典 American Classic – The Fine Art of Engineering
高性能をお値打ち価格で
- American Classicは灰の中から蘇り、ダイレクト・トゥ・コンシューマーブランドとして再起した
- かつてはホイールに注力していたが、今回はロード・アーバン・グラベル向けの8モデルのタイヤに集中する
- これらのタイヤはどれも30〜35ドルと安価で、ユーザーがライド中にタイヤを破損した場合1回に限り50%OFFで代替品を購入できる「ロードハザード・リプレースメント・ポリシー」も用意している
- タイヤの生産はAmerican Classicが所有する台湾の工場で行われ、チューブレスモデルは最新のフックドまたはフックレスリムで使用可能
- 現時点ではこれら新タイヤの販売は米国ユーザー向けのみで、同社ブランドサイトまたはアマゾンストアで購入できる
- Timekeeperはプレミア・ロードレースタイヤ。チューブレスレディで120TPI。700×25-28まで用意。ブラック・タン・ブラウンサイドあり。重量は210〜300g
- Torchbearerはよりオールロードに振ったモデルで、ビードからビードにかけて耐パンクレイヤーがある。サイズは700×25, 28, 32が用意されブラックウォールのみ。重量は270-415g
- Lamplighterはアーバンライドにフォーカスしたもので、サイズは700×40/50と650x47mm。60TPIケーシング。耐久性を重視しビードからビードまでの耐パンクレイヤーとトレッド下には追加の3mmラバーがある。重量は580-670g
- Kimberliteは貧弱な舗装路またはハードパック・ダートに適した混合路面モデルで、ショルダー側に行くにつれノブの突起が高くなる。耐パンクレイヤーは「特別に設計されたマイクロファイバーコンポジット」でトレッド下に追加のベルトがある。サイズは700×40/50と650x47mmでチューブレスレディ・120TPI。ブラックウォールのみ。重量は565-660g
- Aggregateはさらなる路面混合に適したモデルで低い六角形のノブを持ち、Kimberliteとトレッド素材や耐パンク性能・サイズやケーシング構造は同じ。サイドウォールはタンサイドも選べる。重量は565-680g
- Uddenはより荒れた路面向け。サイズ・カラー・ケーシング構造はAggregateと同じ。重量は565-680g
- Wentworthはさらにノブとトレッドブロックが大きい。長期間の無目的な探検や、曲がり角の先に何があるかわからない雨天のレースに適する。サイズ・カラー・ケーシング構造はAggregateとUddenと同じ。重量550-740g
- Krumbeinはゆるいグラベルやシングルトラック向き。ショルダー部はMTB的な突起で、センターにもはっきりとノブが見えるが転がり抵抗は軽減させている。サイズ・カラー・ケーシング構造はAggregateとUdden, Wenthworthと同じ。重量585-735g
- これらのタイヤの多く、特にグラベルモデルのトレッドパターンは他社製品とよく似ている
- UddenはDonnelly MSOに、AggregateはSchwalbe G-One Allroundに、KimberliteはWTB Bywayにそっくりである。KrombeinはWTB Resoluteを、TimekeeperはContinental GP5000を思わせる
- しかしこれらは完全なコピー商品とも言えない。例えばAggregateのノブはSchwalbe G-One Allroundと違い、多角形でブレーキ性能は改善されていると考えられるし、より直径が長く背の低いセンターノブ直径は安定性を高め転がり抵抗を軽減するというし、より間隔の広いショルダー部は「より良い食いつきとゴミ掃け」に貢献するという
- 筆者はWentworth 700x40mmを数週間使っているが、正直なところかなり良い。ケーシングは私のいつもの好みほど柔軟性があるわけではないが、厚いサイドウォールはカットに強い。トリッキーな「ルース・オーバー・ハードパック」な路面でもグリップが良く、今のところトレッドの減り具合も問題ない
- 勿論、価格は無視できないところだ。パフォーマンス面だけを厳密に見るとシュワルベやコンチネンタル、WTBやマキシス等の製品ほど突出はしていない。この価格帯でこれに近い性能を持つタイヤは他に見当たらない
- ブランドのオリジナルオーナーであるBill Shookはこのタイヤの開発には関わっていない。現在はデザインとエンジニアリングの外部コンサルタントに近い立場で、このタイヤのライドテストも行ってはいる
- American Classicの公式サイトには「ホイール」のタブも用意されている
全体的には「低価格・高性能」というコンセプトでタイヤ市場に食い込んでいこうという考えのようです。トレッドパターンは確かに私も使っているシュワルベやWTBのそれにそっくりなものがあり、賛否両論はあると思いますが、トレッドパターンもある程度の「最適解」は出揃っているということなのでしょうか。
また現在はページが用意されてはいないものの「ホイール」タブが用意されているところを見ると、American Classicのホイールが再び登場する可能性もありそうです。